4月の授業は計算の単元が多いのでサラッと終わらせることもできるのですが、今年は結構しつこく計算の単元を扱っています。
計算さえ覚束ない生徒が増えてきたのが一因ですが、その根底にはとにかく「やり方」に頼ろうとする悪い癖があります。
「みはじ」「きはじ」「くもわ」などはその最たる例ですね。
そうした「やり方」に従えば確かに簡単に答えが出せるのですが、ただそれだけなんです。
そこに気持ち悪さを感じて欲しいのですが、付いてしまった癖を修正するのは一から教えるよりも大変です。
そんなわけで「最初に解き方を探すのではなく、まずは分かることをじっくり考えてみる」といったことを徹底しています。
また、解けたからOKではなく、さらに一歩進めて考えたら何か発見できないか、みたいなことも考えてもらいたいのです。
先日も $(x-3)(y-3)(z-3)$ を展開する場面が出てきました。
もちろん分配法則を用いてちまちまと計算してくれてOKです。
計算すれば $xyz-3xy-3yz-3zx+9x+9y+9z-27$ となります。
その分配法則の計算も、もう少し何とかならないだろうか、と自問してみて欲しいわけです(贅沢な望みかもしれませんが)。
分配法則で結局どういうふうに計算をしているのかを考えてみると
- $x$ と $y$ と $z$
- $x$ と $y$ と $-3$,$y$ と $z$ と $-3$,$z$ と$x$ と $-3$
- $x$ と $-3$ と $-3$,$y$ と $-3$ と $-3$,$z$ と $-3$ と $-3$
- $-3$ と $-3$ と $-3$
のように考えられれば、途中式などまったく書かなくてもすぐに計算結果
$$xyz-3xy-3yz-3zx+9x+9y+9z-27$$
が得られます。
という人もいるかもしれませんが、その思考の過程には大きな差があることは知ってもらいたいのです。
こうしたことを「教わってやってみる」ことも意味があると思いますが、できれば自分でアレコレと考えてみて欲しいと思っています(贅沢な望みその2かもしれませんが)。ただ決められた手続に従ってやればいい、という考え方はGW中にぜひとも捨て切ってくださいね。
「何かに従っていればとりあえず何とかなる」なんていう世の中はすでに崩壊しているんだよね、なんてことを最近は考えてみたりみなかったりな塾長です。