2020第3回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
前回の模試からあまり時間は経っておりませんが、第3回石川県総合模試が実施されました。今回もゆる〜く解説をしていきたいと思います。

2020第3回石川県総合模試(数学)

前回の成績表が返却されてから、まだ1週間ちょっとしか経っていないため、復習がしっかりとできなかったという人もいるかもしれません。しかし、第4回以降もタイトなスケジュールで本番まで進んでいくので、模試が終わったらすぐに(その日のうちに)復習に取り掛かるように習慣をつけておきましょう!

出来た・出来なかったなどと一喜一憂するだけではダメです。出来ていない部分を見つけるためにテストを受けているのだと思って下さい。出来ていない部分は課題として受け止め、どのようにクリアしていくかを考えましょう。ただし、分析をいい加減にやってしまうと意味がありません。

とある中学生
方程式ができないから方程式の問題をたくさんやろう!

まあ、こういう方法でも伸びないことはありませんが、今後はちゃんと考えて勉強してほしいなあと思います。「繰り返す」「たくさんやる」という何の工夫もない勉強からは早めに脱却しておきましょう!

概観

問題構成はテンプレセットの大問数7、小問数22というものでした。

今回もいつも通り時間的にかなり厳しいセットとなっています。また、前回に比べると全体的な問題レベルも上がっているため、全然出来なかったという人も多かったかもしれません。

出題内容は、大問1の小問集合以外は、規則性・関数・方程式・作図・平面図形・空間図形という内容でした。後半の図形の問題は重めの問題が多いので、前半の関数や方程式あたりの問題がきちんと解けたかどうかが得点に影響を与えそうです。

50分という試験時間内で解くことを考えるとどれも大変な問題に思いますが、単体の問題としてみればなかなか良い問題が多かったので、じっくりと復習をやっておくことをオススメします。

全体的な難易度 やや難

各問題の概要

ここからは大問ごとの内容を細かく見ていきます。面白い問題は解説をつけておくので参考にしてください。

大問1

内容 小問集合

難易度 

基本的な計算問題と知識に関する問題です。まず、このレベルの問題ができなければ数学の勉強にならないので、計算練習や知識の整理などは時間を見つけてやるようにしましょう。

計算ミスが多い人は「途中式を書かないせいだ」という人が多いのですが、実はそういうタイプは少数派です。計算ミスが多い人は無駄な計算をしている人が圧倒的多数です。計算ミスを克服するためには、暗算力と観察力を磨いておきたいところです。

これについては以下の記事を参考にしてみてください。

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例えば、(1)のオの計算などについては

$$\sqrt{50}-\sqrt{6}\times \sqrt{3}=\sqrt{2\times 5\times 5}-\sqrt{2\times 3\times 3}$$

という感じに見えると計算が素早くなりますが、わざわざ

$$\sqrt{50}-\sqrt{6}\times \sqrt{3}=\sqrt{50}-\sqrt{18}$$

とした後で素因数分解をやって・・・なんていう遠回りをしている人が意外と多い印象です。しかも、こういう風な遠回りの計算を「丁寧な計算」と思い込んでいる人もいるので要注意です。できる限り計算量を少なくすることを考えて練習をしてほしいと思います。

(2)はごく基本的な因数分解なので問題ないでしょう。

(3)では、与えられた条件から角度の情報を引き出せるかどうかがポイントです。平行四辺形、$\mathrm{DA=DE}$(二等辺三角形)から等しい角を見つけることが出来ていれば問題なく解けるでしょう。$\angle x$ を考える際に $\triangle \mathrm{CDE}$ の内角に着目してみましょう。

(4)で大切なことは、男子・女子という区別ではなく、全員を区別するということが大切です。解説冊子のように男子の2人も女子の4人も区別して考える必要があります。確率の話については、前回の模試の大問2の解説を参考にしてください。

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(5)は中央値とヒストグラムという基本的な内容が分かっていれば問題なくできるでしょう。

 

大問2(復習オススメNo.1)

内容 規則性

難易度 やや難

今回の大問2は規則性の問題でした。規則性の問題は「数学の勉強における大事な要素」がたくさん詰まっているので、優先的に復習をしておいてほしい問題です。

さて、(1)の問題ですがこれは少し問題文が良くなかったように思います。「タイルAを4枚、タイルBを9枚使ってできる正方形の1辺」と書いてあるため、タイルCを使わないで正方形を作ることを考えた人もいると思います。問題文をきちんと読めば、タイルCはAとBを使った後で残りの部分にしきつめることが分かりますが、ちょっと混乱しそうな問題文であったと思います。

