記述式答案の採点の難しさ

iPadを手に入れてから、あれこれと遊ぶのに夢中で、すっかりとブログのことを忘れていました。申し訳ありません。

とはいえ、本当に遊んでいたわけではなく、来年度以降の活用法を考えたりアプリの使用感を試したりと何だかんだ忙しかったわけです。はい。

と、言い訳を軽くかましたところで今日の本題について書いていきましょう。

 

至誠塾では、毎月「月例テスト」を希望者に対して実施しております。

内容は2次試験レベルの問題を本番さながらの時間(90分〜120分程度)で解くというものです。1問あたり30分前後の時間をかけることを想定してテストを作っています。

学校の定期テストでは、1つの大問にかけられる時間が10分程度しかないような場合が多く、じっくりと考えて問題と向き合うような機会がなかなかありません。そのため、解き方を事前に覚えておき「これはこうやってやるんだった」という記憶に頼って解くということになるのです。

私がいつもパターン暗記について批判しているのは、こうした学習を続けていると、「考える」ことをまったくしなくなるという傾向が非常に強いからです。そして「考える」ということが「自分の知っている問題かどうか」を判断するだけという状態に陥ってしまうからです。事実、2次試験レベルの問題であっても「見たことがある」「見たことがない」あるいは「知っている」「知らない」という判断基準でしか考えられない生徒が多くいます。大学が見たいのは「どれだけ知っているか」ではなく「どのように考えるのか」ということであり、とくに数学ではほとんどの大学の2次試験が記述式の問題となっていることからも、それは明らかなことです。

おっと、少し話が逸れてきました・・・。問題はそこではなく、記述式答案の採点の難しさでしたね。

塾の月例テストでも、最初は白紙答案が目立つのですが、きちんと考える練習を積んでいくと、解答用紙がびっしり埋まるくらいの答案を作れる生徒が増えてきます。

そして、ここからが問題になります。

テストについては、まず、問題を作った後に模範解答を自分で作るのですが、その際、生徒が考えそうなことを想定し、いくつかの考えれらる答案を準備しておきます(この段階ですでに結構大変です!)。

自分の見ている生徒の学力に関しては細かく把握しているので、「この問題はできるだろう」とか「この問題のレベルには達していないな」という大まかな予想ができます。しかし、こうした予想を持った状態で採点をするのは危険です。あくまでもニュートラルな状態で採点をしなければダメです。先入観を持って採点するのはいちばんダメな態度ですからね。

さて、そうすると想定外の答案がいろいろと出てきます。もちろん、その多くは「分からないから何かテキトーにやってみた」というものが多かったりするのですが、それでも明らかに正しくないものを除いては、正しいか正しくないかを精査する必要が出てきます。これが最高に地獄であると同時に楽しい時間でもあります。稀なケースですが、数学の専門書を引っ張り出して確認する必要があるものもあったりします。

さらに、細かな点数をどうするか、複数の答案を並べて比較したりする作業も必要となります。

そのため、受験者は10名ちょっとであっても、採点には2〜3週間はかかってしまうこともあります。

いい加減な採点であれば、その場でテキトーに採点して返却なんてのも可能ですが、それではテストをやる意味すらなくなってしまいます。大事なのはそのテストの問題の出来ではありませんので。

採点を誰かに手伝ってもらうということも考えたりしますが、採点者が変わった場合には、採点基準を厳密に設けておかないと不公平となります。が、その厳密な採点基準を考えるくらいなら自分一人でやったほうが早いなとなるのです。

そんなこんなで、見かけによらず採点には大変な苦労が伴っているわけです。

センター試験の後継である大学入学共通テストでも記述式が導入されるわけですが、その採点システムについてはまだまだ不透明な部分が多くあります。実際に採点をやっている人間からすれば、「本当にできるんですかね?」という疑念が拭えないわけです。

塾長
個人的には、いまのセンター試験+各大学の2次試験でよくないかね?というのが本音です。純粋に、生徒の学力の向上を目指した教育改革であれば諸手を挙げて賛成するわけですが、どうも「お金」の匂いが強くてですね・・・おっと、これ以上は言わないでおきます。

まあ、中には採点がガバガバな模試もあったりするので、一概に採点が大変だ!というわけではないと思いますが・・・ああ、やっぱりこれ以上は言わないでおきます(笑)

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