「実感」を無視してはいけません

塾長
花粉症で完全にやられている塾長です。ごんにぢば。ズビズバ・・・
今日も新高校1年生がさっそく自習に来て、いろいろと質問を持ってきてくれました。嬉し〜!!

 

仮入学が終わって、入学までの予習として課題がたくさん出ている学校もあるようです。

個人的には予習よりも、高校数学の観点から中学数学を復習する方が1000倍くらい良いと思うのですが、そういうわけにもいかないようで・・・。塾生たちも、悩みながらあれこれやっております。

今日、質問で出てきたのは

$$_n\mathrm{P}_r=\frac{n!}{(n-r)!}$$

という公式についてです。ちょっと意味が分かりませんということでした。

このPの計算自体は具体例をやるとみんなすぐにできるようになります。

例えば

\begin{align*}
_6\mathrm{P}_4&=6\cdot 5\cdot 4\cdot 3\\
_7\mathrm{P}_3&=7\cdot 6\cdot 5
\end{align*}

といった感じです。

この計算のシステムとしては「Pの左側の数字からスタートして、1つずつ数を減らしてPの右側の個数分かけたら良い」みたいな感じで覚えている人もいるかもしれません。

実際に、場合の数や確率の問題などで具体的な数を求める場合においては、大抵の人はちゃんと計算できます。

ところが、$_n\mathrm{P}_r$ と文字を含んだ状態で問題として出てくると、いきなり固まる人が出てきます。

先ほどの具体例と照らし合わせて考えてみれば

$$_n\mathrm{P}_r=n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1)$$

となることは分かると思います(分からない人はたくさん具体例を作ってみましょう)が、これをもう少し深く理解していくために、次のものを準備しておきます。

$$n!=n(n-1)(n-2)\cdots3\cdot 2\cdot 1$$

これは階乗というもので、$n$ から順に数を減らしながら1まで掛け合わせたものとなります。

たとえば、

$$5!=5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1$$

です。先ほどのPの計算と似ていますが、Pが途中で終わるのに対して、階乗は必ず1までいきます。こういう統一的な扱いができる計算は便利なので、階乗をもとにPを考えてみます。まず、比較しやすいように並べてみます。

\begin{align*}
6!&=6\cdot 5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1\\
_6\mathrm{P}_4&=6\cdot 5\cdot 4\cdot 3
\end{align*}

$_6\mathrm{P}_4$ は何だか半端に感じますね。そこで、$_6\mathrm{P}_4=6\cdot 5\cdot 4\cdot 3$ の右辺の分母分子に$2\cdot 1$を付け加えてみます。

$$_6\mathrm{P}_4=\frac{6\cdot 5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}{2\cdot 1}$$

$2\cdot 1$ は約分できるので先ほどの式と同じであることが分かります。

しかも、$\displaystyle _6\mathrm{P}_4=\frac{6!}{2!}$ と階乗だけを使って表すことができます。$_6\mathrm{P}_4$ 以外にいくつか具体例を作ってみると、最初にあげた

$$_n\mathrm{P}_r=\frac{n!}{(n-r)!}$$

となることが分かるのではないでしょうか。

数学では、このように自分で具体例を作ったり、具体例を文字に置き換えて一般化してみたりということを「自分の手」でやってみることが大切です。こうしたことを通して身につけたものは実感を伴って記憶されるわけです。単に、最初の公式の字面だけを覚えようとしても、よほどの記憶力の持ち主でない限りすぐに忘れてしまうでしょう。

ここまで書いておきながら、実はPの計算なんてほとんど使わなかったりするんですけどね(笑)

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