直方体を切断した立体の体積のアレ

塾長
11月になって何とも北陸らしい天気になってきました。今日も車を運転していると、固形物まじりの雨が降っておりました。そろそろタイヤの交換もしないといけない時期ですね。ああ、嫌だ嫌だ。

第1回金沢市統一テストの実施日が迫ってきました。昨年は、なかなか良問揃いのだったので、過去問をもらった人はじっくりと取り組んでみてください。ちなみに、昨年の第1回金沢市統一テストの解説記事は以下です。

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統一テストの話をしたいところですが、今回はメールで質問をいただいた問題についてのお話です。

右の図は直方体を斜めに切断したものです。この立体の体積を求めてください。

入試では非常に有名な問題で、これは次のように解くというのが「常識」のようです。

$$36\times \frac{11+6+4+9}{4}=270$$

つまり、「高さの平均」のようなものを考えて、それを底面積とかけあわせて体積を求めるというわけです。

こうした解法を知っていると、確かに簡単に計算して答えを求めることが可能です。時間制限のあるテストでは非常に有利でしょう。

ただし、1つだけ指摘しておきたいのは、「この解法を使って素早く解くことができる」という人や「この解法を知っている」という人が「数学ができる人」ではないということです。

どうしてもテストの点数で判断すると、こうした「簡単に答えの出る方法」をたくさん知っている人が目立ってしまいます。

そして、こういう方法をたくさん覚えることが点数を上げる方法なんだと勘違いする人が増えていきます。

指導者側にも、こうした解法を覚えさせて点数を上げることが良い指導だと勘違いしている人が多いようです。

もちろん、この解法自体が間違っているわけではないので、こういう方法で解いてはダメだということではありません。

私が言いたいのは

簡単に解ける解法を覚えることが数学の勉強ではない

ということです。

塾に通っている中学生の多くが、上のような切断された直方体(三角柱なども同じです)の体積を簡単に出す方法を知っていることでしょう。しかし、それが

どうしてそのような方法で求まるのか

を正しく理解できている人はとても少ないのです。

むしろ、「どうしてそのような方法で求まるのか」を考えるのが数学の勉強の大事な部分であるはずです。

ところが、実際には、

ダメ指導者
こういう問題ではこうやって解くんだ!

なんていう教え方をして、大事な部分を生徒から取り上げてしまっている指導者が多いのではないかと思います。

塾長
でもテストの点数は上がってしまうもんだから、そういうインチキ指導者が「数学のスペシャリスト」みたいな扱いになっていたりすることもあって、「おいおいお〜い!」と思ってしまうわけです。

そして、そういう指導を受けていると、教わる側も「なんかこうやって解くとすぐに答えが求められる!スゲー!!」みたいな思考停止状態になっていきます。それが末期になると「もっと他にそういうものはないか?」と簡単に解ける方法ばかりを欲しがるようになります。

こうなると、「考える」というベースが完全に失われて、気付いたら数学がまったくできなくなってしまいます。

もちろん、毎回毎回面倒なことをやるのは大変なので、ショートカットする方法を知っておくことは大切です。しかし、それがどうやってショートカットになっているのかを知らなければ意味はありません(忘れたら終わりですからね)。

今回取り上げた問題も、なぜそうなるのかを是非考えてみて欲しいですね。中学3年生であれば、きちんと正しいことを示すこともできるはずです。

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