まあ、そんな話は置いておき、(1)から考えていきましょう。大事なのは、やっぱり具体例です。タイルAを4枚、タイルBを9枚使ったときの正方形は以下のようになります。

したがって、求める正方形の1辺の長さは $9 \mathrm{cm}$ となります。

問題は(2)です。タイルCの枚数が10枚となるような正方形の一辺の長さを $a \mathrm{cm}$ とし、$a$ の値の候補をすべて求めよという問題です。

こんなものがいきなり分かるわけはないので、(1)と同じように具体例を用いてあれこれと考えてみましょう。まずは、Aが1枚、Bが1枚のときです。

このときはCの枚数は2枚になります。次に、Aを9枚Bを9枚にした場合です。

このときは、Cの枚数は18枚となります。これを一旦整理してみましょう(最後の具体例は問題にある図2の例です)。

$x\times x$$2\times 2$$1\times 1$$3\times 3$$1\times 1$
$y\times y$$3\times 3$$1\times 1$$3\times 3$$2\times 2$
Cの枚数12枚2枚18枚4枚

これでもまだ規則が見えにくいので、$x$ と $y$ とCの枚数の関係のみを考えてみましょう。

$x$2131
$y$3132
Cの枚数122184

あとは、これと図をよく観察しながら規則性を見抜けるかどうかです。Cの枚数は、下図の色をつけた部分が $x\times y$ で求まることから考えていきます。

これが2箇所あるので、結局

$$xy\times 2=2xy$$

として求められることが分かります。よって、Cが10枚となるような場合は $2xy=10$ すなわち $xy=5$ ということが分かります。$x$、$y$ はともに自然数なので、5の正の約数を考えて、

$$(x,\ y)=(1,\ 5),\ (5,\ 1)$$

となります。

どちらも、Cが10枚使われているのが分かります。したがって、求める $a$ の値は16と8となります。

 

大問3(復習オススメNo.3)

内容 関数

難易度 やや難

今回の関数の問題は「動点」が関係する問題だったので、難しく感じた人も多かったのではないでしょうか。動点の問題といっても、動くものをそのまま扱うことはできないので、どこかで止めて考えることが大切になります。どこで止めて考えると都合がいいかを、あれこれと図をかいて確かめてみてくださいね。最初から「この位置で分けて考えればよい」みたいな思考に陥らないように注意しましょう!

とにかく、まず最初にやることは与えられた条件の確認からです。直線の式は $\displaystyle y=-\frac{1}{2}x+4$ です。点 $\mathrm{A}$ は $y$ 軸上の点で $y$ 座標が $-6$ であることから、$\mathrm{A}(0,\ -6)$ となります。また、直線と $y$ 軸の交点が $\mathrm{B}$ で、直線と $x$ 軸の交点が $\mathrm{C}$ となっています。さらに、点 $\mathrm{P}$ は直線上を $\mathrm{B}$ から $\mathrm{C}$ まで動く点となります。

まず、(1)の点 $\mathrm{P}$ の $x$ 座標がとり得る値の範囲を考えましょう。これは $\mathrm{B}$ の $x$ 座標から $\mathrm{C}$ の $x$ 座標までを動くことになります。$\mathrm{B}$ の $x$ 座標は分かっているので、 $\mathrm{C}$ の $x$ 座標を考えます。$\mathrm{C}$ は $x$ 軸上の点であるため、直線の式 $\displaystyle y=-\frac{1}{2}x+4$ において、$y=0$ としたときの $x$ の値を求めればOKですね。

$$0=-\frac{1}{2}x+4$$

より、$x=8$ となります。これぐらいは暗算で求めましょうね!

以上から、$0\leqq x \leqq 8$ となることが分かります。

(2)は $\triangle \mathrm{APB}$ と $\triangle \mathrm{ACP}$ の面積の比が与えられるので、これをもとにして考えていきます。面積を考える場合に大切なことは、共通する部分がないかを考えてみることです。

この問題で考える $\triangle \mathrm{APB}$ と $\triangle \mathrm{ACP}$ に共通するのは高さになります。この高さは $\mathrm{A}$ から直線に下ろした垂線の長さとなりますが、これを求めるのは非常に難しくなります。他に共通する部分で、なおかつ求めやすいものはないでしょうか? 残念ながら、辺や高さで共通する部分はありません。

こういう場合に、数学でよくやることは「とりあえず共通するものが出てくるようにしてみる」という大胆な発想です。では、共通する部分を作り出すにはどうしたらいいでしょうか?

