高1生は三角比に入ったという人もいるみたい。高2生はすでに三角関数が終わったという人もいる。
進度が早いのは結構だけど、ちゃんと理解できてるのか心配になる。
今日も、三角比の基本的な公式について説明をした。
$$\sin^2\theta+\cos^2\theta=1$$
なんかは、もう覚えてしまっているという人もいるけど、三平方の定理との関連については知らないという生徒も結構いる。単位円周上で直角三角形を考えたら当たり前の話なんだけど・・・。
他にも、\(\displaystyle \frac{\pi}{2}\pm\theta\) や \(\pi\pm\theta\) といった公式も結果を丸暗記させられているという生徒が多くて、軽くショック(そして、またか、という思い)を受けた。
単位円あるいは直角三角形の図をかいて考えたら、「そういうことね」となるはずだし、実際に今日の授業で生徒は「なんだ、そんなことだったんかい」となっていた。
そんなに難しい話ではないのだけど、なぜか結果を丸暗記させて終わりということも多いようだ。
ひどい場合には、三角比の値の表を暗記させるような学校もある。そんな指導で数学ができるようになるわけない。
去年、実際に単位円のことは知らないのに、三角比を全部ササッと答える生徒がいて不思議に思ったけど「暗記させられた」という話を聞いて納得した記憶がある。
「そんなの入試に出ないし、覚えておけば解けるから」というのがあるのかもしれない。
確かに、そういう側面はあるのだけど、少なくともそれを数学の授業でやるのはどうかと思う。
生徒が、勝手にやる分には構わないけれど・・・。
導出が面倒な加法定理の公式なんかは覚えておいた方がいいけど、それでも導出方法もあわせて知っておきたいところ。
数学なんて、テストに出ないところにこそ面白いことが詰まっていると思うんだけど、違うんかな。
まあ、そんなこんなですごくモヤモヤした。
でも、よくよく考えると、塾で指導する内容ってこの10年くらいで随分と変わったと思う。
以前は、それこそ入試問題を使った演習が中心だった。生徒の基礎力がそれなりにあったなあと、今だと感じる。
しかし、最近は教科書内容の掘り下げの方に時間を割くことが多い。
よく理解していない生徒が増えた印象が強くあるし、生徒の方からも「ちゃんと分かりたい」という要望が増えた。
どうも学校と塾の役割が、逆転してきてるような感じを受ける。
綺麗に逆転してればいいんだけど、歪なことになっている場合もあって「余計なことしないでくれ」と思うことも増えた。
高校が進学実績を競うのもいいかもしれないけど、その裏で犠牲になっている生徒もかなりいるんじゃないかと思う。
うちの塾に途中から入ってきた生徒に「やっぱり理系いけばよかったなあ」とか言われると、なんとも言えない気持ちになる。
こういう状況、なんとかならんもんかな〜と思っているが、学校は学校でいろいろ大変なんだろうな。難しいね。