演習の前に

夏休みは、問題演習を中心にやろうと考える人は多いはず。

いろんな塾が「演習重視」とか「大量演習」とかっていう広告を出しているし、時間があるので、たくさんやろう!と意気込む人が多いのもわかる。

断っておくが、演習は重要だと考えている。演習は必要ないということを言いたいのではない。ただし、演習をするにしても、その準備がしっかりしているかどうかをまずは考えるべきである。

以前、こんな記事を書いた。

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昨日も、高校1年生の授業で方程式の基本的な理論と、連立方程式についての話をした。

連立方程式については、中学校のときに(あるいは高校受験の対策で)かなり問題を解いたという生徒も多い。そして、きちんと解を求めることができる。しかし、理解してるかとなると別問題なのである。

例えば、次のような問題になるとできないという生徒が増えるのだ。

\(a\),\(b\) は定数とする.連立方程式$$\begin{cases}ax+y=2a+1\\x+ay=a+b\end{cases}$$の解を求めよ。

何も考えずに、\(\displaystyle x=\frac{2a^2-b}{a^2-1}\)、\(\displaystyle y=\frac{a^2+ab-2a-1}{a^2-1}\) としてしまう人もいる。これは、\(a\neq \pm1\) のときの話である。

\(a=\pm1\) のときには次のようになる。

\(a=\pm1,\ b\neq 2\) のときは解なし。
\(a=1,\ b=2\) のときは \(x+y=3\) を満たすすべての\(x,\ y\)
\(a=-1,\ b=2\) のときは \(x-y=1\) を満たすすべての\(x,\ y\)

難しい問題だと思う人もいるようだが、個人的にはとても基本的な問題だと思う。方程式について正しく理解できているかどうかを聞かれているだけで、難しい計算や特殊な考え方は1つも入っていない。

連立方程式についてさらに言うと、文字を消去するということや、代入するという操作がなぜ可能なのかを理解できている生徒はほぼいなかったりする。ただ「そういうものだ」と考えている人が大半である。

そんな状態でも、連立方程式のある程度の問題は解けるから困ってしまう(笑)

 

とにかく、あるレベル以上の大学の入試問題になると、こうした基本的な部分に対する正しい理解が重要となる問題が増える。

そうした問題を難問だ!と騒ぐ人もいるが、そうではなく、深く理解をしているかどうかで見え方が変わるだけなのである。

難しい(難しそうに見える)問題をたくさんやったとしても、それを解くだけで終わり、あるいは解法を覚えて終わりというのであれば、たいして力はつかないだろう。

それを掘り下げて、基礎の部分とのつながりを考えていくことが大事である。授業でもそういう部分の解説はかなり本気でやる。逆にテクニック的な部分はあまり触れない。こういう方法もあるよ、と紹介するくらいである。それでも、ちゃんとやってる生徒はかなり力をつけている。

たくさんやろう!と意気込むのは素晴らしいことだと思う。けれども、ただ量をやるだけでは正しい理解につながらないことが多い。「量から質へ」という人もいる(この理屈が俺にはよく分からない)が、そういう人の多くは、実際の「質」の部分をちゃんと分かっているか疑わしいものである。

たくさんやって苦労することが目的ではいけない。正しく理解して、それを深めていくための演習をやってほしいなあと思う。

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