今日も、気になるニュースがあったのでその話でも。
中3「教科書理解できない」25%…読解力不足
記事中にある「新聞や教科書などを読み取る基礎的な読解力」がどの程度のものなのかは分かりませんが、実際に中学生を教えていると、25%どころではないなぁという印象が強いです。
こういう記事を見ると、今の子供はそんな程度なのかと思う人もいるかもしれませんね。
でも、このテストを大人を対象にしてやってみれば、どの世代でも同じような結果がでるのではないかと思います。
あくまで推測ですが。
もしかすると、大人の方が悪い結果になるかもしれません(笑)
でも、この結果というのはそれほど驚くことではないように思います。
個人的には「そうだろうな」程度にしか感じていません。
そもそも、読解力というものがどういうもので、それを伸ばすために具体的何をすればよいか、ということを認識できている人が少ないのです。
本をたくさん読みましょう、という人もいますし要約をやりましょうという人もいます。
でも、本当のところはどうなんでしょうか。
個人的には、読書量や要約以前の問題が大きいように思います。
それは、言葉のもつ意味や機能という部分についての知識だと思います。
こういう部分について、もう少し時間をかけて勉強する機会があるといいのになあと思っています。
生まれたときから触れている日本語は、大量の言語体験の中で形作られていきます。
それを、きちんとした言語体系として再度学び直すことには価値があると思います。
そういう点で、僕は英文法の授業が有効だと思っているんですけど…
異なる言語体系を比較対象とすることで、日本語のもつ機能に再度着目できると思うのですが。
また、論理的な文章を書く機会をもう少し増やすべきだと思います。
書くという行為は、同時に読むという行為を必要とします。
この表現で正確に伝わるかどうか、そうした推敲が必要となります。
その際、言葉を慎重に選んだり、順序を考えたりするはずです。
これは、読解力にもつながっていく重要な能力です。
そういう体験が少ないのではないか、と僕は思っています。
だからと言って、読書感想文などといったものを書かせるのは悪しき習慣ですけどね。
(なんでもいいから書け、じゃダメなんです。書きたいことがないと意味がありません)
偉そうに書いていますが、数学を教える立場から見るとこのように感じるのです。
もちろん、小説などの文学的な文章を鑑賞する教養もあって欲しいとは思います。
しかし、その前にしっかりとした言語の機能を理解して使えるようになってもらいたいと思います。