【石川県総合模試】2019 第4回石川県総合模試の数学を解いてみた【大問1】

塾長
前回は全体のことについて大まかな話をしたので、今回からは1つずつ大問を取り上げて見ていきましょう。今回は小問集合の大問1です!大した問題は出ないからと侮ってはいけませんよ!

第4回石川県総合模試(数学)

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大問1

内容 小問集合

難易度 

大問1は入試同様に基本的な計算を中心とする小問集合となります。

(1)について

(1)の計算は満点を狙っていきたいところですが、案外(1)のイ・ウ・エ・オあたりでも間違ってしまう人が出てくるので、計算のルールについてはよく確認をしておきたいところです。

イについては計算の優先度と指数の表記のルールをしっかりと理解できているかどうかです。$-3^2$ と $(-3)^2$ の違いがきちんと認識できていれば問題ありません。

$$-3^2=-3\times 3=-9$$

であり

$$(-3)^2=(-3)\times (-3)=9$$

です。

エのタイプは符号ミスが多いため要注意です!

基本的には、$\displaystyle \frac{a+b}{2}$ などは $\displaystyle \frac{(a+b)}{2}$ と見えるようになっておくと良いでしょう。

ここでも

\begin{align*}
-\frac{a-5b}{4}-\frac{-4a+b}{6}&=-\frac{3(a-5b)}{12}-\frac{2(-4a+b)}{12}\\
&=-\frac{(3a-15b)}{12}-\frac{(-8a+2b)}{12}\\
&=\frac{-(3a-15b)-(-8a+2b)}{12}\\
&=\frac{-3a+15b+8a-2b}{12}\\
&=\frac{5a+13b}{12}
\end{align*}

のようにカッコを意識して計算をしていくとミスが少なくなるでしょう。実際にはここまで途中式を細かく書く必要はないですし、できれば2行程度で計算を終わらせてもらいたい計算問題です。ただし、このタイプの問題でいつもミスをしてしまう人は上記の計算くらい細かく途中計算を確認する練習をしておきましょう。そして少しずつ暗算に移行していきましょう。

オの計算などは性格がよく現れる問題です。

丁寧にやる人は解説のような計算をしてもいいですが、個人的には $\sqrt{12}=2\sqrt{3}$ くらいは暗算でサクッと計算できるように準備しておきたいところです。

指導者によっては「暗算はダメ!途中式をきちんと書け!」という人もいますが、途中式を丁寧に書くことでミスをするタイプの生徒もいます。とくに思考スピードが速い生徒の場合、書くという作業が思考に追いつかないというケースもよくあります。何でもかんでも丁寧にやればいいわけではありませんし、途中式を丁寧に書くことが目的でもありません。勉強をしている間に、目的がすり替わってしまっている人をよく見かけるので注意してください。ゴールを見失わないように!

(2)について

(2)は2次方程式の問題です。この問題は簡単な因数分解の形にできないので解の公式を利用していくことになります。

ちょっと模範解答の意図が分からなかったのですが、わざわざ解の公式 $\displaystyle x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$ に $a=2$、$b=-1$、$c=-4$ を代入して・・・というのは???です。いきなり

$$x=\frac{1\pm\sqrt{1+32}}{4}$$

くらいは計算して欲しいところです。とりあえず解の公式を利用して解を求めるだけなのであまり価値のある問題ではありませんが、正確に計算できない人は類題をやっておきましょう。

2次方程式については、自力で解の公式を導いてみる練習と下の記事のような問題を考えてみて欲しいです。

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(3)について

(3)の関数の定義域($x$ の変域)・値域($y$ の変域)に関する問題も頻出です。

関数の問題については、グラフが利用できる場合にはグラフから考えてみるクセをつけておきたいところです。2次関数の定義域と値域の問題もグラフをかいてしまえば、ゴチャゴチャ難しいことを考えなくても理解できるはずです。

解説にはグラフがなく、最大・最小と計算によって求めていますが、これが間違いの元なので必ずグラフで確認してみてください

まず $\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ のグラフは下のようになります。

このグラフにおいて、$x$ が $-6$ から $2$ の間を動くときのグラフはどのように切り取られるでしょうか? そのとき $y$ の値はどこからどこまでの値をとるでしょうか?

