事件が起きたのは土曜日の午後だった。
翌日の定期テスト対策用に、重要ポイントの問題を大量に印刷していた。
5教科すべての問題を用意し、「後は出力するだけだぜー!」とテンションも高くなっていた俺。
とりあえず、必修の英語と数学のプリントを印刷し、理科のプリントを出力し始めてすぐのことだった。
ゴリゴリゴリ!!
という、プリンターから出るはずのない機械音が教室に響いた。
こだまでしょうか? いいえ、プリンター。
そんな独り言をつぶやきながら、プリンターのカバーを開けると、そこにはグシャグシャの紙の塊が絡まっていた。
何だよ~、紙詰まりかよ!とこれまたひとり突っ込みをする俺。
丁寧に取り除き、ユニット周りを拭き拭きして、再印刷。
しばらくすると
バキバキバキ!!
という、プリンターから出るはずのない機械音パート2が教室に響いた。
こだまでしょうか? なんて言ってる場合じゃなく、見るとプリンターのランプが
「いやー、僕ね、もう無理っす、限界っす!」
と叫ぶかのようにビッカビカ点滅していた。
はっきり言って、「寿命」である。
トナー交換すること数回、ユニット交換数回。
消耗品も何度か交換して、やってきたわけだが、やはり耐用年数を過ぎていた。
しかし、なぜ、なぜにこのタイミング!?
明日までに、あと100枚くらいのプリントが残っているのに!
100枚でいいから我慢してくれー!!
と瀕死のプリンターを揺すってみる俺。
しかし、ランプはビッカビカ光ったまま。
「叩けば直る」という日本の伝統技術を繰り出そうかとも思ったが、老人に鞭打つ真似はできない。
1時間ほど放置して再印刷したが、結果は同じ。
分解して掃除をしてみたが、結果は同じ。
つまり、もうダメってことだ。
そんなわけで、素早くネットで調べ、新しいプリンタを購入。
早くて週明けかな、と思っていたけど日曜日に届いた。
良かったー。
ちなみに、前のプリンターの半分くらいの値段で、高機能。
印刷速度も速いし、メモリも多いし、コストもかからない。
急いで買ったから心配だったけど、良い買い物だった。