私立大の入学定員の話

今日は、受験生にはホットな話題についてちょっとだけお話ししておきましょう。

[blogcard url=https://www.asahi.com/articles/ASL9M4JLPL9MUTIL02M.html]
文部科学省は19日、来年度から予定していた、私立大学を対象とした入学定員の管理強化を3年間見送ると発表した。定員を上回る入学生が1人でもいたら、その人数に応じて私学助成金を減らす予定だったが、既に行っている管理強化で一定の効果が上がっていると判断した。
地方を中心に定員割れする私立大が多いなか、文科省は収容定員8千人以上の大規模大を中心に定員管理の厳格化を2016年度から段階的に進めており、大規模大は今年度からは入学者が定員の1・10倍以上になった場合、助成金をゼロにしている。この結果、定員割れをする小規模大は減ったが、当初の合格者数を絞って追加合格を出す大規模大が相次ぎ、受験生に混乱が広がるなどしている。
文科省はこうした状況を考慮し、3年間は今年度と同じ基準を続けたうえで、改めて効果などを検証することにした。一方、入学者を定員の0・95倍~1倍に収めた大学に対して助成金を増やす取り組みは、より定員管理を徹底させるため、範囲を0・90倍~1倍に広げて始めるという。
上の記事にもあるように、この私立大の入学定員管理強化の影響はいろいろとあります。
私立大のボーダーが高くなったのはもちろん、浪人生の増加ということにも繋がっています。
また、追加合格の発表がかなり遅い時期までずれ込んで、3月末ごろに追加合格の通知が来るなんていうこともかなりあったようです。
そうした混乱もあって、春先にはかなり話題になったニュースです。
これについては、こちらの記事でもちょっと触れています。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://shisei-juku.com/2018/04/20/浪人生の増加傾向/]
ボーダー自体は高止まりしそうな感じもしますが、まあ、なかなか「読めない」入試になってきていることは確かです。
とくに、上の記事で触れたように、国立狙いでやってきたもののセンターで失敗したから私立も一応受けておこう、という感じの場合には、これまでより1ランク下(場合によっては2ランク)の大学を受験しないと合格できないということが十分考えられます。
いわゆる「滑り止まらない」状況になりかねません。
昨年は、当塾の受験生でも私立狙いの生徒がかなり影響を受けました。
上位校の生徒は、関関同立やMARCHあたりを滑り止めに考えている人が多いのですが、正直、厳しいでしょう。
とくに、よく調べもせずに「とりあえずセンター利用出しとこうかな〜?」みたいな感じの人は全落ちもあり得ますのでご注意を。
ボーダーの得点率をきちんと確認しないと、無駄な受験料を払うことになり、さらには受験日程の調整にも苦労します。
この点については、自分で調べて必ず確認することを忘れないでください。

こういう状況になると、入試は情報戦だ!と言い出す人もいます。
そういう側面があることは否定しませんが、その前に、まずは合格に足る学力を身につけることを優先してください。
情報戦だなんだと言いながら、ただ情報に振り回されているだけの人もたくさんいます。
情報は冷静に判断しつつ、自分の学力を把握して、受験する大学を考えていきましょう。
最終判断は絶対に自分ですること。これが大学入試でいちばん大事なことです。