挑戦状No.3はよくある方程式の共通解の問題でした。多くの高校生が持っている某問題集などには「共通解は $\alpha$ とおく」みたいなことが書いてあったりします。が、そんなこたぁどうでもいいんです(笑) というか、この問題の核心とは何の関係もないことです。では、解答例を載せておきます。
\begin{align*}
\begin{cases}x^2+(a-4)x-2=0&\cdots\cdots(1)\\x^2-2x-a=0&\cdots\cdots(2)\end{cases}
\end{align*}
(1)$-$(2) より
\begin{align*}
(a-2)x+a-2=0 \Longleftrightarrow (a-2)(x+1)=0 \cdots\cdots(3)
\end{align*}
(1)と(2)が共通解をもつことと,(1)と(3)が共通解をもつことは同値である.
\begin{enumerate}
\item $a-2\neq0$ すなわち $a\neq2$ のとき,(3)は $x=-1$ というただ1つの解をもつので,(1)と(3)が共通解をもつのは,(3)のただ1つの解である $x=-1$ が(1)を満たすときである.
よって,
\begin{align*}
(-1)^2-(a-4)-2=0 \qquad \therefore a=3
\end{align*}
これは$a\neq 2$を満たす.
\item $a-2=0$ すなわち $a=2$ のとき,(3)は任意の解をもち,(1)は $x^2-2x-2=0$ となり,$x=1\pm\sqrt{3}$ を解にもつので,(1)と(3)は共通解をもつ.
\end{enumerate}
以上より,求める $a$ の値は,$a=2$ または $a=3$
\begin{cases}x^2+(a-4)x-2=0&\cdots\cdots(1)\\x^2-2x-a=0&\cdots\cdots(2)\end{cases}
\end{align*}
(1)$-$(2) より
\begin{align*}
(a-2)x+a-2=0 \Longleftrightarrow (a-2)(x+1)=0 \cdots\cdots(3)
\end{align*}
(1)と(2)が共通解をもつことと,(1)と(3)が共通解をもつことは同値である.
\begin{enumerate}
\item $a-2\neq0$ すなわち $a\neq2$ のとき,(3)は $x=-1$ というただ1つの解をもつので,(1)と(3)が共通解をもつのは,(3)のただ1つの解である $x=-1$ が(1)を満たすときである.
よって,
\begin{align*}
(-1)^2-(a-4)-2=0 \qquad \therefore a=3
\end{align*}
これは$a\neq 2$を満たす.
\item $a-2=0$ すなわち $a=2$ のとき,(3)は任意の解をもち,(1)は $x^2-2x-2=0$ となり,$x=1\pm\sqrt{3}$ を解にもつので,(1)と(3)は共通解をもつ.
\end{enumerate}
以上より,求める $a$ の値は,$a=2$ または $a=3$
共通解の問題では、文字通り2つの方程式に共通する解を求めればいいのです。でも、いきなり共通する解が分かるような問題は出ません。なので、一方の方程式を解いてみて、その解が他方の方程式を満たすかどうかを考えていけばいいのです。
ただし、このときに解が簡単に求まるとは限りません。次数が高くなればなるほど解の個数が増えて、共通解の候補が増えてしまうため吟味が大変になるのです。そこで、同値変形を利用してなるべく簡単な方程式になるように考えてみることが大切になります。解が最も簡単に求まるのは1次方程式なので、(1)$-$(2) をやって (3) を導いてくる部分がポイントです。
こういうことを日常的に考えながら解いているのか、ただ単に「解法」と呼ばれるもののをアウトラインをなぞっているだけなのか、そのあたりのことは注意して勉強をしてもらいたいなあと思います。