これは、考える三角形を $\triangle \mathrm{APB}$ と $\triangle \mathrm{ACB}$ にしてしまうことです。こうすることで、$\mathrm{AB}$ という共通する辺を考えられるようになります。$\triangle \mathrm{ACB}$ の中には $\triangle \mathrm{ACP}$ が含まれているので「後で何とかすればOK」と考えましょう。

$$\triangle\mathrm{APB}:\triangle\mathrm{ACP}=1:3$$

なので、$\triangle\mathrm{ACB}=\triangle\mathrm{APB}+\triangle\mathrm{ACP}$ に注意して

$$\triangle\mathrm{APB}:\triangle\mathrm{ACB}=1:4$$

となることを確認してください。$\triangle\mathrm{APB}$ と $\triangle\mathrm{ACB}$ はどちらも辺 $\mathrm{AB}$ を含むので、これを底辺と考えてみましょう。そうすると、底辺は同じものなので、面積の比はそのまま高さの比になることが分かります。

$\triangle\mathrm{APB}$ と $\triangle\mathrm{ACB}$ の高さは、それぞれ点 $\mathrm{P}$ の $x$ 座標(これを $x_p$ とします)と点 $\mathrm{C}$ の $x$ 座標(これを $x_c$ とします)で与えられます。つまり

$$x_p:x_c=1:4$$

であり、$x_c=8$ であることから、$x_p=2$ が得られます。

最後の(3)は回転体の問題となります。一見すると難しそうに見えますが、ただの三角錐の問題です。ビビってはいけません(笑)

まずは、点 $\mathrm{P}(4,\ 2)$ を求めておきましょう。このとき、直線 $\mathrm{AP}$ の式は、$\mathrm{A}(0,\ -6)$ と $\mathrm{P}(4,\ 2)$ を通る直線なので、$\displaystyle y=2x-6$ と瞬時に求められるようにしておきましょう。したがって、点 $\mathrm{Q}$ の座標も、$\mathrm{Q}(3,\ 0)$ となることが分かります。

$\triangle\mathrm{ACQ}$ を$x$ 軸を軸にして1回転させてできる図形は、$\triangle\mathrm{ACO}$ を$x$ 軸を軸にして1回転させてできる図形から $\triangle\mathrm{AQO}$ を$x$ 軸を軸にして1回転させてできる図形を引けば求められます。すなわち

$$\frac{1}{3}\times 8\times 6^2\pi-\frac{1}{3}\times 3\times 6^2\pi$$

であり

$$12\pi(8-3)=60\pi$$

となります。

塾長

なお、この問題は相似の単元を学習するともっと簡単に解けます。相似を学習した後に、もう一度復習をやってみることをオススメします!

 

大問4

内容 方程式

難易度 

第4問は方程式の問題でした。近年の方程式の問題は、表やグラフによって与えられたデータを読み取って解くものが主流となっています。今回は円グラフが与えられ、そこから人数を考察していく問題でした。割合が理解できていればそれほど難しい問題ではなかったと思います。

AさんとBさんの中学校の生徒の人数の合計は450人となっているので、Aさんの中学校の生徒数を $x$ 人とすると、Bさんの中学校の生徒数は $450-x$ 人と表せます。また、取り組んでいないと解答した生徒の人数の合計が35人です。Aさんの中学校では5%が、Bさんの中学校では10%が取り組んでいないと答えているため

$$\frac{5}{100}\times x+\frac{10}{100}\times (450-x)=35$$

と表せます。したがって

\begin{align*}
x+900-2x&=700\\
x&=200
\end{align*}

より、Aさんの中学校の生徒数は200人、Bさんの中学校の生徒数は250人であることが分かります。

 

