新学期が始まって1週間が経ちました。そろそろ落ち着いてきた頃でしょうか?とくに高校1年生は入学当初の気が張り詰めた状態から、ふっと気が抜けてしまう人も出てきます。踏ん張りましょうね(笑)
塾の方でも自習組のメンバーが決まってきました。毎日のように塾へ来て自習をしていく生徒と、たまにふらっと現れてやっていく生徒、授業以外で顔を見ることがない生徒といろんな生徒がいます。
生徒がたくさんいてくれる方が楽しいので出来る限り頻繁に塾に来て欲しいなと思っていますが、家が遠方だったり、部活をやっていたりとそれぞれに状況が異なるためあまり強くは言いません。きちんとやってくれていればそれで良いんです(笑)
というわけで、今日は高校1年生に向けてのささやかなアドバイスでも。
とにかく覚えようは地獄の始まり
1週間が経って「まだまだ余裕」という人もいれば、「すでにヤバい感じが漂っている」という人もいると思います。個人的には早めに壁にぶち当たっておく方が良いと思っていますが、この時期は比較的内容も軽いので「何となく」でもやっていけたりします。そこに落とし穴があるということは軽く指摘しておきましょう。
ま、どのような状況にあっても「高校内容は中学とは比べ物にならない内容」であるということは、1週間で薄々気づいていることと思います。しかも、この先どんどん新しい内容が登場するので「あ〜こりゃついていけないわ」という人も少しずつ現れてくると予想されます。
数学に関して言えば、2次関数が終わるころ(だいたい夏休み前)にはかなりの人が「ちゃんと理解していない」という状況に陥ってしまいます。とくに最初の進研模試で躓いてしまう人が例年たくさんおり、夏頃から入塾の問い合わせが増えてきます。
この段階での躓きならまだ何とかなるのですが、下手にしばき系で鍛えられているとパワーで乗り切れてしまう人も出てきます。中には最後までパワーで乗り切れる超絶パワーの持ち主もいますが、大抵の人は高2内容くらいから漠然と「何か分からなくなってきた」となります。このくらいの段階になると、躓きの度合いによっては「もう大学入試には間に合わない」状況になってしまいます。
昨年は途中入塾の生徒が多く、そうした生徒が抱えている問題点をいろいろと把握することができましたが、ほとんどの生徒は初歩の段階から思い切り間違ってしまっているという状態でした。とくに共通している特徴が「知らないものは繰り返しやって覚えてしまおう」という考え方です。おそらくはネットなどで拾ってきた情報だと思うのですが「問題集(チャート式など)を何回もやって解き方を覚える」なんていう不毛な勉強をやっているわけです。
挙句の果てに「できないのは努力不足だ」などと考え始め、周回数を増やして乱雑な勉強を始めたり、睡眠時間を削ってヘロヘロの状態で勉強をするなんていう「こりゃ見てられないわ」ということになってしまいます。
もちろん覚えることは欠かせないのですが、闇雲に繰り返そうとか覚えようとかしている人には、覚えるものが雪だるま式に増えていく(ように見える)ため結局は覚えられなくなるのです。少しでも頭を使ってやっている人であれば、いろいろとやっていくうちに「わざわざ覚えなくてもいい」ものが意外と多いことに気づきます。そうやって、無駄なものをそぎ落としてコンパクトに記憶していくことで洗練されていくものだと私は思っています。
新しい概念が登場した際に、それが既知の知識とどう結びつくのかを考えるなんていうのは「当たり前」のことであるべきですが、そういう思考を持たない人がたくさんいます。私がよく言っている「点」でしか捉えられない人です。多くの新規の知識を獲得しなければならないわけですから、既知の知識と何が同じで何が違うのか、そういうことを常に点検しながら新しい概念を取り込んでいくという考え方が不可欠だと思います。
ひたすら努力すればいいという乱暴な思考を早めに捨てて、努力するならするで、じゃあ具体的にどのように努力するのかを考えられるようになること、これがまずは大切かなと思います。