今日は高3の微積の授業だった。
内容もいよいよ佳境に入ってきた。
受験までもうちょっと。頑張ろう!
今日はちょっぴり難しい話。
高3の理系数学(とくに微積)は、なかなか準備が大変なのである。
センター対策と学校の授業があって、それらと並行して入試の準備をする必要があるのだ。
理解の早い生徒であれば、何てことはなく乗り越えていくが、ごくふつうの生徒にとっては難しいだろうなあと思う。
かつて自分もそうであったし。
最初の関門は、典型的な問題に対して、考え方の骨を理解して一定の(完全でなくてもよい)答案を作れるようにならないといけない。
でも、現役生はここにたどり着くかどうかのラインにいる生徒が多いのも事実。
で、そこをクリアしたら、理論的な部分を細かくチェックして、減点されないようにするのが第2段階。
今日の授業の中で絶対を含む積分で定義された関数の最小値を考える問題を扱った。
これは高3生にとってはおそらくやったことのある典型的な問題だ。
生徒も大体のアウトラインはできるようになってきている。
第1段階は突破しつつあるようだ。
でも、第2段階になると、やはりまだまだである。
関数の定義域をa<x<bのようにして最小値を考察してしまっている生徒が多かった。
実は、微分における基礎的な理論に、最大値・最小値の定理というのがある。
(ここからロルの定理や平均値の定理へ繋がっていく)
これをきちんと理解して用いている生徒は、開区間ではなく閉区間でなければ最大や最小を考えることができないと分かっているので、端点を含むように定義域を書く。
そうでない人は、「単なる場合分け」のような感覚で上のようにやってしまう。
そんなの大した問題じゃない、なんて思う人は理系は諦めたほうがよい(笑)
まあ、現役高校生にそこまでを求めるのは些か酷なことだと思うが。
ただ、「緻密さ」というものは持っておいた方がよい。
きちんとした理論的な裏付けもなく、何となくで物事をやってしまうのはギャンブルだからね。
もちろん、人生には理屈ではどうにもならないこともたくさんある。
でも、理屈で何とかなるものもそれと同等にたくさんあるんだよ。
だから、考えの浅はかな人間にならないようにしてほしい。