大問5

内容 作図

難易度 

今回の作図は簡単だったので、しっかりと得点したい問題です。

点 $\mathrm{P}$ の条件は

  • 点 $\mathrm{P}$ は辺 $\mathrm{AB}$上
  • $\mathrm{2AP=AC}$

の2つです。大切なのは $\mathrm{2AP=AC}$ という条件です。変形すれば

$$\mathrm{AP}=\frac{1}{2}\mathrm{AC}$$

となるので、$\mathrm{AC}$ の中点を考えればよいことが分かります。$\mathrm{AC}$ の中点は垂直二等分線を作図すればすぐにもとまります。あとはこの中点を $\mathrm{AB}$ 上に移すだけです。これぞコンパスの使い方の原点ですね。

 

大問6(復習オススメNo.2)

内容 平面図形

難易度 標準

大問6は平行四辺形を題材とした平面図形の問題でした。平行四辺形はいろいろな幾何的特徴を持っているため、考察することがどうしても多くなります。そのせいもあって入試では非常によく出題されます。まずは定義をきちんと押さえて、そこから導かれる図形的な特徴を1つずつ確認しておくことが大切です。

(1)は $\triangle\mathrm{AFE}\equiv \triangle\mathrm{DFC}$ の証明です。これは簡単だったと思います。問題文を読みながらすぐに下の図のようなことが浮かんでもらいたいところです。

$\mathrm{ABCD}$ が平行四辺形であることから、$\mathrm{BE}//\mathrm{CD}$ と $\mathrm{AD}//\mathrm{BC}$ はすぐに分かると思います。あとは錯角に着目して $\angle\mathrm{AEF}=\angle\mathrm{DCF}$ と $\angle\mathrm{EAF}=\angle\mathrm{CDF}$ となります。さらに、$\mathrm{AB=CD}$ となります。また、条件から $\mathrm{AB=AE}$ であるため、結局 $\mathrm{AE=DC}$ がいえます。

以上から、$\triangle\mathrm{AFE}\equiv \triangle\mathrm{DFC}$ がいえました。めでたしめでたし!

(2)では、$\mathrm{AC\perp BE}$ と $\mathrm{AC=12cm}$ という条件が加わりますが、基本的には平行四辺形の問題です。まず、この条件が加わることで $\mathrm{ACDE}$ が長方形となることを確認してください。これより $\mathrm{AC=ED=12cm}$ です。なお、長方形も平行四辺形であることを忘れないでください。このとき、長方形 $\mathrm{ACDE}$ の対角線 $\mathrm{AD}$ と $\mathrm{EC}$ はそれぞれの中点で交わります。また、$\mathrm{AD=EC}$ でもあるため下図のような辺の長さの関係が成り立ちます。

したがって、$\triangle\mathrm{DEF}$ の周の長さは、||が2つ分($\mathrm{AD}$ と同じ長さです)で $\mathrm{13cm}$ であり、|が1つ($\mathrm{AC}$ と同じ長さです)で $\mathrm{12cm}$ となります。よって、$12+13=25\mathrm{(cm)}$となります。

(3)は垂線 $\mathrm{DG}$ の長さを求める問題ですが、これを直接求めるのは非常に難しい問題です。しかし、垂線については面積を利用することで求めることが可能です。実際に、$\mathrm{EC}$ の長さは、上の図で||が2つ分であり $\mathrm{13cm}$ だと分かります。

この $\mathrm{EC}$ を底辺と見て、高さを $\mathrm{DG}$ とすることで $\triangle\mathrm{CDE}$ の面積を利用して $\mathrm{DG}$ を求められます。実際に $\triangle\mathrm{CDE}$ の面積を求めてみると

$$\triangle\mathrm{CDE}=\frac{1}{2}\mathrm{ED\times DC}=\frac{1}{2}\times 12\times 5=30$$

となります。これを、$\mathrm{EC}$ を底辺、高さを $\mathrm{DG}$ と見て計算すると

$$30=\frac{1}{2}\times 13\times \mathrm{DG}$$

となります。これを解けば、$\displaystyle \mathrm{DG}=\frac{60}{13}$ が得られます。

塾長
今回の平面図形は、基本的な知識が理解できていれば得点しやすかったと思います。平行四辺形を利用する問題はたくさんありますが、その中では比較的考え方を絞りやすい問題だったと思います。図形があまり得意でないという人は、まずこのくらいのレベルの問題をきちんと考えて解けるように、理解が不足している部分を補っておくといいでしょう。

 

