第1回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
先日、第1回石川県総合模試が実施されました。昨年好評だった「解いてみたシリーズ」を今年もぼちぼちやっていこうかなと思っています。ご質問やご相談などがあればメッセージを送ってください。可能な限り返信していきます。なお、今年から模試の回数が増えたり過去問が用意されたりと充実の一途という感じなのですが、過去問についてはちょっとどうなんだろう?と思います。模試はあくまでも本番のためにあるわけで、模試のための模試になってしまう可能性があるのが気になりますね。

というわけで模試を受けたみなさん、第1回石川県総合模試はいかがだったでしょうか。

初めての模試という人も多いため、緊張してうまくいかなかったなんていう人や難しすぎてパニックになった人もいるでしょう。

まあ、最初からエンジン全開で絶好調なんていう人の方が少ないわけで、全然できなくても落ち込む必要はありません。学力面やメンタル面の課題をきちんと見つけて1つ1つ改善していきましょう!

概観

大問7、小問24という石川県総合模試としては標準的なセットでした。

毎回、時間的には厳しめになりますので全部解けなかったからといって気にしすぎないようにして下さい。

また、スピードを気にするあまり、意味もわからずに「効率的な解き方」ばかりを追い求める人が出てくるのでこの点も要注意です。

前半は方程式や関数などの計算が中心となる問題、後半が図形の問題とバランスよく作られています。難問・奇問の類はなく、入試標準レベルのいい問題が揃っていると思います。

しっかりと復習をやれば実力アップも期待できるので、受けっぱなしにならないようにしておきましょう。

全体的な難易度 標準

各問題の概要

大問1

内容 小問集合

難易度 

基本的な計算を中心とする小問集合です。ここは満点を狙っていきたいところです。

とくに文字が入ってくると間違える人が増えるため、そういう人は文字式の計算に十分な時間を割いて練習しておきましょう。

また、計算ミスが多いという人は、闇雲に計算練習をするのではなく、自分の癖を知ることが大切です。計算ミスの場合、途中式を書きすぎてミスしてしまう人や、逆に書かずにミスしてしまう人がいます。それぞれに合わせて練習を工夫してみてください。

いずれにせよ、計算力がないのは致命的なので、ここで点数が取れていない人は何よりもまず計算練習をきちんとやりましょう。

塾長
この先のことを考えると暗算力を鍛えておくといいぞ〜!
大問2

内容 確率

難易度 

確率の問題ですが、ここはゴチャゴチャ考えずに全部書き出して考えるのが大切です。

人によってはCだのPだのといった計算方法を教えたがる人もいるのですが、そんなものクソの役にも立ちません。

中学生の確率の問題では全部書き出すのが基本です。下手に計算に頼ってしまうと、大切なことが見えなくなってしまいます。地道に書き出して数えるということを徹底しておきたいです。ここをすっ飛ばしてしまうと高校の確率で躓く可能性が高くなります。

数える際はテキトーに数えるのではなく、樹形図や表などを活用していきましょう。整理しながら数えることが大切になるので、辞書的配列などを利用して丁寧に数える練習をしておきましょう。この問題では模範解答のように表を利用するといいでしょう。あるいは(1回目,2回目)のような感じでカッコ付きで書き出してもいいでしょう。

あとは、(1)、(2)ともに出てきたものを数えていけばとくに問題なくできるはずです。

塾長
書き出して数えるという原始的な作業だけで解けます。「解き方」なんてありませんのでお気をつけ下さい(笑)
大問3(復習おすすめNo.1)

内容 関数

難易度 標準

反比例(有理関数)と比例(1次関数)のグラフを利用する問題ですが、座標平面上の図形の問題という視点も忘れないでください。

反比例や比例のグラフでは、グラフが原点対称となるという性質を押さえておく(あるいはグラフを見て気づく)ことが大切です。

高校入試レベルの関数(グラフ)の問題はあまり難しいものは出題されません。多くの場合、本問のように図形との融合問題であり、関数そのものについて難しさを感じる問題はあまりありません。どちらかといえば図形の方に難しさの要因があったりします。とはいえ、関数についての理解がなければ何もできなくなります。中学生の場合、関数に対する理解がいい加減な人が多いのでこの機会にきちんと復習をしておくといいでしょう。中3でも2次関数が登場しますので・・・

