高校生の文理選択

塾長
何だかもう夏がやってきたって感じですね〜。6月ってこんなに暑かったかな?と思いますが、気温が高くなると体の調子が良くなるので個人的には歓迎しています。塾でも冷房をつける機会が増えました。が、冷房があまり得意ではないので1時間に1回くらいは外に出て体を温めることにしています。なんか「ちょうどいい感じ」の冷暖房ってあまりないように思うんですけどどうでしょう?

 

先日、高校1年生の生徒から「文系と理系どっちがいいですか」という相談を受けました。高校に入学してまだそれほど時間は経っていませんが、学校によってはすでに文理選択の話が出ているところもあります。

まだよく分からない状態で進路の選択をしなければならないというのは高校生にとっては難しい話かもしれません。しかし、そういった選択をしなければならない機会はこの先もたくさん訪れるはずです(アレとかアレとか・・・)。

後悔のない選択をするというのは高校生でなくとも非常に難しいものですが、後悔の有無にかかわらず自分自身が納得できる選択をできるようにしっかりと考えて準備してもらいたいなと思います。

迷うのは当たり前

文系・理系の選択で迷うという人は多いと思いますが、迷うというのは大切なことです。何も考えない人であれば迷うことはありません。迷っているということは、あなたが自分の将来をしっかりと考え始めている証拠であると考えてください。

選択肢がたくさんある

進路の選択については高校受験の時にすでに経験したという人が多いでしょう。学校の特色や将来のことをいろいろ考えて選んだという人もいるとは思いますが、なんとなく選んだという人も結構多いのではないかと思います。私自身も、高校選びについてはあまり深く考えずに選びました。これは選択肢がほとんどなかった、あるいはあったとしても指で数えられるくらいの選択肢だっということが大きな要因かなと思っています。

一方、大学受験となると選択肢が大幅に増えることになります。まず、受験できる大学が全国に700以上あり各大学でいろいろな特色があります。さらに、1つの大学の中にも様々な学部・学科があり学べる内容も多岐にわたります。そうした中で、自分がやりたいことを考えて(あるいはこれから見つけて)進路や志望校を決めていくというのはかなり大変なことです。選択肢が少なければ迷うことはあまりありませんが、これだけ選択肢があれば迷ってしまうのは当然です。

あなたの知らない世界

また、「将来やりたいことは何か」などと言われても、ふつうの高校生が知ることのできる範囲というのはごくごく限定された(学校を中心とした)世界です。そのため目に見える分かりやすい仕事などを中心に考えてしまいがちです。そうした目に見える範囲に「これだ!」というものがあれば、そういう道を選択することができるかもしれません。

「なんかどれもイメージできないなあ」という人もいて当然です。

ちょっと調べただけでも、こういった珍しい仕事があったりするわけです。みなさんに見えている世界に「やりたいこと」がないからといってテキトーに考えるのは良くありません。ただボンヤリと「何が向いてるのかなあ」などと考えるのではなく、自分の知らない世界に何があるのかを知ろうとすることが大切だと考えます。

大学入試のシステム

高校生にとってもっとも現実的な悩みは大学入試のシステムでしょう。近年はいろいろな入試方式があり、しっかりと調べておかないと、受験間近になって「あれ?出願できない!」なんてことになったりもします。

とくに文理の選択は入試の難易度科目数の違いに大きく影響します。入試難易度についてはやはり理系の方が難しくなります。偏差値で見るとそれほど変わらない(あるいは文系の方が高め)ように見えますが、母集団が異なるため数値だけで考えると危険です。

科目数も理系の場合、難関校では英語・数学・理科2科目(大学によっては国語も入る)が2次試験で課される場合がほとんどです。一方、文系の私大などでは2科目・1科目での受験などもあり、入試の方式でも選択肢の幅がかなり広くなっています。

何を基準に選択するか

文理の選択をしていく上で何を基準に考えていくかというのは重要です。判断の基準になり得そうなものを例に挙げておきます。

得意科目・不得意科目で選ぶ

高校生が自分で判断しやすい基準の1つはテストの点数や偏差値といった具体的な数値でしょう。もちろん、こうした数値は客観的に判断する際の参考にはなりますが、理系科目の成績がいいから理系に進もうとか、逆に理系科目が苦手だから文系へ進もうなどと安易に考えてしまうと危険です。とくに高校1年生の場合、数学の点数を基準に考える人が多いように思います。

