100%というのがいかに難しいかを知ること

夏期講習の仕上げは、至誠塾恒例の大暗記大会であった。

このイベントではかなりの量の暗記を1日でやってもらう。そして、チェックテストを行い、1問でも間違えたら失格となる。失格であれば、数時間後に再チャレンジしてもらう。みんな、ある程度の時間をかけて記憶し、満を持してテストを受けるのであるが1問どころか結構な量を間違えるのである。全てオールクリアした人は過去に1人もいないのである。

このイベントの後でかなり覚えた!という人も出てくるが、個人的にはそこが狙いではない。

まず、知ってもらいたいのは「100%できる」というのがいかに難しいことであるかということである。

生徒たちは「これで完璧」と思ってテストに臨むのだけど、惜しい!というレベルではなく「全然ダメやん」という結果になる。記憶することはできても、その記憶を引っ張り出すというのは別の問題というくらいの違いがある。

単なる丸暗記がどれほど脆弱であるかということを身をもって知ってもらえたはずである。そして、そのような勉強の進め方が本番で引き起こす恐ろしさを体験できただろう。その数個のミスが命取りになる可能性があるのだ。

でも、中には上手な生徒もいて、いくつかのパターンを見出してプリントとは異なる順でグルーピングして覚えていたり、覚えるときに付加情報をついでに入れていたりする人もいるのである。普段からいろいろと工夫しながらやっているのだろう。

こういうのは、外から見ているととても面白い。自分はやりたくないけど(笑)

さらには「めっちゃ悔しい!」と泣きそうになっている生徒もいた。それだけ必死でやったのだろう。その必死さを日々の勉強から発揮すれば、いろいろと上手くいくんじゃないだろうか。そういう副産物的なものもあった。

俺はアンチ暗記マンのように思われているところがあるが、別に暗記を否定しているわけではない。

覚えること自体は欠かせない。ただ、後で引き出せないような記憶の仕方がダメだと言っているのである。

とくに数学では、公式を丸暗記したところで何も引き出せないし、使いこなせない。問題集を繰り返しやっても、考えることをしなければ、それはその問題の解法のアウトラインを記憶したにすぎない。

そういうものが本番でいかに頼りにならないか、やってみたら分かると思う。

ただ、その「やってみたら」を実践するのが本番っていう人が多いので「失敗した」となるわけだけど。

いずれにしも、まだまだ脇が甘い生徒が多い。

自分の「できた」がいかにアテにならないものかを知って、今後の勉強に生かしてもらえたらと思う俺であった。

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