昨日、高3の授業で漸化式と極限の次のような問題を扱った。
ほとんどの生徒が「なんじゃこりゃあ!」という感じで苦戦していた。
数列の極限の扱いって、学校によっては体感速度3秒くらいで終わるところもあるらしい。まあ、体感速度3秒は嘘だけど、まともに教わったことがないと生徒たちは言っていた。
確かに、入試でよく出る典型問題だけやっておけばとりあえず解けるようになる。点ももらえるもんね。ちなみに、問題集によく載っている次のような問題はほぼ全員できていた。
(1) $n=2,\ 3,\ 4,\ \cdots$ に対して不等式 $a_n>4$ が成り立つことを示せ.
(2) $n=1,\ 2,\ 3,\ \cdots$ に対して不等式 $\displaystyle a_{n+1}-4<\frac{1}{8}(a_n-4)$ が成り立つことを示せ.
(3) $\displaystyle \lim_{n\to \infty}a_n$ を求めよ.
迷える子羊のための誘導もきちんとあるからね。個人的にはこの問題が理解できているのであれば、上の問題もある程度までは考えられるはずだと思う。でも、全然できないという高校生が多い。
こういうのは、やはり解き方の手順を覚えてしまっていて、それを単純になぞっているということだろう。
実際に、下の問題の(1)とか(2)でやってることの意味を聞いても答えられないという人がたくさんいるだろう。
でも、答案は作れるわけである。答案作れればそれでいいじゃねえか、なんて言わないでほしいな。
聞いてみると、全然分かってないってことがよくあるんだもん。
こういう不思議な現象がよく起こる。
多分、生徒本人は解けたから「できている」と思い込む。
ところが、同じようなことを違う角度から扱っただけの問題には手も足も出ない。
2次試験ではこうしたことがたくさん起こっていると予想がつく。
過去問を繰り返しやって解けるようになった、と本人は思っていても、それは「その問題」が解けるようになっただけであって、その問題の意味や意図までは理解できていないということである。多分、高校生の頃の自分もそういう部分があったはずである。
意味のある問題を、隅々まで理解するということは非常に強力な武器になることを知ってほしい。
そして、隅々まで理解することの難しさも・・・。