文系か理系か

生徒の数学の質問に対応しながら、ちょろっと話を振ってみることがある。今日もそんな感じで証明の話を振って、文系の生徒にやって見せていた。

結構飲み込みが早い生徒で「これはどう?」とか付随することを聞いても「〜やんね」という感じで、すぐに返ってくる。質問の内容を聞いても、普段からきちんと考えながら解いてるんだなというのがよく分かる。こういうやり取りは楽しい。

個人的には「理系に進めば良かったのになあ、もったいない」なんて思ったりする。まあ、本人はやりたいことがあるようなので、それはそれで結構なんだけどね。

 

数学を教えていると、ときどき自称理系という感じの生徒に出会う。模試の結果を見てみると、数学の点数は取れているのだけど、話をしてみるとなんだか噛み合わない。

「***すればいいんですか」なんて質問されたりするもんだから、「ん〜、***することもできるね」とか答えると「***じゃダメってことですか」なんて返ってきたりする。しょんぼり。

「***もいいけど〜だとどうなる?」なんてさらに聞いてみると「〜じゃないと減点ですか」なんていうパターン。多分、テストの点数のことしか頭にないんだろうなあ。こういう生徒に出くわすとちょっと悲しい気持ちになる。

「***すればいいかどうか」ということを「〜してみる」ことで確かめてみればいいんだけど、そういう風に言っても「***は合ってるか」ということの一点張りである。そういう生徒は「こうすればできる」という「分かりやすい方針」のようなものを求めている場合が多い。

そういった方針があれば、それに従うだけなので確かにラクである。ただ、そういうのは経験の中で出来上がっていくものだし、最初からそれを頼りにしてしまうとものすごく狭い世界しか見えなくなってしまうように思う。それに、そんな万能な方針なんてものはないし、上手くいかないこともたくさんある。上手くいかない時に、方針に頼るだけの人はフリーズしてしまう傾向が強い。まあ、入試っていう範囲に限ってしまえばそういう方針が有効な場面は多いかもしれないが、それで楽しいのかなあと思っちゃう。余計なお世話か。

一方で、数学めちゃできるマンみたいな文系の生徒もいる。しかも、聞いてみると「数学が悪かったので」なんていう理由だったりするからビックリ。

これは、意外と気にしている案件なのだ。文理選択をするのがだいたい高校1年生の2学期くらいの高校が多いのだけど、そのタイミングまでに定期テストが2回と模試が1回くらいしかないのである。

とくに定期テストの場合、傍用問題集をひたすらやってれば「これ、hogehogeゼミで見た問題だ!」状態なので、実際の数学の実力がいまいち分からないのである。ちゃんと自分で納得いくまで考えないとダメなタイプの生徒は、時間がかかってしまうために、テストの点数が取れないことも頻繁にある。80分で大問10個とかザラだからなあ。

そんなわけで、実質、高校1年の7月の進研模試くらいしか判断材料がないという人が多いのである。ある程度時間を与えたら伸びる生徒でも、自信をなくして文系に行ってしまうこともあるし、単に解き方覚えるマンの自称理系も生まれてしまう。

とくに後者は高校後半でキツくなって塾へやってくるタイプが多い。でも、その状態で来られても1からやり直す時間はないのである。浪人を覚悟してもらうか、解き方覚えるマンを意地で貫いてもらうしかない。

やりたいことがあるような場合ならいいんだけど、単に数学の点数の良し悪しなんかで文理選択はしないほうがいいと思う。大事なことは「好きかどうか」ということであって、できるできないはあまり当てにならない。

個人的には、文系・理系を分ける意味なんてあんまりないと思っているけど、システム上そうなってるから仕方ない。

いずれにしても、文理の選択はしっかりと自分と対話しながら決めることが大切だろう。

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