図のように $-6\leqq x\leqq 2$ でグラフを切り取ると実線部分のみのグラフとなります。このとき、$y$ がどこからどこまでの値をとるか目で見て考えてください。よくある間違いは $2\leqq y\leqq 18$ ですが、これがおかしいことはグラフを見れば明らかです(原点のところで $y$ は $0$ となっています!)。

(4)について

(4)は簡単な規則性の問題でした。規則性の問題は中学生の数学の問題の中でも面白いものが多いので積極的に取り組んで欲しいですね。

規則性の問題で意識して欲しいことは、

  • 具体例を作ること
  • 具体例を一般化すること

の2点です。

というわけで、具体例を作ってみます。以下に4つほど作ってみました。

こうした具体例を作りつつあれこれと観察しながら規則性を見つけていきましょう。

使う正方形の数が2個の場合、重ねずに単純に並べると $5\times 10$ という面積になります。

しかし、実際には重なる部分(灰色の部分)が1つ出てくるので、$5\times (10-1)=5\times 9$ となります。

使う正方形の数が3個の場合も同じように考えてみると、単純に並べると $5\times 15$ という面積ですが、重なる部分が2つ出てくるので、$5\times (15-2)=5\times 13$ となります。

規則が見えやすくなるように表にしてみます。

正方形の個数重ねない場合の横の長さ重なる部分の個数実際の横の長さ
1505
210110-1
315215-2
420320-3
n5nn-15n-(n-1)

大切なのは重なる部分の個数が1つズレて出てくるところです。この規則を把握できればそれほど難しくはないでしょう。

1、2、3、4まで考えてみたら、$n$ の場合を考えてみてください。

結局、正方形を $n$ 個使うと横の長さは $4n+1$ となるので、面積は $5\times (4n+1)$ で求められます。

この問題は、高校で学ぶ「等差数列」という考え方がベースにありますが、そのような難しいことは分からなくてもいくつか具体例を書き並べてみることで規則が見えてきます

こういう部分をすっ飛ばして、パターンを見ていきなり「等差数列の公式」を使って解くという人もいますが、それでは意味がありません。

そうした小手先の受験テクニックに走らないように注意してください。高校生になって数学で躓く人の多くが、こうしたテクニックを使って問題を解くことが数学だと勘違いしてしまった人なのです。

(5)について

データに関する問題ですが、これはほとんど知識問題といっていいでしょう。

平均値と中央値が等しいという条件が出てくるので、ここが分かっていないとダメです。

平均値はみなさんにも馴染みのあるものなので問題ないでしょう。

中央値(メジアン)とは、データを小さい方から順に並べた場合に中央にくる値のことをいいます。データの個数(大きさ)が偶数の場合は中央にくる値がありませんが、その場合は真ん中の2つの値の平均値を中央値とします。

この問題については、取り上げる内容はとくにないので解説をきちんと読んでおけば問題ないと思います。

なお、こうしたデータに関する内容は、以前から少しずつ増えていますが、個人的にはあまり数学の中で扱って欲しくない問題です(笑)

どちらかというと、高校の「情報」であったり中学の「社会科」や「家庭科」あたりの中に組み込んで欲しい内容だなあと思っています。「数学苦手だったんで〜」で片付けられては話になりません。

いずれにしても、受験生であれば自分の成績のデータを見る機会が増えると思うので実際にそういう場面でデータを読む訓練をした方が意味もあるでしょう。

塾長
とりあえず平均点偏差値だけを持ち出して「受験のデータ」として情報を流しているサイトもありますが、平均点というのはデータのいち側面に過ぎませんし、平均点と偏差値のみで語れるほど受験のデータは単純ではありません。それは、統計関係の勉強を少しやってみるとすぐに分かります。が、そうした情報に振り回されている人がたくさんいるのが残念です。その前に、まずはやるべきことをやって欲しいなあというのが私の願いです。
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