(1)では、まず分かっているものの確認からやっていきましょう。ここでは、$\displaystyle y=\frac{1}{5}x$ と点Aの $x$ 座標が $-10$ であることが分かっています。このとき $\displaystyle y=\frac{1}{5}x$ 上に点Aが存在しているので、$x$ 座標が $-10$ を代入することで $\displaystyle y=\frac{1}{5}\times (-10)=-2$ と点Aの $y$ 座標を求めることができます。さらに、点Aは $\displaystyle y=\frac{a}{x}$ 上の点でもあるため、同様にして、$\displaystyle -2=\frac{a}{-10}$ から $a=20$ が得られます。大切なのは、グラフが点の集合であること、グラフ上の点の座標はグラフの方程式を満たすということです。

(2)は関数の知識そのものです。$x$ の変域(定義域)と $y$ の変域(値域)が正しく理解できているかどうか確認しておきましょう。変域?何それおいしいの?という人は教科書に戻って下さい。

(3)がこの問題のポイントです。平行四辺形ABCDを考えるわけですが、平行四辺形も対称性を持っています。また原点を通る直線 $\displaystyle y=\frac{1}{5}x$ が対角線ABになっていることも確認して下さい。グラフの対称性を考えると対称の中心は原点であることが分かります。これは問題を解く際に直接関係することではありませんが、こうした観察眼は持っておきたいところです。

さて、対角線のことを考えれば、結局 $\triangle \mathrm{BOC}$ を考察すれば解決することになります。平行四辺形は2本の対角線によって4つの面積の等しい三角形に分割される(なぜかは考えてみて下さい)からです。ということで、 $\triangle \mathrm{BOC}$ をOCを底辺と見て考えます。このとき、Cの $y$ 座標を $q$ とすると、底辺の長さはそのまま $q$ となります。高さはBの $x$ 座標であり、これまた対称性から $x=10$ となることが分かります。したがって、$\displaystyle \frac{1}{2}\times 10\times q$が $\triangle \mathrm{BOC}$ の面積であり、これが平行四辺形の面積の $\displaystyle \frac{1}{4}$ となればいいわけです。したがって、

$$\displaystyle \frac{1}{2}\times 10\times q=\frac{85}{4}$$

が成り立ち、これを解いて $\displaystyle q=\frac{17}{4}$ が得られます。

塾長
使っている知識の大半は図形の知識なんですね。関数の問題として取り上げられますが、その大部分は図形の問題です。あとは座標の知識がちょっと必要なだけで、関数そのものの知識はほんの少しだけです。こういうことを書くと「関数ってあまり重要じゃないんだ」なんて勝手に解釈する人が出てくるので困ります。あくまでも「この問題では」ということですよ!
大問4

内容 方程式(復習おすすめNo.3)

難易度 標準

よくある典型的な方程式の文章題といったところです。数量の関係を式に表せば良いだけの話なのですが、その数量の関係がイメージできないという人が意外と多くいます。そういうタイプの人は、いきなり方程式を作ろうとしていないか反省してみてください。

決まった方法はありませんが、上の図ようにまずは数量の関係をイメージできるようになっておきたいところです。解説などではいきなり式が登場したりするため、生徒の中には「まず式を作らないと!」と考えてしまう人がいるようです(慣れてくればそれも可能です)が、やはりイメージすることから始めてほしいなと思います。

このようにイメーズできれば図を見ながら

$$x\times \frac{120}{100}=x\times \frac{110}{100}+18$$

のように式を立てられるようになります。式が作れるかどうかの前にイメージできるかどうかを確認してみましょう。

塾長
生徒を見ているといきなり式を作り始めようとしてデタラメな式を作ってしまう人が結構います。ひどい場合には、問題文中に「〇〇の」が出てきたら「の」をチェックしてウンタラカンタラなんてやり出す生徒がいます。あるいは代表的なものとして「はじき」だの「みはじ」だの「くもわ」だの、まったく数学とはかけ離れた何かを持ち出してきて解こうとする生徒もいます。そんなものを使って答えが出たとしても、それは何の価値もないものです!
大問5

