というわけで、前回の挑戦状の解答です。
$f(y)=x^2+xy+y^2$ とおく.
(1) $y$ の2次方程式 $f(y)=1$ すなわち,$y^2+xy+x^2-1=0$ が実数解をもつ条件を求める.
$x^2-4(x^2-1)\geqq 0$より
\begin{align*}
-\frac{2\sqrt{3}}{3}\leqq x\leqq \frac{2\sqrt{3}}{3}
\end{align*}
(2) $y$ の2次関数
\begin{align*}
z=f(y)-1&=y^2+xy+x^2-1\\
&=\left(y+\frac{x}{2}\right)^2+\frac{3}{4}x^2-1
\end{align*}
のグラフが $y$ 軸の正の部分と共有点を持たない条件を求める.
(i) $x\geqq 0$ のとき,$f(0)-1\geqq 0$ より
\begin{align*}
x\leqq -1,\ 1\leqq x
\end{align*}
ゆえに,$1\leqq x$
(ii) $x<0$ のとき,$\displaystyle f\left(-\frac{x}{2}\right)-1>0$ より
\begin{align*}
x<-\frac{2\sqrt{3}}{3},\ \frac{2\sqrt{3}}{3}<x
\end{align*}
ゆえに,$\displaystyle x<-\frac{2\sqrt{3}}{3}$
(i),(ii)より $\displaystyle x<-\frac{2\sqrt{3}}{3}$,$1\leqq x$
(3) $y$ の2次不等式
\begin{align*}
f(y)-(x+y)>0
\end{align*}
すなわち
\begin{align*}
y^2-(x-1)y+x^2-x>0
\end{align*}
がすべての実数 $y$ に対して成り立つ条件を求める.
\begin{align*}
(x-1)^2-4(x^2-x)<0
\end{align*}
より
\begin{align*}
x<-\frac{1}{3},\ 1<x
\end{align*}
2変数の扱いの基本は「1つずつやりましょうよ!」です。片方をとりあえずは定数と見ておいて他方を処理し、終わったらもう一方を動かしてみましょう、ということです。2つのことを同時進行で考えるのは何かと難しいのです。ええ、本当に。