見落としてますよ〜

今日はとくに書くこともないので(笑)、何かの役にたつかもしれない問題を取り上げておきます。

2次方程式 \(x^2+ax+b=0\) の2つの解が、\(\sin\theta\)、\(\cos\theta\) であるとき、\(a\)、\(b\) の間に成り立つ関係式を求めよ。

何年か前の小テストでやった問題なのですが、案外出来が悪くてしょんぼりした問題です。

その時の生徒の答案が以下になります。

解と係数の関係から

$$\begin{cases}\sin\theta+\cos\theta=-a\\\sin\theta\cos\theta=b\end{cases}$$

また \(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\) より

$$(\sin\theta+\cos\theta)^2-2\sin\theta\cos\theta=1$$

したがって、\(a^2-2b=1\)

絶望的な答案というわけでありませんが、ある意味で絶望的でもあります。

さて、何がまずいのでしょうか。

 

 

ちなみに、この生徒とはあとでちょっとしたやり取りをしました。

俺「この関係式を満たす \(a\)、\(b\) だったら、\(a=3\) と \(b=4\) もいいんだよね?」

生徒「いいと思いますよ」

俺「じゃあ、そのときの2つの解ってどうなるの?」

生徒「え〜っと(計算する)・・・あ!」

俺「何を忘れてたか分かる?」

生徒「はい、\(\sin\theta\) も \(\cos\theta\) も実数なんで、2次方程式が実数解を持つ条件がいりますね」

 

とこんな感じのやり取りでした。つまり、必要なのはアレですね。

 

こんな感じで、質問に来た生徒とはやり取りをします。

「\(\sin\theta\) も \(\cos\theta\) も実数だから実数解を持つ条件を入れないと!」と指摘することもできますが、これだと生徒の記憶にはほとんど残りません。もちろん、生徒のレベルによっては上のような答え方をすることもありますが。

こういう例はたくさんあります。そして、大抵の生徒は「分からない」というわけではないのです。

そこに気づくと、いろいろと変わってきます。そういうのを見ていると楽しいなあと思うんです。

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