絶対値を含む方程式・不等式のアレ

塾長
休校期間の対応が学校ごとで異なっていたので例年以上に進度がバラバラな感じですが、塾の方は安定のスローペースで進んでいます(笑)

どうも世の中には「とにかく速く進める派」が多いようですが、私はどちらかというと「慎重に進める派」です。「慎重に進める」と言うとなんとなく聞こえがいいですね(笑)

実際には、単にマイペースでのんびり学んでいるだけですが、数学を教える側になってもそこは変わらないようです。やはり、石橋は叩いて渡ってこその石橋ということなんですね〜。

そんなわけで、先日も高校1年生の難所の1つである絶対値を含む方程式と不等式をやりました。

次の方程式・不等式を解け.
(1) $|2-x|=5$
(2) $|2x+3|=a-5$
(3) $|x+1|=2x-1$
(4) $|x-3|+|2x+1|=4$
(5) $|x|>0$
(6) $|x|\leqq 0$

こういう問題を時間をかけて納得いくまで考えるのが好きだったので、教えるときも大体似たような構成になってしまいます。大体の場合が具体的なものから少しずつ抽象的なものへという流れです。もちろん、抽象的なものを具体的なレベルにまで落として考えるということもやりますが、数学では基本的に「具体的なものから少しずつ抽象的なものへ」という、いわゆる帰納的な考え方がふつうだと思います。少しずつ抽象度を上げていきながら、どの段階でどういう誤解や間違いが起こるのかを丁寧に観察していくと自分のクセが見えてきます。

絶対値についてのスタートラインは、$|-3|=3$ とか $|3|=3$ とかをやりつつ数直線上に図示して考えるのが個人的にはしっくりきます。

もちろん

\begin{align*}
|x|=
\begin{cases}
x&(x\geqq 0)\\
-x&(x\leqq 0)
\end{cases}
\end{align*}

からスタートして具体例をアレコレやってみるという方法でもいいと思います。いずれにしても、この具体例を舐めてはいけません。数学が苦手な人に多く見られる特徴の1つに具体例を考えない・考えられないというものがあります。ふつうなら、理解を深めていく過程でたくさんの具体例を経由するはずなのですが、そこがすっかり抜け落ちているのです。「覚えていない・忘れたからできない」というタイプの人の多くはこれに当たります。

ただ、こういうタイプの人も、具体例をやっていないわけではないのです。他の人と同じくらい(あるいはそれ以上)の問題を解いていたりします。しかし、その問題を解くということが何とも繋がっておらず、ただ目の前の問題の答えを求めるという作業で終わってしまっているのです。理解を深めるために問題を解く、とか、理解できているかの確認のために問題を解く、という意識がほとんどなく、ただ問題を解くという作業工程がそこにある感じになっているのです。これでは、どれだけ問題演習を重ねても思ったような成績の伸びは得られないでしょう。

上で取り上げた問題は、そういう意味でイヤらしい問題かもしれません(笑)

もしかすると、高校2年生や高校3年生でも正しく解けない生徒の方が多いかもしれないです。できないということは、どこかにエラーがあるわけなので、そのエラーを突き止めて正しく修正して欲しいなと思います。別に間違えることは悪いことではありません。間違ったことを曖昧なまま放置してしまうのがよくないのです。

そのため、どんどん間違えてエラーを見つけ、それを正しく修正していくということに積極的に取り組みましょう。大事なので、何回も言います。どんどん間違えてください。そして、その間違いがどこからやってきているのかをしつこいくらい考えてみてくださいね。

塾長
前回の記事でも触れましたが、高校数学の入り口を間違ってしまうと、あとで悲惨なこと(修正不能)になります。そうなる前に数学と正しくお付き合いする方法を知って欲しいなと思います。
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