大学入学共通テスト、いわゆる新テストの記述問題についていろいろとニュースで取り上げられる機会が増えてきています。
英語民間試験の活用が見送られた2020年度開始の大学入学共通テストを巡り、高校現場や政界などから国語と数学の記述式問題に…
ここにきて急にこの問題が取り上げられるようになり、どうも政治の道具として利用されているような感じが否めませんが、受験生にとっては大きな問題ですから、このまま新テストに突入するよりかは遥かにマシな状況です。
大学入試共通テストの記述問題については、文科省のサイトに以下のように記されています。
「大学入学共通テスト」について(文科省)(元記事は削除されました)
記述式問題の導入により、解答を選択肢の中から選ぶだけではなく、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価することができます。
また、共通テストに記述式問題を導入することにより、高等学校に対し、「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業改善を促していく大きなメッセージとなります。大学においても、思考力・判断力・表現力を前提とした質の高い教育が期待されます。
併せて、各大学の個別選抜において、それぞれの大学の特色に応じた記述式問題を課すことにより、一層高い効果が期待されます。
この中でも、重要なのは
という部分です。これ自体には異論はまったくありません。
ただ、その評価を記述形式、しかも大学入学共通テストという多くの受験生が受験するテストで行うことについては賛成しかねます。
これについて、私も昨年の今頃にあれこれと何か言ってました。ほぼ愚痴みたいなものですが(笑)
iPadを手に入れてから、あれこれと遊ぶのに夢中で、すっかりとブログのことを忘れていました。申し訳ありません。とはいえ、本当に遊んでいたわけではなく、来年度以降の活用法を考えたりアプリの使用感を試したりと何だかんだ忙しかったわけです[…]
とにかく、記述問題の採点については安易に考えている人が多すぎるのです。
私の場合は生徒数も限られているため、1ヶ月で20〜30人分くらいの採点をすることになりますが、これを可能な限り公平かつ厳密にやろうとなると相当な時間がかかります。
しかし、きちんとした採点をやったことがなく、丸付けレベルの採点しかしたことのない人は「そんなに時間がかかるのは採点するほうがダメ」だとか「その場で採点できるだろう」くらいの意識なわけです。
とくに某B社はS研模試でもテキトーな採点をやっているのに、意識としては大学受験に関わってはいけないレベルです。
おまけにこんなことも起こっているわけです。
こういう企業が教育に関わるのはやめてもらいたいというのが本音です。
いずれにしても、記述問題を大学入学共通テストで実施するためにはまだまだ準備ができていないのが実情です。というよりも、そもそも実現可能かどうかも疑わしいレベルなのです。
このことは是非とも知っておいてもらいたいなあと思います。
なお、大学入学共通テストの数学の記述問題の採点については、こちらのサイトにかなり詳しいことが書かれているので是非読んでみてください。
高大接続改革の一環として行われている大学入試改革のひとつである「大学入学新共通テスト」は、記述式試験の導入をひとつの大き…