先週あたりから新高校1年生の準備講座だけでなく、新年度の問い合わせも増えてきておりバタついている塾長です。こういう時は、必ず何かが抜けているのでメモは必須なのですが、忙しい時にとったメモがメモになっておらず「なんのことか分からない・・・」という悲劇が起こるのもよくあることです・・・。
さて、そんな授業外の業務に追われていると授業がとても安らぎの時間のように思える不思議です(笑)
昨日は高2の積分でこんな問題をやりました。
(1) $\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$ の $x$ 座標を $\alpha$,$\beta$ とするとき,$\alpha^2+\beta^2$,$\alpha^3+\beta^3$,$\alpha^4+\beta^4$ を $m$ の式で表せ.
(2) 曲線①と線分 $\mathrm{OA}$,$\mathrm{AB}$ で囲まれる部分の面積をそれぞれ $S_1$,$S_2$ とするとき,$S_1:S_2=1:2$ となるように $m$ の値を定めよ.
こういう問題でグラフを描かない生徒がいますが、だいたいそういう生徒は失敗しています。
グラフを描いてみるとだいたいこんな感じになると思います。
このくらいの図であれば、30秒もかからないのでサクッとかいてほしいんです(そのための知識も紹介してるし・・・)。
たまに①のグラフを描くために、「微分して増減表を作って・・・」という律儀な生徒がいますが、そこまでしなくても描けます。そういうのは、もっと正確なグラフが必要になったらやってみればいいだけです。今回はこのくらいのグラフで十分です!
ちなみに、生徒によっては微分することや増減表を書くことを「絶対」だと思っていたり、それをやらないとグラフが描けないと思っている生徒もいるので少し困ります・・・。
さて、この問題の(1)は全員できていた感じでした。グラフの概形が見えていれば「なんてことないぜ!!」といったところでしょうか。
問題は(2)の計算で、かなり苦戦している生徒が多かったようです。積分計算・・・
というわけで、やはり計算が楽になるような方法は考えたいものです。
ここは、①と②の上下関係が大切になるので、とりあえず
$$f(x)=x^3-3x^2+2x-mx$$
とおいて考えていきましょう。(2)の条件を満たすためには、先ほどの図から
$$2\int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx=-\int_{\alpha}^{\beta}f(x)\,dx$$
が言えればいいことがわかります。これが分からない人は、もっと簡単な問題に戻って出直してください(笑)
で、この積分計算を真面目に計算していく生徒が結構多いんですよね。気持ちはわかりますが。
でも、ちょっと工夫をするとかなり計算の負担は軽くなるのです。
\begin{align*}
&2\int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx+\int_{\alpha}^{\beta}f(x)\,dx=0\\
\Longleftrightarrow&\int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx+\left\{\int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx+\int_{\alpha}^{\beta}f(x)\,dx\right\}=0\\
\Longleftrightarrow&\int_{0}^{\alpha}f(x)\,dx+\int_{0}^{\beta}f(x)\,dx=0
\end{align*}
そして、
$$\left[F(x)\right]_{0}^{\alpha}+\left[F(x)\right]_{0}^{\beta}=F(\alpha)+F(\beta)=0$$
としてしまえば、かなり計算の負担が軽くなります。
結局、積分計算で使うのが $f(x)$ か $-f(x)$ かということなので、理想としてはやはりどこかで「計算が簡単にできそうかも」という見通しは立って欲しいところです。
でも、試験本番でうまい方法思いつかなければ、ゴリ押しで計算する力も持っていないといけません。そんなわけで、どちらか一方だけ!というのはやはり心許ないなあと思うわけです。普段の勉強からちょっと意識して欲しい部分ですね。