大問7

内容 空間図形

難易度 やや難

大問7は図を見ただけで「う、これは・・・」となりそうな感じの空間図形の問題でした。等脚台形を含む立体であるため、対称性などを考慮しつつ計算をできる限り楽にすることを考えていきましょう。

(1)は単なる知識問題なので割愛します。

(2)では、図がかなりゴチャついているので、見にくいと思ったら必要な図だけを描き出して考えていきましょう。まず、四角形 $\mathrm{EPGH}$ の面積と $\triangle\mathrm{PFG}$ の面積の比が $13:5$ になるということから考えていきます。

このとき、四角形 $\mathrm{EFGH}:\triangle\mathrm{PFG}=(13+5):5=18:5$ となることが分かります。

また、条件から $\mathrm{EH=EF=9cm}$ なので、四角形 $\mathrm{EFGH}=81$ となります。さらに、$\displaystyle \triangle\mathrm{PFG}=\frac{1}{2}\times 9\times \mathrm{PF}$ であるため

$$18:5=81:\frac{9}{2}\mathrm{PF}$$

となり、これを解いて $\mathrm{PF}=5$ となります。ということは、$\mathrm{EP=4}$ です。

では、三角錐 $\mathrm{PIEJ}$ の体積はどのように求められるでしょうか?

大切なのは、どこを底面と見るか・そのときの高さはどこか、ということです。計算できないもの・計算が面倒なものは避けましょう。図をよく見ていくと、底面を $\triangle\mathrm{EIJ}$ とすると、高さ(直角を考えていくといいでしょう)が $\mathrm{EP}$ となることが分かります。したがって、求める体積は

$$\frac{1}{3}\times \left(\frac{1}{2}\times 3\times 6\right)\times 4=12$$

となります。

(3)は図形の体積をどう求めていけばいいか分からなかった人もいるかもしれません。簡単に面積や体積が求まらないときは、間接的に求めていくことになります。具体的には、分割する・大きなものから余分なものを引くなどと考えてみることです。ここでは、分割することを考えてみると(2)で考えた図形(三角錐)を利用していくことができることに気づくはずです。これによって、四角錐と三角錐に分割できるため体積を求めることができます。

まず、三角錐 $\mathrm{PIEJ}$ の体積は、先ほどの(2)の計算において、$\mathrm{EP}=h$ とおいて

$$\frac{1}{3} \times 9h=3h$$

となることが分かります。さらに、四角錐 $\mathrm{J-EPQH}$ の体積は

$$\frac{1}{3}\times 9h\times 6=18h$$

となります。したがって、$18h+3h=154$ となり、これを解くと

$$h=\frac{22}{3}$$

となります。

塾長
この問題、等脚台形が出てくるのですが、これを利用するような場面がなくて少々残念でした。せっかく対称性をもつ図形ならそれを上手く活用した問題だと面白かったのですが・・・まあ、高校入試の問題はこういうのが多いので仕方ありませんね。

総評

というわけで、1つずつ丁寧にやってみると「これは難しいなあ」と途方に暮れるような問題はありませんでした。しかし、50分という試験時間の中で淀みなく解いていかないと全問を解き切るのはかなり大変であることも分かります。問題を考えるスピードについては、意識してどうこうなるものではありません。むしろ、普段の学習の中でいろいろな方法を考えていくことで洗練されていくものです。よく「こういうタイプの問題はこう解け」という指導が行われていたりするのですが、そういう方針が有効なのはあくまでも定型の問題だけなのです。

数学が苦手すぎて考えるのも嫌だ!という人であれば、そうした方法でやり過ごすのも一つの方法ですが、数学を少しでも理解したいと思っている人は、まず時間をかけてあれこれと考えるということをやってみて欲しいと思います。正解だろうが不正解だろうが、とにかく紙と鉛筆を用意して、あれこれと書き出しながら考えてみてください。時間はかかるかもしれませんが、そうした時間を「無駄」と切り捨ててしまうと「テストで点を取る方法だけが発達した人」になってしまう可能性が高くなります。おっと、話が逸れてきました。

まだ、入試本番までは時間があります。こうした模試の問題を丁寧に復習していけば、相応の実力が養われるはずです。受けっぱなしにならないように、きちんと復習をしましょう。そして、そのときに大切なことは

自分の手と頭を使って考える

ということです。解説を読んだり聞いただけで満足していては意味がありませんよ!

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