数学IIで扱う軌跡や領域の内容については、個人的に高校数学の大切なことが詰まっている部分だと思っています。高校数学の中にはいくつかの関門があるわけですが(最初は絶対値あたりですね)、とくに理系の生徒にとっての関門となるのが、この軌跡と領域の部分ではないかと思います。過去の塾生を思い返してみても、ここをしっかりと理解して先へ進める生徒は数学が強いという印象があります。
そんなわけで、昨日の授業で扱った問題を1つ。
この問題、かなり面倒なんですが、理論的な部分ではそんなに難しくないです。絶対値がごちゃごちゃしていますが、丁寧に場合分けしてけばそのうち解けます。ただし、場合分けのパターンが「嘘やん・・・」という感じで増殖していくので、やはりどこかのタイミングで
となってもらいたいです(笑)
高校数学で扱う領域の問題は、結構単純な図形となる場合がほとんどです。単純な図形だからこそ対称性などを気にしてみて欲しいなあと思うのです。実際に、不等式が表している領域は $x$ 軸に関しても $y$ 軸に関しても対称な形となります。これは $x$ の代わりに $-x$ を入れてみるとどうなるか、$y$ の代わりに $-y$ を入れてみるとどうなるか、という「基本的な確認」をやってみるとすぐに気がつきます。
慣れている人であれば、こうした確認を最初にやってみてラクをしようと考えます。また、途中で面倒だなと思う人も、おそらく何かに気づいてラクをしようと考えます。一方で、ひたすら場合分けをしながら考えていく人もいるでしょう。どれも大切なことなのですが、ラクをしようという姿勢はとても大事なものであるということを知ってもらいたいなと思います。愚直に頑張る姿勢も悪くはありませんが、それだけでは進歩がありません。ちょっと立ち止まって、現在地や辿ってきた道を確認してみると、見えてこなかったものが見えてくるかもしれません。そういう発見を大切にしながら勉強して欲しいなあと思っています。
とくに、いまは学校が休校となっており、比較的時間に余裕のある人が多いと思います(課題が多くてそれどころじゃない人もいるかもしれませんが・・・)。ちょっと長めに時間をとって、1つの問題をじ〜っくりと考えてみるのもいいんじゃないでしょうか?