明日は第3回石川県総合模試が実施されます。
というわけで、今日はテスト本番で起こる謎の現象について考えてみたいと思います。
題して、「なぜ、本番になると急に万能感に溢れる人が出てくるのか」です。
勉強の合間に生徒たちと雑談をすることがよくあるのですが、その雑談中にいろいろと気づくことがあるので面白いです。むしろ、こういう時間の方が、普段の授業ではなかなか見えてこない問題点が浮き彫りになったりもします。
本日は、生徒があれこれと言ってる中で
みたいな話題で盛り上がりました。
それに対しての私の見解は
出来てるんやったら焦ってもええけど、出来てなかったんなら本番でも出来るわけないやん。
という身も蓋もないものです。いや〜、でもこうとしか言えないのですよ。
ところが、本番になるといきなり、全部できるという前提の万能感溢れる人へ変化する人が一定数います。
そういう人は、少しでも解けない問題が出てくると「どうしよう」とちょっとしたパニックに陥るそうです。そして、本来できるはずの問題さえ出来ずに、悲惨な結果になるということらしいのです。
挙句、「本番で分からなかったらどうしたらいいですか？」なんて質問をしてきます。
なんて返答するもんだから、サイコパスとか役立たずとか言われますよ。まったく困ったもんです。
まず、大事なことは
という当たり前のことです。「欲を出すな」「色気を出すな」なんていう風に言う人もいます。
たまに奇跡が起こって、実力以上のものが発揮される人もいるにはいるんですが、それは「奇跡」であって、誰にでも起こるという話ではありません。そういう話にすがりたい受験生の気持ちも分かりますが、実際には実力通り（あるいはそれより少し悪い）の結果に落ち着く人が大多数なわけです。
そんなわけで、私は「自分が持っている以上のものは発揮できないという前提」のもとで本番には望むべきだと考えています。その前提を強くするには、普段から「自分が理解できているものは何か」ということに対しての意識を持つことです。
こうしたことを全く考えずに、ただ闇雲に問題演習を繰り返している人が多いので気をつけてほしいところですね。
さて、そう考えて本番に臨むと、分からないもの、出来ないものが出てきたときには、「うむ、これは分からんな」と保留をしておき、まず「自分が分かっていること」から考えていこうという発想になります。
そんなわけで、私は
くらいに思って本番に臨んできたので、焦ったりパニクったりという経験はなかったです。ほぼ実力通りの結果が出ていたように思います。数学96点、世界史24点とか。
で、こういう話をすると、必ず
という人も出てきます。さらに、こういう話に対して
と簡単に考えてしまう人もいます。
もちろん、自信は大事です。しかし、それが過信であってはならないということを言いたいのです。
自信と過信を勘違いしている人が、謎の「本番の万能感」状態に陥るように思います。そうして、前述したようなパニックになり、結果、実力より大幅に低い点数を取ってしまったりするわけです。
これに対して、「それも含めての実力や！」という指導者もいるらしいのですが、まず「本来発揮されるべき力」が正しく発揮されているかどうかの検証はしてほしいところです。
ということで、本番においては、自分ができることに対して絶対の自信をもつのはいいのですが、できないことにまで「俺はできるはずだ！」と根拠のない自信をもつのは危険だと考えています。
実は、この話の逆パターンもあって「どうせできないし」というのもありますが、今回は割愛します。
いずれにしても、「自分が理解できていることは何か」ということにもっと考えを及ばせてほしいということです。自分を知るというのは、簡単そうで難しいことです。普段の勉強では、そうしたことを少しでもいいので考えてもらいたいなあと思います。そして、少しずつ自信を積み上げて欲しい、自信が持てるところまでやってみて欲しい、そう考えているわけです。