急に寒くなりおって!と思っていたら、固形物も降ってきた。パソコンの画面に出る天気予報のマークが雪だるまになっている。
雷もゴロゴロ。ああ、北陸の冬がやってきた。
思えば、金沢にやってきてから、ほぼ20年が経過した。
国立前期で第1志望に不合格となり、後期で受験した金沢大学に合格。
なんとも言えない複雑な心境で、金沢での生活をスタートさせた。
当時は、まさかここまで金沢で長く暮らすなんて考えてもいなかった。
特に冬の鈍色の空は、太平洋側の冬しか知らずに育った俺には苦痛でしかなかった。
最初こそ珍しく感じた雪も、生活にはとても不便で厄介なものとすぐに理解した。
早く北陸を脱出して太陽のある地域に住みたい!!
と、妖怪人間ベム風に思っていたはずなのに、気づけば20年も経っている。
最初は「第1志望に合格していたら」という思いがなかったわけではない。
いろいろと逡巡することもあった。
それでも、今日ここで仕事を得て、日々楽しく暮らせている。
何かしら俺を惹きつけるものがこの街にあるということだろうか。
あるいは、これが縁というものなのだろうか。
この時期になると、なぜかこのようなことを毎年考えてしまう。
北陸の冬は、思考を巡らすには適しているのかも知れない。
まあ、単に温かいときは脳が沸いてアホになっているせいかもしれないが。