ここのところ、あれこれと憤ることが多かったのでたまにはガス抜きも兼ねてお気楽に数学ネタでも投下しておこう。
まあ、数学ができる人ならすぐにカラクリに気がつく簡単な話だけど。
学年ごとの成績を知るために、毎年100人の生徒を対象に同じ数学のテストをやっているとする。
ここで次のような成績グラフを得た。
2015年度 | 2018年度 | 成績の差 | |
文系の平均 | 60 | 70 | 10 |
理系の平均 | 90 | 95 | 5 |
全体の平均 | 84 | 75 | -9 |
2015年度から見ると、文系も理系も成績が上がっている。ところが全体の平均はなんと9点も下がっている。
このデータはおかしい。
そう思った人はデータを読めない人。
実際には次のような全体平均を得ている。
\begin{align*}\displaystyle &\frac{60\times 20+90\times 80}{100}=84\\&\frac{70\times80+95\times20}{100}=75\end{align*}
つまり2015年度と2018年度では、文系の人と理系の人の人数が異なっているという話である。
提示するデータを意図的に隠せば(あるいは選択すれば)印象が大きく変わるだろう。
個人的な印象としては、データを見て大げさにああだこうだ言う人にはデータをきちんと見れない人が多いように思う。
模試によっては詳細な成績データがついているにも関わらず、平均と点数だけを見たり、偏差値だけを見たりして一喜一憂する。
受験は情報戦などと大げさに言う人の中にも、こうした人たちが多く紛れ込んでいる。
情報が必要ないわけではないけれど、正しく情報を読み取れないのであれば、それは意味のないものとなる。
情報に踊らされるのではなく、しっかりとデータを読んで情報を活用できるようになってもらいたい。