内容 作図

難易度 

作図の問題については、昨年度の記事を参考にして下さい。

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作図ではとにかく等距離を意識してみることが大切です。コンパスでできることが何かをよく理解しておきましょうね。

ここでも、「$\mathrm{AP=BP}$」、「半直線OX、OYまでの距離が等しい」という2つの「等距離」が登場します。2点からの距離が等しい点の集合は、2点を結ぶ直線の垂直二等分線となります。また、2直線からの距離が等しい点の集合は2直線がつくる角の二等分線となります。これを同時に満たす点を考えればいいわけです。

大問6(復習オススメNo.2)

内容 平面図形

難易度 やや難

平面図形の問題ですが、この時期の中3生はまだ相似を学習していないためそれほど面倒な問題は出題されません。基本事項のおさらいのつもりできちんと復習をしておきましょう。なお図形の問題でも対称性は大事になってきます。ここでも題材は対称性のかたまりである正方形です。

(1)は $\mathrm{FB=FE}$ から二等辺三角形を意識できれば問題ないでしょう。

(2)の証明も基本レベルの問題です。正方形の辺を考えれば、$\mathrm{AB=DA}$ がまずはすぐに分かるでしょう。あとは直角である $\angle \mathrm{AFB}=\angle \mathrm{DGA}$ が分かります。

2つ分かったのであとは辺で攻めるか角で攻めるかのどちらかです。辺の情報はもう使い切っているので、ここは角を狙っていきましょう。

$\angle \mathrm{BAF}=\angle \mathrm{ADG}$ を示すか、$\angle \mathrm{ABF}=\angle \mathrm{DAG}$ を示すかのどちらかです。どちらを示せるか考えてみましょう。このように示すべき結論を立てて、それが証明可能かどうか戻って考えるという視点も忘れてはいけません。三角形の角を考える場合、隠れているものとして内角の和の条件があります。こうした隠れた条件は気づけないという人が多いので、「当たり前に成り立っていること」にも常に意識を向けるようにしておきたいですね。

さて、この内角の和を利用すると、$\angle \mathrm{ABF}$ は $180^\circ-(90^\circ+\angle\mathrm{BAF})$ となります。整理すれば、$\angle\mathrm{ABF}=90^\circ-\angle\mathrm{BAF}$となります。一方で、正方形の1つの角が $90^\circ$ であることに着目すれば、$\angle\mathrm{BAF}+\angle\mathrm{DAG}=90^\circ$であり、これを整理すると、$\angle\mathrm{DAG}=90^\circ-\angle\mathrm{BAF}$ と表せます。したがって $\angle \mathrm{ABF}=\angle \mathrm{DAG}$ であることが分かります。

塾長
なお、解説には最初に「直角三角形の合同条件が使えるか考える」とあるのですが、いきなりそんなもの考えなくてもふつうに三角形の合同条件から考えていけます。ただ、$90^\circ$ のところが最初から等しいことが分かっているというだけのことです。ちょっと面倒ですが直角三角形の合同条件を使わずに証明してみると、より深い理解へと繋がると思います。こういう「特別な場合」を「別物」のように扱うと、三角形と直角三角形に対する認識が分離されてしまう生徒がいるので注意が必要です。何でもかんでも覚えてしまう生徒が出てくるのもこういうところに原因があるように思います。また、証明問題になると「判で押したような」答案が目立ち少し気持ち悪くなります。おそらく「こういう手順で書け」という指導がなされているのではないかと思いますが、先々のことを考えると、そうした「型」にそって解くのは弊害が大きいように思います。証明についてはいろいろと言っていかないといけないなあと思っています。

(3)はちょっと面倒ですが、いい問題なので必ずやっておきたい問題です。できなかった人は、時間のことは気にせずにじっくりと取り組んでみてください。面積比の問題はこの先も登場するので、ここで基本をがっちり押さえておきましょう。

