今日も面白い記事を見つけました。
全国の小6と中3計約203万人が参加した今年4月実施の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が8月下旬に公表さ…
これを間違う大人はいないと思います。多分。
消費税◯%とかバーゲンで◯%OFFとか日常生活でもよく考えますからね。
記事中の分析によると
- 身近な物に置き換えて割合を考えることに苦手意識がうかがえる
- 知識の活用力や表現力などに課題が指摘されており、苦手意識の克服は必ずしも進んでいない
確かに、そういう分析も正しいと思います。とくに表現力の部分に関しては同意します。
ちなみに「身近なものに置き換えて…」とありますが、この問題自体が具体例です。
まあ、身近ではないという方もいるかもしれませんが、月は十分身近だと思います。違うのかな?
これはあくまで個人的な感想ですが、問題文中の
「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、「最小の満月の直径」をもとにすると、「最大の満月の直径」は約14%長いです。
という部分でモヤモヤする子が多いのではないかと思います。ちなみに、問題文全体では
月は、地球のまわりを回りながら、地球に近づいたり、はなれたりしています。月の大きさは実際には変わりませんが、月が地球に最も近づいたときに、最も大きく見え、地球から最もはなれたときに、最も小さく見えます。
地球から見える満月を円とみて、最も大きく見えるときの見かけの直径を「最大の満月の直径」、最も小さく見えるときの直径を「最小の満月の直径」ということにします。
最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、「最小の満月の直径」をもとにすると、「最大の満月の直径」は約14%長いです。
となっています。誤解がないように丁寧に書くとこのようになってしまうのでしょうが、政治家の答弁のように要領を得ない問題文であるように感じます。
仮に、そこを読み取る能力も含めての問題だとすると、これは「算数の問題」と言っていいのかどうかという疑問も残ります。
もし、小学6年生の自分がやれと言われたら、面倒くさいなぁと思って、きちんと読まなかっただろうことが容易に想像できます。
そして盛大に間違えたでしょう(笑)
気になるのは、やはり
「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、「最小の満月の直径」をもとにすると、「最大の満月の直径」は約14%長いです。
の部分で、もちろんこの表現自体には日本語としての誤りはありません。
ただ、これを
「最大の満月の直径」と「最小の満月の直径」を比べたとき、「最大の満月の直径」は「最小の満月の直径」の約14%長いです。
と書いたらどうなるのでしょうか?そこがすごく気になります。
まあ、結果は大して変わらないのかもしれませんが。
以前、ガウス記号の話でも書きましたが、ちょっとした言い回しが分かりにくさを招く、というのはよくあります。
結果だけを見て、子供の能力が下がった上がった、あるいは〜が苦手だと結論づけるのはいささか乱暴であるように思います。
分かりにくい表現でも読み取れなくてはダメだ、という主張も分かります。
しかし、より分かりやすい表現があるのであれば(かつ、分かりやすく書くことを前提とする文章)であるならば、そうした表現を用いるという態度も必要であると思います。
また、そうした能力は国語という科目が用意されているので、そちらで測るべきだと思います。
いずれにしても、大人から見たら「当たり前だ」と思うことでも、疑問に思ったりつまづいている子はいるわけです。
そのことを忘れないようにしなければならないと思います。