何かが与えられたときの反応を見て分かること

塾長
この時期になると大学進学の際に地元を離れたときのことを思い出す塾長です。県外へ旅立っていく生徒の中には、出発前に律儀に挨拶に来てくれる生徒がいるのですが、みんなキラキラしてて「若いっていいなあ」なんて思っちゃいます。私にも確実にそういう時期があったんですよね〜ふふふ。そのときは、今の自分なんてまったく想像できていませんでした。でも、こういう今の自分も悪くないかな、なんて思います。

 

今日から1週間は授業がお休みの期間です。が、休日というわけではありません!いろいろと疑問が残ってしまっている部分を解決するための期間なので質問をどしどし持ってきて欲しいなと思います。お待ちしておりますよ〜。

 

さて、先日こんな記事を書きました。

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公式暗記マンが無自覚のうちに量産されている危険性が高いこの時期なわけですが、先日も高校生にちょっと問題を出してみました。

$6x^2+13x+5$ を因数分解せよ。

本当のことを言えばこれくらいは暗算でちょちょっと計算して欲しいなと思いますが、高校1年生なんかは律儀にたすきがけの図をかいて計算していたりするわけです。

もちろん、$(2x+1)(3x+5)$ と正しく因数分解できていれば何でもいいんですけどね。

で、わざわざ「たすきがけの図」を作るのも面倒だから、こういう風にやっても計算できるんやで〜と「悪魔の餌」をまいてみるわけです。

実はたすきがけの図をかかなくても

\begin{align*}
6x^2+13x+5=\frac{1}{6}(6x+\bigcirc)(6x+\triangle)
\end{align*}

として $\bigcirc$ と $\triangle$ を見つければOKなんです。($6x^2$ をちょっと強引に $\displaystyle 6x\times 6x\times \frac{1}{6}$ として得られるように変形しています。)

この2つをどう見つけるかについては

積が $30$($x^2$の係数と定数項の積)で和が $13$ ($x$の係数)になる数

を考えればいいわけです。10と3がすぐに思いつくはずです。すると

\begin{align*}
6x^2+13x+5&=\frac{1}{6}(6x+10)(6x+3)\\
&=(3x+5)(2x+1)
\end{align*}

と同じ結果が得られます。$\displaystyle \frac{1}{6}$ の部分は相殺されますよ〜。

※この計算方法は速算法の本などにもよく取り上げられている代物で、別に目新しいものではありませんよ〜。

で、こういう悪魔の餌をまくと生徒は食いつきまくるんですよね(笑)

問題集を引っ張り出してきて、いくつかやってみて「本当だ〜」なんて言ってるわけです。

あら、かわいい。

 

問題はそこからの話です。

何でこの方法で因数分解できるんだろう?

という率直な疑問を抱けるかどうか、がとても大切になってきます。

与えられた情報が本当に正しいものであるかどうか、妥当な情報なのかどうか、そうしたことを確認・検証してみることはとても大切なことです。数学ではとくに気をつけて欲しい部分です。

なので、こういう話の後には必ず「なんでそれができるか説明できるようにしてね」ということを言います。

しかし、一方では「本当にどんな場合でも計算できるのかどうか」の確認もせずに受け入れてしまう生徒も出てきます。

上記の計算方法だけを覚えて計算するようなタイプです。

こういう生徒を「素直」と言う人もいますが、ちょっと違うんじゃないかなと私は思います。どちらかというと、「何で?」という疑問を抱く方が「素直」だなと思うのですが・・・。

いずれにせよ、数学であれ何であれ、与えられたものを何も考えずに鵜呑みにするのは危険だということです。

もちろん、場合によっては天下り的に受け入れる必要があることもありますが、そんな場合でも「なぜだろう」は頭の片隅に持っていてもらいたいなと思うのです。

情報が簡単に得られ、また何処の馬の骨とも分からない人が情報を発信できる時代であるからこそ「疑ってみる」「確認してみる」という態度は欠かせないと思っています。

ということで、今回は因数分解のヘンチクリンな計算方法を取り上げました。

別にこんな計算方法を使わなくてもいいんですよ。計算できれば何でもいいんです。

ただ、大事なのは、その方法が本当にどんな場合でも成り立つのかどうかということの検証なんです。

気になる人は是非(絶対に)考えてみてくださいね。

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