国立前期試験まであと30日を切りました。今年は、例年に比べてセンターから前期試験までの期間が短いので、早めに出願校を決定して対策に取り掛かりたいところです。が、そこで毎年いろいろと面倒がことが発生するのも事実です。
センター試験後のあるある
センター試験終了後、結果にかかわらずすんなりと出願校が決定する人もいれば、親子間あるいは学校の面談などで問題が起こる人もいます。
前者の場合は、受験に対して十分な準備を進めてきた人が多いと思います。浪人しても第1志望を貫くという覚悟の人や、あらかじめセンター試験の出来によって志望する大学を複数準備していた人などです。こうした人の多くは、事前にいろいろと家族間での取り決めが行われていることが多いため、メンタルがやられることもなくセンター試験後もすぐに2次対策に取り掛かることができます。結果、合格する可能性も高くなると言えます。
一方で、問題が起こってしまう生徒も案外多いものです。
うちの塾も大学受験へ送り出した塾生の数がそこそこになってきたのですが、今のところ第一志望(と言っていいか分かりませんが)を受験して100%不合格になってしまっているケースも後者のパターンの中に存在します。よくある事例について簡単に言及しておきます。
- センター試験後に受験についての条件が変更される
- 目標点に届かなかったことを必要以上に責める
- 判定だけを見て志望校を変更する
- 本人の決断に対して第3者が横槍を入れる
だいたい、このような事例が毎年どこかで発生します。
条件の変更
例えば、センター前は「私立大学もOK」という話だったにもかかわらず、センター試験後に「国公立しかダメ」という感じで条件が変更になるようなものです。他にも「県外もOK」から「県内しかダメ」というのもよく聞きます。いちばん多いのは、「ダメなら浪人でもいい」という話から「浪人は絶対にダメ」というパターンです。
こうした条件の変更は、受験する本人にとっては「約束が違う!」ということになり、不満を抱えたまま2次試験へ向かうことになります。きちんとした受験生であれば、自分が興味あることを学べそうな大学をいろいろと調べたり、受験科目などを見て準備をしてきているため、いきなりの条件変更は計画をリセットされることにもなりかねないのです。
もちろんお金の問題などもあるため、簡単に解決することではありませんが、生徒本人あるいはご家族も含めて、大学受験への事前準備が足りていない場合によく起こる事例です。頑張っているあいだは応援してあげたい、という保護者の気持ちもわかりますが、突然の条件変更ほど受験生を苦しめることはありません。条件変更するにしても、きちんと話し合って双方が納得いく形で試験を迎えて欲しいですね。
ちなみに、このパターンになった塾生はいまのところ第1志望100%不合格となっています。参考までに。
必要以上に責める
これは、受験生の周囲だけでなく、受験生本人にも起こることです。とくにメンタル面でやられてしまうパターンなので要注意です。中にはセンター試験で思うような点数が取れなかった場合に、自分がやってきたことを全否定するような生徒も現れます。反省をすることは大事ですが、結果だけを見てすべてが無意味だったなどと自暴自棄気味になってはいけません。試験の結果というものは水物です。そこだけで判断するのはやめましょう。センター試験で失敗したのであれば、その失敗の原因を真摯に考えることが次につながるはずです。
また、周囲の人の何気ない言葉が受験生のメンタルを崩壊させることもあります。「〇〇さんはホゲホゲ大学受けるらしいよ」なんていう他愛のない言葉にさえ、「どうせ私はモヘモヘ大学ですよ」なんて思ってしまうものです。余計なことは言わないというのが、この時期の一番大切なことです。応援のつもりが逆効果、なんていうことも起こり得るので、言葉をかけるにしても慎重にいきたいところです。
いずれにしても、センター試験だけですべてが決まるわけではありません。反省をしたら、切り替えて2次試験の準備に取り掛かることが大事です。
判定だけを見て志望校を変更する
このタイプが案外多いのですが、センターリサーチの判定だけを見て受かりそうなところに出願変更するタイプです。事前に受験する大学の候補に入っていれば問題ないのですが、その場で適当に判定を出してみて「A判定だったから受けます」というパターンです。もちろん、判定が良ければ受かる可能性は高いのですが、A判定=100%合格というわけではありません。
とくに、候補外だった大学を判定がいいという理由だけで受験するのは案外リスクが高いものです。試験の科目数、出題される範囲、試験問題との相性など、センター後にゼロから対策をすることになりかねません。自分より判定が悪い人でも、前々からしっかりと2次試験を考慮して対策してきた人と、いきなり変更してゼロからスタートする人とでは、2次試験での逆転が起こって当然です。そうしたことも考慮しておくことが大事でしょう。私も、前期試験A判定で不合格だったポンコツなので判定は目安くらいに考えておくことが大切です。
決断に対する横槍
受験のことになると、急にアドバイスをしたがる第3者が増えるのですが、これは何なんでしょうか? 自分が失敗したから同じ轍を踏んで欲しくないということなのか、成功したことをドヤりたいのかは分かりませんが、無責任なアドバイスほど余計なものはありません。
情報は提示するが、最終決断は本人がするというのが受験でいちばん大切なことです。うちの塾でも、塾生の決断についてはとやかく言いません。決まったら「さあ頑張ろう!」となるだけです。もちろん、迷っている人やあまり考えていなさそうな人には情報を提示しますが、私の考えを提示することはありません。「先生ならどうする?」なんて聞いてくる生徒も稀にいますが、自分のことは自分で納得いくまで考えて欲しいと思います(そもそも私は大学受験で大チョンボをやらかしているため、そんなに偉そうなことは言えないのです・・・)。
また、面談などでしきりに変更をすすめてくるような先生もいますが、そうした人の話は聞かない方がいいでしょう。どこを受けるかということよりも、受験生本人が自分で熟考して決めたということに意味があるわけで、そうした部分を見ずに、合否の可能性だけでアドバイスしてくる人は要注意です。
最終的に自分で決めたことであれば、どのような結果になっても納得がいくものです。しかし、他人の言葉で動いてしまった場合、上手くいかなったときにその人のせいにしてしまうということになるかもしれません。そうなるとモヤモヤがずっと残ってしまいます。
まとめ
というわけでよくある事例を挙げてきましたが、どれも結局は事前の準備不足ということに尽きます。いろいろと揉めたままの状態や、気持ちがスッキリしない状態で2次試験に臨むと、あまりいい結果にはなりません。まだ受験生ではない人は、上記の例を参考にして、受験までに万全の準備を整えておいて欲しいものです。とくに、家族間での取り決めは大事なので、早いうちから受験に対して話し合いの場を持つようにしておきましょう。