【石川県総合模試】2019 第4回石川県総合模試の数学を解いてみた【大問6】

第4回石川県総合模試(数学)
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大問6(復習おすすめNo.2)
内容 平面図形
難易度 やや難
平面図形の問題については、難易度の高めの問題が出題されやすいので十分に練習を積んでおきたい部分です。
幾何分野については「センス」で乗り切ってしまうタイプの人も案外多いのですが、一方で苦手な人はとことん苦手だったりします。「自分にはセンスがない!」と諦めてしまうのではなく、センスに頼らない思考法を考えていきましょう(そもそもセンスって何だという話があるわけですが、今回はそれについては置いておきます)。
例えば、図形問題でよくある「補助線」の話なども何となくカンでズバッと正しい補助線を引ける人もいれば、あれこれやってみるものの(しかもその中に正しい補助線があるにもかかわらず)、うまくいかない人もいます。
「何となく」やってみることに対しては別に良いと思うのですが、引いてみた補助線を用いて何が分かるかという考察がまったく足りていない人が非常に多いように思います。そのあたりの観察力は図形の問題ではとくに重要となります。
あるいは、先に「これが分かったらいいなあ」というものを探すことも大事になります。「この角度が分かるとここが分かるのに」みたいなことを先に考えておくと、根拠のある補助線を引けるわけです。
図形が苦手な人の中には、こうした考察がまったく足りず、ただ適当に線を引いてみたものの何も閃かない!と嘆いている人が多いように思います。そして、その場合に私が足りていないと思うのは図形に関する知識です。中学数学では重要な図形の知識は主に中学2年生で学ぶことになります。そのため、図形に不安がある人は、まず中学2年生の内容をきちんと理解して記憶できているか確認してみて欲しいと思います。
で、今回の問題ですが、例によって情報が与えられているので、まずは簡単にこれらを入れた図を描いてみましょう。
あとは、台形の面積が $16\mathrm{cm}^2$ ということです。
(1)について
(1)は辺 $\mathrm{BC}$ の長さを求める問題です。
ここはいくつかの考え方が可能ですが、三平方の定理を学んでいる人は一瞬で $5\mathrm{cm}$ と分かりますね(笑)
三平方の定理を利用すると・・・
$\angle\mathrm{BDC}=\angle\mathrm{BCD}$ から $\triangle \mathrm{BCD}$ が $\mathrm{BC=BD}$ の二等辺三角形であることが分かります。したがって、ここでは $\mathrm{BD}$ が求められればOKです。
三平方の定理を用いると $\triangle \mathrm{ABD}$ において $\mathrm{BD}$ の長さが
$$\mathrm{BD}=\sqrt{4^2+3^2}=\sqrt{25}=5$$
と計算で求められます。
さらに、この結果が三辺の比が $3:4:5$ となる特別な三角形であることを記憶している人は、図を見た瞬間に5cmが分かるというわけです。
学習が進めばこうした三平方の定理を用いて解く人が増えると思いますが、答えを出すことに意味があるわけではないので、違う方法についてもきちんと理解をしておきたいところです(出題者の方はそういう意図をお持ちだと感じます)。
現状の知識を活用して考えると・・・
以下、面倒なので単位を省略します!適宜補ってください(笑)
まず、与えれた情報を確認していく中で $\mathrm{BC}$ を求めるために台形の面積を経由することができそうだという予測ができるようになりましょう。
$\mathrm{AD}$ と $\mathrm{BC}$ が上底と下底にあたり、$\mathrm{AB}$ が高さにあたることから、台形の面積公式を用いて
$$\displaystyle \frac{1}{2}\times (3+\mathrm{BC})\times 4=16$$
が得られます。これくらいは暗算で $\mathrm{BC}=5$ を出せるようにしておきたいですね。
こうした線分の長さを面積を経由して求める問題は非常によく出題されます。
とくに底辺をすり替えて高さを求めるような問題は入試でも頻出の図形問題です。
そうした問題の前段階として、まずは(1)を面積経由で考える方法をきちんと理解しておきましょう。
(2)について(要チェック)
(2)は合同の証明です。証明問題になると途端におかしなことが起こるので、ここは要チェックです。
まずは、図を確認することから始めましょう。
$\triangle \mathrm{ABD}\equiv \triangle \mathrm{ECB}$ の証明です。色をつけた2つの三角形ですね。
まずは、与えられている情報とそこから得られる情報を整理しておきましょう。
証明問題では何も考えずにいきなり証明を書き始めないようにしてください。
(1)でも触れましたが、$\angle\mathrm{BDC}=\angle\mathrm{BCD}$ から $\triangle \mathrm{BCD}$ が $\mathrm{BC=BD}$ の二等辺三角形であることが分かります。
また、$\angle\mathrm{ABC}=90^\circ$、$\mathrm{AD}// \mathrm{BC}$ から、$\angle\mathrm{BAD}=90^\circ$ となります。
さらに、$\angle\mathrm{CEB}=90^\circ$ であるため、結局 $\triangle \mathrm{ABD}$ と $\triangle \mathrm{ECB}$ は直角三角形であり、斜辺が等しいことまで分かっている状態です。
あとは、合同を証明するために何が必要となるかを考えていきましょう。
ここでは、直角三角形の合同を考えていくので、
- 斜辺ともう1つの辺
- 斜辺ともう1つの角
のいずれかを考えていけばいいということです。与えられている情報の量を吟味すると、角度から考えていく方が筋が良さそうです(こうした判断もできるようになりましょう)。
今回は、与えられた条件から三角形の内角の和や平行線による錯角・同位角あたりが使えそうです。
ここは、$\mathrm{AD}// \mathrm{BC}$ から $\angle\mathrm{ADB}=\angle\mathrm{EBC}$ の錯角が等しくなることがすぐに見抜けるようになってほしいですね。
さて、これで証明に必要な材料は揃ったので、あとは筋道を立てて説明すればOKです。
(3)について(相似を使ってみよう)
(3)はかなり面倒な問題だったという人(あるいは出来なかったという人)と、全然難しくなかったという人に割れたのではないでしょうか。
相似や平行線と線分比について学んでいる人は、サラッと解けてしまう問題です。
模範解答では(1)と同じように面積を経由する方法で解いてあります。これについては模範解答に譲ることにして、ここでは相似と比を用いた考え方について触れておきたいと思います。
まず、三角形の相似について簡単に説明しておきます。詳しい内容は教科書で必ず確認してください。

相似な図形については以下の性質を押さえておきましょう。
\begin{enumerate}
\item 対応する辺の長さの比はすべて等しい
\item 対応する角の大きさはそれぞれ等しい
\end{enumerate}
面積比は $m^2:n^2$
体積比は $m^3:n^3$