高3生は6月の進研マーク模試の結果が返却されている。そろそろ、志望校に対する現実的な自分の位置が見えてくる時期である。
例年だと塾生の平均は600点前後になるが、そのくらいの点数だと国立大学は全体的に厳しい判定が出ているだろう。
あとは、ここからどの程度点数を伸ばすことができるかである。
過去には200点ほど合計点で伸ばしたツワモノもいたが、平均的な点数で考えると、だいたい100点の伸びくらいに収まる感じである。
この伸びの差は「どれだけ勉強したか」ももちろん関係があるだろうが、「どの程度理解しているか」の方が影響が大きいように感じる。これは指導経験上の話なので確証があるわけではないが、点数を大きく伸ばした生徒のことを考えてみると、どうもそういう傾向があるように思えて仕方ない。
とくにうちの塾生の場合は、どちらかというと理解に重きを置いてじっくりと勉強をする生徒(タイプA)が多く、ゴリゴリ問題を解いて演習量で圧倒するような生徒(タイプB)はあまり多くない。それでも、高3のこの時期はだいたいの生徒が似たようなラインからスタートすることになる。だいたい、タイプAがタイプBに追いついてくる感じ。
もちろん、中にはこの時期ですでに800点近くを取るような生徒(タイプC)もいるが、そういうタイプは珍しいので、ちょっと除外しておこう。
タイプAの生徒は、夏休み以降、演習に時間を割くようになると一気に点数が伸びることが多い。こういうタイプは比較的安心して見ていられる。やはり、ベースにある知識がしっかりしていると演習による効果が高いということなんだろう。
タイプBの生徒もそれなりに伸びるが、爆発的な伸びはあまりなく、じわっと上がるか誤差程度の伸びしかないという感じになる。さらに言うと、このタイプはどこかで点数の壁にぶち当たることが多い。センターだと700点の壁がかなり大きいように思う。壁にぶち当たると、モチベーションの維持が難しくなってくる生徒もいる。
さらに困ったことになるのが、タイプAだと思い込んでいる生徒である。「理解に重きを置く」という意味を間違った方向に解釈して「単にやってないだけ」タイプと化している生徒も一部存在する。こういう生徒は、やってもやっても伸びないので苦しい思いをすることになる。
まあ、こんなに単純な話ではないけれど、少なくとも日頃から生徒のことをつぶさに観察し、質問応対などもきちんとやっていると、その生徒がどういうタイプなのかは分かる。それによって、やるべきことを決めたり、メンタル的なサポートをしていかなければならない。とくに、夏休みはまとまった時間がとれる貴重な時期だから、最大限の成果が出るように、いろいろと考えて指導しないとダメなのである。そういう意味では、今がいちばんしんどいかもしれない(笑)