石川県総合模試の記事を書くとアクセス数が急に増えるので、みんな関心があるんだなあと思っている塾長です。御機嫌よう。
ネットで検索してみるとたくさん記事が見つかりますね。(第3回石川県総合模試)
あまり大きな声では言えませんが「おいおい、ちょっとそれはダメじゃないか?」という記事も中には(たくさん)あったりするので、こういうのは参考程度にしておくのがいいでしょう。なんでも鵜呑みにするのはよくありません。
私も数学の記事を書いたのですが(これも鵜呑みにしてはダメです)、何件かメールで質問をいただきました。
昨日は第3回石川県総合模試が実施されました。テスト後に復習をやりにきた生徒たちに聞いてみたら「数学がなあ」という感じだったので、どんなもんかなと思って実際に解いてみました。とある中学生あ〜、数学できなかったな。結[…]
できる限り丁寧な返信をしておりますが、「○○点だったんですけど某高校は大丈夫でしょうか?」みたいな質問だと、ちょっと答えにくいのです。数字だけで判断するのは危険なので。
現状の成績はどうなんだろうとか、自分くらいの成績で志望校に合格した人はいるのだろうかとか、そういうのはみなさん気になるみたいですね。答案用紙と一緒に得点・平均点・偏差値・志望者内順位・得点分布などのデータも返ってきているのですが、その見方がよく分からないという方もいらっしゃるようです。
そういう質問にはデータの読み方について簡単に説明させてもらっていますが、表や図などをメールに添付するのもなかなか大変です(笑)ブログでデータの読み方を紹介しようかとも思ったのですが、やっぱり表や図を作るのが面倒です(笑)
そういう方は、この本をお読みください。
さて、そのような数学に関する質問の中で多いのが、「〜をやればいいでしょうか?」みたいな話です。これについても、簡単に記事を書きました。
いよいよ10月に突入しました。この時期になると、生徒からの質問も増えます。具体的な問題に関する質問や定理などについての再確認など、一人一人の状況と合わせて、ちゃんと進んでいるなあとか、ちょっと停滞気味だなとか、いろいろと感じながら指[…]
最近、こうした生徒の思考に対してかなり危機感を抱いています。もしかすると、生徒だけではなく保護者の方にもこうした思考に陥っている方が結構いらっしゃるのかもしれません。
私自身は「何をするか」というのは結果として出てくるものだと考えています。
例えば、実際にあった質問として「応用問題になるとできなくなるんですが、どうしたらいいでしょうか」というようなものがありました。
詳しく伺ってみると、いま通っている塾で「少し難しめの問題をたくさんやりましょう。とにかく量をこなしてください。」というようなことを言われたらしいのですが、実際にやってみるとほとんどの問題が出来ずに本人がやる気を無くしてしまったということでした。
こうした「〜をやれば〇〇になる」といったものは、確かに分かりやすく、実行に移しやすいかもしれません。
「〜という問題集を○○周すれば某高校に合格する力がつく」などというのは、確かにやるべきことが明確になります。そして、そこに最大の危険が潜んでもいるわけです。
こうした「〜をやれば〇〇になる」という考え方をしていると、「〜をやる」ということが目的化されてしまいます。いわゆる目的と手段が入れ替わるという現象です。本来であれば、どういう部分が弱いのか、何が分かっていないのかをきちんと分析することからスタートするはずです。その上で、そこをクリアするために何をやるべきかということが出てくるのです。
たまたま上手くハマった場合には「〜をやれば〇〇になる」という方法でも良い結果になるかもしれません。しかし、そうでなかった場合は上記の生徒のようになる可能性もあるわけです。
また、この分析というものは大変なものであり、厄介なものです。何せ自分のダメな部分と真正面から向き合わないといけない上に、きちんと頭を使って対策を考えないとガバガバな分析になってしまう危険性もあるからです。
結局、そうした面倒な部分を避けて、分かりやすい「〜をやればOK」という話に食いついてしまうということなのでしょう。そして、「〜さえやっておけば大丈夫」という短絡的な思考になっていく(求めていく)わけです。
こういう考え方は知らず知らずのうちに、あらゆる思考を硬直化させていくような気がします。事実、そのようなタイプの生徒は、問題を解く際にも「〜では○○をやればよい」「〜をすれば答えが出る」などという思考に陥ってしまっていることがほとんどです。私は、いろいろと考える中で「この方法がいいんじゃなかろうか」と、試行錯誤の中で道筋が定まっていくような感覚を持っていますが、そうした思考にまったくならない生徒が少なからずいます。いちばん怖いのは、いろいろ考えることを「面倒なこと」「ダサいこと」のように片付けてしまっているというところです。こうなると取り返しがつかなくなる場合もあります。
先の応用問題の質問についても「〜をやる」というのは無意味なわけで、応用問題が出来ていない原因をしっかりと探ることに力を注がなければなりません。場合によっては教科書に戻る必要もありますし、問題を解く以外の部分で改善するものがあったりもするわけです。その生徒の答案なり、解いている姿を実際に見るなりしないと、的確なアドバイスはできません。
簡単な方法を知りたいというのも分かりますが、一度短絡的な思考にとらわれてしまうと、それを捨て去ってリセットするのはかなり難しいということを指導の経験からも痛いほど知っています。目先の成績や点数が気になる生徒、保護者の気持ちも分かりますが、「〜をやれば〇〇になる」という安易な方法に走ってしまうと取り返しのつかないことになりかねないということも是非知っておいてもらいたいことです。