面積比を考えるには、いくつかの方法があるのですが、もっともシンプルな方法は2つの三角形に共通するものを利用していく方法です。この問題では、$\triangle \mathrm{DAG}$ と $\triangle \mathrm{DEG}$ の面積を比較するわけですが、$\mathrm{DG}$ を高さと見ると2つの三角形の高さは同じであることが分かるでしょう。三角形の面積は底辺と高さで決まるため、高さが共通であるならば底辺(ここではAGとEG)の比が面積の比となります。したがって、この問題は $\mathrm{AG:EG}$ を考える問題にすり替えることが可能です。

このとき、(2)で証明した $\triangle\mathrm{ABF}\equiv\triangle\mathrm{DAG}$ を忘れないようにしましょう。これを利用すると $\mathrm{BF=AG}$ がいえます。

ここからBFを求めることになるのですが、この求め方が重要です。まず、BFが $\triangle \mathrm{ABE}$ の高さと見なせることを確認して下さい(底辺はAEです)。こう見ると $\triangle \mathrm{ABE}$ の面積は

$$\mathrm{\frac{1}{2}\times BF\times AE=\frac{1}{2}\times BF\times 5}$$

と表せます。

一方で、$\triangle \mathrm{ABE}$ はBEを底辺と見て面積を求めることもできます。

$$\frac{1}{2}\times 3\times 4=6$$

したがって、先ほどの式とあわせて

$$\mathrm{\frac{1}{2}\times BF\times 5=6}$$

となり、$\displaystyle \mathrm{BF=\frac{12}{5}}$ が得られます。すなわち、$\mathrm{AG}=\frac{12}{5}$ です。

あとは、AEの長さが分かっているので、GEも求められます。これにより、$\mathrm{AG:EG}$ も求められます。

塾長
このように面積を媒介して線分の長さを求める問題は入試でもよく登場します。図形をいろいろな視点から観察してみる習慣をつけておきましょう。
大問7

内容 空間図形

難易度 やや難

空間図形が苦手だという人は多いのですが、豆腐でも切り刻んでみるといいのではないかと思います。頭の中でごちゃごちゃ考えるよりも、実際に立体を作って切断してみたりする方が圧倒的に実感を得られますよ。また、見た目のまま考えるだけでなく展開図などを利用して考えることも大切です。立体を立体のまま考えるのか、平面に戻して考えるのか、このあたりの方針が大切になるわけです。

(2)などはその典型的な例です。与えられた図のまま考えられればいいのですが、そうでない人は一度、該当部分だけを取り出してみるといいでしょう。余計な情報は一旦忘れておきましょう。回転させて円錐ができることが把握できればOKです。

(3)は、三角錐の体積を求める問題ですが、こういう問題は底面をどこに取るかで計算の手間がかなり変わります。ここでは高さとしてBEが使えるので素直に $\triangle \mathrm{EPQ}$ を求めていけば問題ないでしょう。

塾長
空間図形の図をうまく作れなかったので解説が雑になってしまいました。空間図形については別の機会に詳しく述べようと思います。

まとめ

50分という試験時間を考えると、なかなか大変なセットになっています。全部解ききれなくても不安になる必要はありません。点数が悪かったという人も、現時点ではあまり気にしなくてもいいでしょう。

気をつけたいのは、時間が足りないからという理由で素早く答えを出す方法に安易に走らないことです。

表面的な解法を覚えただけで理解したつもりになるのは非常に危険ですし、そういう方法で数学を学んでいくと高校入学後に苦労することになるので気をつけて下さい。今回も空間図形の問題でおうぎ形の面積を求める場面が出てきますが、おうぎ形の面積を求める公式について、なぜその計算で求められるのかまでを理解しておかなければ意味がありません。

点数が悪いからといって、下手なアドバイスを鵜呑みにしておかしな方向に向かうことのないように気をつけてもらいたいと思っています。

飛び道具のような解法が必要となる問題は1つもありません。そうした「簡単に解ける方法」に飛びつく前に、まずはじっくりと考えてみることが大切です。試験時間内に解ききれなかった問題は、時間のことは忘れて、可能な限り考え尽くしてみるといいでしょう。

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