欠如しているもの

今日で準備講座が終了した。

春休みの宿題で、大抵の進学校は因数分解あたりまでが宿題として出る。

この分野は、ただの計算問題と言ってしまえばそれまでだけど、実は重要なことが潜んでいる。

それは、数式に対する観察力を磨くということである。

あるいは、隠された情報を見抜く目を磨くということでもある。

高校数学と上手に付き合う上で、観察力を磨くというのはとても大事である。

やってるうちにそういうのが自然とできるようになる人もいれば、ずっと気づかない人もいる。

この部分を疎かにしたまま先に進んでしまうと、かなり大変だと個人的には思っている。

もちろん、繰り返しやることでパターンを見抜いて解法に当てはめれば、ある程度の問題には対処できる。

でも、因数分解を超えた範囲で同じような観察力を要求される場合に、上手く対処できるとは限らない。

生徒を見ていても、そうした演習中心でやってきた生徒は、応用力に乏しい人が多い。

数学を教えていて、最も懸念しているのはこの部分である。

観察力の欠如というのは、理系に進む人間としては著しい欠陥を抱えているといっても過言ではない。

とにかく演習量を増やして試験で点を取ることばかりに意識を置いていると、そのうち理系は成り立たなくなる。

というか、すでにそういう兆候はあるんだけど。

もう少し、数学というものにおいて何を重んじるかを教える側がしっかりと認識すべきだと思う。

少なくとも定理の証明などをすっとばすなんてことは、やってはいけない。

そうした願いから、たかが因数分解を(たかがと言ってはいけないのだが)みっちりとやったわけだ。

観察力は何も数学に限った話ではない。他人を思いやる上でも大事なものである。

数学を本格的に利用する人なんて、ごく一部である。

だから、公式であるとか解法であるとかは、すぐに忘れてしまう。

じゃあ、数学を学んだ結果として何が残るのか。そこを常に考えて授業をするようにしている。

まあ、伝わってるかどうかは別問題だけどね(笑)

でも、今の所、しっかりと伝わっている人がいるので良かったなあと思っている。

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