教育改革の話

台風が近づいているようで、石川県も結構荒れた天気になっています。

今日は(今日も)引きこもってパソコンとにらめっこする1日です。

またまた面白そうな(ツッコミどころの多い)記事を見つけたので紹介します。

http://www.sankei.com/life/news/171022/lif1710220007-n1.html

それっぽいことが書いてありますが、嘘も含まれています。

マークシート式試験の欠陥を補うべく、東大や京大では、記述式の2次試験が行われているが、そういう大学は一部にとどまる。

——そういう大学は一部にとどまる

これは真っ赤な嘘です。現行の入試でも、国立大学の多くが記述式の2次試験を課しています。また私立大学でも科目によっては(数学など)記述式を導入している大学も少なくありません。

いわゆる「大学」としてイメージされるような認知度の高い、かつ一定水準以上の大学では記述式を採用しているところが意外と多いのです。もちろん「センター利用」などであれば、大学が課す個別試験を受験しない方法もあります。しかし、それは様々な入試方式の中の一部です。

この記事を書いている方は一般的な大学入試を経験されているのでしょうか。国立大学の入試問題を見て、その出題意図を考えたりしたことはあるのでしょうか。甚だ疑問です。

中学数学さえ怪しい難関私立大の学生が大量に存在するようになった。

これも嘘です。一時期、センセーショナルに「分数ができない大学生」という話が出ましたが、ごく1部の例をあたかも全体の話のように取り上げるのはやめていただきたいですね。更にいえば、難関私大とは一体どこの大学のことなのでしょうか。

早稲田大学や慶応大学(難関私大です)の一般受験入学者で、仮に文系だとしても中学数学さえ怪しい、などという人はほとんどいないでしょう。怒られますよ(笑)

記事全体で言わんとすることには共感できる部分もありますが、こんな記事じゃあねえ、と思ってしまいます。教育改革に関するニュースはいろいろと出てきていますが、こうした眉唾物な記事もたくさんあります。

特に、大学受験を経験されたことのない保護者の方などは、こうした誇張した記事に振り回される可能性もあると思います。とりわけ英語に関する煽り記事は多いですね。

教育改革における全体的な論調として気になるのは、「スキル」の部分にばかり焦点が当てられているということです。もちろん、その「スキル」は社会の要請から生じるものでしょうから無視することはできません。

ただ、「スキル」を身につけさせるのが教育とイコールになっているように思えてしまうのです。まあ、僕は教育学の専門家ではないので、もしかするとイコールなのかもしれませんが。

個人的には、スキルを身につけるための土台を作るのが教育の1つの役割だと思っています。今は英語だ!コミュニケーション力だ!なんて言ってる人たちも、10年も経てば違うことを言っている可能性が大です。無責任ですからね(笑)

世の中の変化のスピードが早まる中で、その時その時に必要とされる能力はどんどん変わっていくでしょう。そうした変化に対応できるような力を身につけさせることの方が大事だと思います。

もうひとつ、僕は「学ぶ側の視点」というものが著しく欠けているのではないかと思うのです。全てが大人の都合で進められている、そういう印象を拭えません。

過去にも教育改革が行われてきました。特に「ゆとり教育」は失敗の烙印を押され(ろくな検証もなされてないと思いますが)、その間に学生だった人たちは「ゆとり世代」などと勝手に名付けられているわけです。勝手に制度を変えておいて、うまくいかなかった結果を子供に押し付けるようでは、教育改革もクソもヘッタクレもないです。

ああ、だんだん怒りが湧いてきました(笑)

とにかく、いい加減な記事や無責任な発言に振り回されることのないように、情報の吟味は大切です。

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