教科書と問題集の問題点

今日から後半戦だが、体力は限界に近づいている俺です。ごきげんよう。

というわけで後半戦一発目の特別講座は整式の割り算の問題を取り上げた。

意外と盲点となっている部分(剰余の定理と因数定理)が含まれる問題を選んだ。

もっとも易しい問題として次の問題を用意した。

問題
整式 \(x^{99}-1\) を整式 \(x^3+x^2+x+1\) で割った余りを求めよ。

剰余の定理を用いれば何てことはない問題なのだが、結構な生徒が詰まっていた。

原因を探ってみると、割り算と恒等式および剰余の定理(ということは因数定理も)についての不完全な理解である。

複素数を代入(この問題だと \(x=i\) )を代入すれば簡単にいくのだが、それを思いついたけどやっていいのかどうか迷ったという人が半分以上いた。

実は、複素数を代入するような問題は有名どころの問題集(チャートとか)では取り上げられていない。

というわけで性格の悪い俺はこの問題を好んで使っている(笑)

でも、あまりにも理解が不足しているから、ちょっと気になって手元にある書籍を調べてみた。

  1. 数研出版の数学シリーズの教科書
  2. 啓林館の詳説数学シリーズの教科書
  3. 実教出版の数学シリーズの教科書
  4. 数研出版のチャート式全種
  5. 文英堂の理解しやすい数学
  6. 学研のよくわかる数学
  7. 旺文社の総合的研究

明記していないが、おそらく複素数までを意識して \(P(\alpha)\) と表記しているものは、3と5と7。

\(P(a)\) 表記(実数までと生徒は思った模様)なのが1と2と4と6。

さらに1に至っては\(P(k)\) 表記、6については剰余の定理が\(P(a)\)、因数定理が\(P(\alpha)\) であった(謎仕様)。

う〜ん、これじゃ混乱するなぁ。学校によっては教科書と副教材が異なる出版社という場合もあるだろうし。

もちろん、単元が微妙な扱いになっている部分だから仕方ないと言えばそれまでだけど・・・

ちなみに困った時の研文書院『大学への数学』の古い版(俺の時代の代数幾何・基礎解析時代のもの)にはしっかりと複素数範囲でも実数範囲と同様に割り算をできることが明記されていた。

うーん、細かいけど、こういう部分でしっかりとした記述がなされていないものは信用できない。

俺の大嫌いな某出版社は「やはり」という感じである。

まあ、本に文句つけても仕方ない(完璧な書籍などないのである!)から、次回からしっかりと伝えていこう。

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