過去には1年生のときの数学の成績があまり良くなく文系に進んだものの、塾で数学をやっているうちに面白くなり「やっぱり理系に行けばよかった」などと言っている生徒もいました。逆に、数学の成績が良かったので理系に進んだものの、実際には点数が取れていただけで、内容が難しくなってくるとついていけなくなってしまったという生徒も少なからずいます。

得意・不得意というのは、ほとんどの場合テストの点数や偏差値で印象付けられてしまうもので、実際に理系的な素養があるかどうかというのはまた別の問題なのです。このことをわかっておかないと、理系へ進んだものの落ちこぼれてしまう人が出てきます(実際に多いです!)。そうしたテストの点数や偏差値だけでは測れない部分もあるので、きちんとした人に相談することも大切です。

そして、大事なことは「好きかどうか」ということです。まあ、これも主観に頼っていることにはなりますが、自信を持って「好き」と言えるものの場合、少々の壁にぶつかってもそれを乗り越えることが可能です。得意・不得意を考えるのではなく、点数や偏差値といったものを取り払ってみた場合に「好き」と言えるかどうかを考えみるのも1つの手です。

大学で選ぶ

大学でどんなことが学べるかに興味がある人はいろいろと調べてみて、自分が面白そうだと思えるところをピックアップしてみるのもいいかもしれません。そこから文理選択の道が開けるという人もいるでしょう。書籍もいろいろとあるので、1冊くらいは持っておいてもいいでしょう。

また、気になる大学のHPなどをチェックしてみるのもオススメです。私の時代にはインターネットがなったので気軽に調べるなどということはできませんでしたが、今の時代は簡単に調べられます。

塾長
おお羨ましい・・・

学部や学科、どういうことが学べるかなどが詳しく紹介されているので、行きたい大学がある人は必ずチェックしてみてほしいなと思います。さらに、オープンキャンパスなどに参加してみるのも良いでしょう。

就職のことを考えて選ぶ

面談などで保護者の方からよく聞かれるのが「就職で有利かどうか」ということです。これについては、正直なところ選択の考慮には入れない方が良いと考えています。将来安定した職に就けるようにという保護者のみなさんの気持ちは分かるのですが、すでにその「安定」自体が不確かなものとなってきていることは言うまでもないでしょう。時代はもう変わっているのです。

それでも理系は就職で有利だなんて言う人もいますが、私の世代は理系であってもほとんどまともな就職先がありませんでした(ロスジェネど真ん中です)。就職(あるいは資格なども)というのは世の中の情勢に左右される部分が大きいため、現時点での判断がその先でも通用するかどうかは怪しいわけです。世の中の変化のスピードを考えれば当たり前と言えますが。いま隆盛をきわめている職業が、その先も安泰であるなどという保証はもうどこにもありません。

それよりも、時代の変化に対応できる能力をきちんと身に付けることが大切だと考えています。そのためには、きちんと学問を学べる大学が良いと考えます(そもそも就職のために大学へ行くという考え方自体が歪んでいます)。大学で学ぶ知識は専門性が高いもので、きちんと学べば大きな能力の差となります。それは忘れないでほしい部分です。

選択の最終決定は自分でやる

どのような選択をしたとしてもそれが「100%満足のいく選択」となるのは難しいと思います。しかし、友達が行くからとか、親に言われたからとか、そういう自分以外のところに選択の理由を作ってしまうと、後々で上手くいかなくなったときに他人のせいにしてしまうことになりかねません。もちろん、そういう決定の仕方をした自分に責任があるわけですが、なかなかそれを納得することができないものです。

したがって他人の意見を参考にするのは大いに結構ですが、最終決定は必ず自分の意志で行うことは忘れないでもらいたいなと思います。

1つのルールとして

こうした1つの決断の際に気をつけてもらいたいのは、生徒本人がじっくりと考えて決断を下した場合に保護者の方がその決断に関してとやかく言わないということです。とくに後々になって「やっぱり〜にしておけば良かったのに」といったことは絶対に言わないようにしてもらいたいと思っています。これは大切なルールです。たとえ親子であっても、このルールを破るのはご法度だと思ってください。そして、決断をする本人も、そうしたことを踏まえて徹底的に考えて自分の意志で決断するという責任を持ってほしいなと思います。

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