「分かりやすい」の勘違い

生徒と話をしていて、「分かりやすい」ということについての話になった。

この「分かりやすい」というのは非常に危険な言葉である。

「あの先生の授業めちゃめちゃ分かりやすい」なんていう使い方をしている人が多いんだけど、大抵の場合その「分かりやすい」は間違った方向に向かっている。

生徒の言う「分かりやすい」というのは簡単に点数を取る方法を教えてくれるという意味で使われることが多い。

もっと言えば、分かったような気持ちになるということであって、実際には何も分かっていないということが頻繁に起こる。

俺の授業は、そういう意味では「分かりやすい」授業ではないだろう。

分かったような気持ちになられるのが後々いちばん困るので、正しく理解してもらえることしか考えていない。

基本的に、生徒からは「すごい」とか「ちゃんとしてる」という評価はもらうが、「分かりやすい」という評価はほとんどされない。欲しいとも思わない。(本当の意味で「分かる」だと嬉しいけど。)

 

今日も、軌跡の問題で媒介変数を含んだ問題をやったんだけど、写像のことから丁寧に説明した。

もちろん、細かな部分ではたとえ話をしたり、図を用いたりして説明に工夫はするけど、写像の話もせずに「媒介変数を消去しとけ」なんていう説明は絶対にしない。

なぜ媒介変数を消去したら、求まる図形の方程式が得られるのか。

これが理解できなければ、その問題を理解したとは言えないのである。(高校生のみなさんは説明できますか?)

残念なのは、そういう「これをすればOK」というレベルで思考が止まっている高校生が多いということである。

でも、「んな難しいことはいいから解き方をはやく教えてくれや」みたいな人もいる。残念ながら、そういう人は数学を「理解する」ことはできないし、根本的に何かを学ぶということに向いてない。おそらく大学へ行っても4年間を無駄に過ごすことになる。

そして、そういう人の方が多数派であるということが、この国の現状なんだろう。そりゃ明るい未来なんてないわな、と思う。

原因はいろいろなところにあるのだろうが、生徒本人の問題とするのは酷である。学校や塾、教育に関わるいろいろなものに原因が潜んでいる。そして、それに気づくことができない生徒がいちばん不幸なのである。

書きたいことは山ほどあるが、怒りが爆発しそうだからやめておこう(笑)

ただ、数学をできるようになりたいと思っている人は「自分は本当にわかっているのだろうか」と自問してみてほしい。

それだけでも、いろいろと疑念がわいてくるはずである。

周りの人がどうこう、点数がどうこうではなく、自分に問いかけてみることが大事である。

自分に嘘をつくようではダメなのである。まずは、そこから始めてみるといいだろう。

「分かりやすい」とはどういうことか。その本当の意味が分かると、大きく変わるはずである。

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