というわけで、受験生のみなさんは完全に受験モードになっていると思いますが、これから受験生になる2年生のみなさんの中にも、そろそろ入試を意識するようになる人もいるでしょう。まだまだ焦る必要はありませんが、早めに準備をすることにデメリットはないので、余裕がある人はそろそろ動き始めるといいのではないかと思います。
さて、そんな受験モード全開の記事を書いてもいいのですが、授業でもそうした話を頻繁にしているので、今日は久々(?)に高校数学のネタを投下しておきます。
数列の問題をやっていたときに、以下のような等式が出てきました。
$$2^{k+1}=2^k+2^k$$
とくに何か難しいことがあるわけでもなく、当たり前のことを言っているだけの等式なのですが、質問を持ってくる生徒が思った以上に多いのです。
$2^{k+1}$ と $2^{k}$ の関係はどうなるかと聞いてみると大抵の生徒は「あ、なんでもないです!」とすぐに理解してくれますが、よく分からないという生徒もそこそこいるわけです。
『$2^{k+1}$ を $2^{k}$ を用いて表すとどうなる?』と聞いてみれば
$$2^{k+1}=2\cdot 2^k$$
と返答があります。
そこで『$2\cdot 2^k$ は $2^k$ についてどういう主張をしているか?』と聞いてみれば
$2^k$ の2倍です or $2^k$ が2つです
なんていう答えがしっかり返ってきます。
もう、これ以上言うことは何もないのですが、それでも何かを待っている生徒がいます。残念ながら、こういう「待ちの姿勢」では数学ができるようになる日はやってこないでしょう。
「正解!」とか「合ってますよ!」という言葉を期待しているのかもしれませんが、ここまで考えた時点でそれが正しいかどうかは自分で判断できるはずです。あるいは、$2^k$ の2倍です or $2^k$ が2つですという発言と $2\cdot 2^k=2^k+2^k$ がまったく結びついていないかです。いずれにしても問題アリの状態です。
基本的に、数学を学ぶ上で「自分の手と頭を使って考える」ということは絶対に欠かせないものです。
先のやり取りで出てきた『$2^{k+1}$ を $2^{k}$ を用いて表すとどうなる?』『$2\cdot 2^k$ は $2^k$ についてどういう主張をしているか?』という問いは自分自身に問いかけられるようにならなければいけないと考えています。
これをやれ、あれをやれと与えるだけでは、自発的に問いを立てるような姿勢は養われません。
大事なことは「考えてもらう」ことであって、問題集を終わらせるとか周回するということではないのです。
そのあたりを勘違いしたまま勉強を進めてしまうことのないように注意してもらいたいなあと思います。