当たり前のことを確認してみる

塾長
4月もあっという間に半分以上が過ぎてGWまであと少しという感じになりました。例年だと4月はちょっと余裕がある感じなのですが、今年はすでに満員のクラスも出てきており、とても忙しい1ヶ月となっております。まさに、うれしい悲鳴というやつですね笑。

先日、中学3年生の授業の中で根号に関する問題をやりました。その中で扱った内容について書いておきます。

登場したのは以下のような式です。

$\sqrt{x^2}=|x|$

これ、中学校では扱わないようですが、どのみち高校1年生でもやるものなので「どうせならいろいろ考えてみよう」ということで取り上げました。この等式については、高校1年生の中にもよく分からずに「そういうもんだ」みたいに公式として暗記してしまっている人が結構います。

ですが、これ、当たり前の話を数式にしてみただけのものです。

その当たり前を、たどってみるという話をしました。

まず、左辺の絶対値については、例えば $|2|=2$ だとか $|-2|=2$ だとか具体的なものは理解している人が多いと思います。では、こうしたいろいろな具体例をまとめて $|x|$ としたら、どのように絶対値記号を外すべきかを考えてみてください。

この際、具体例でやったことを忘れて $|x|$ を別物として考える人がいますが、それでは意味がありません。先程の述べたように「いろいろな具体例をまとめて $|x|$ とする」のですから、$|2|=2$ だとか $|-2|=2$ だとかの話を切り離してはダメです。

$x=2$ のときは、$|x|=2$ となります。すなわち $|x|=x$ となることがわかります。また、$x=-2$ の場合にも $|x|=2$ となります。ここが問題です。$x=-2$ のときは $|x|$ の値は符号が反転して $-(-2)$ すなわち $2$ となることを意識してください。つまり、次のように表すことができます。

  • $x>0$ のときは $|x|=x$
  • $x<0$ のときは $|x|=-x$

なお、$x=0$ のときは当然ですが $|x|=0$ です。$0$ の場合は、上記のどちらの方に含めても結果は $0$ となるので、結局

\begin{align*}
|x|=\begin{cases}x&(x\geqq0)\\-x&(x\leqq 0)\end{cases}
\end{align*}

と表せます。

同じように、$\sqrt{x^2}$ を考えてみましょう。まずは、具体例から考えましょう。

$x=2$ のときは $\sqrt{x^2}=\sqrt{2^2}=\sqrt{4}=2$ となります。$x=-2$ のときは $\sqrt{x^2}=\sqrt{(-2)^2}=\sqrt{4}=2$ となります。これは先程考えた $|x|$ の場合と同じ結果になっていることが分かると思います。したがって、

$$\sqrt{x^2}=|x|$$

という等式が成り立つことが分かります。

こういうことを1つ1つ自分の手で確認していくことが数学の勉強ではいちばん大切なことなのですが、こうしたことを日常的にやっている人が「びっくりするくらい少ない」ということを、指導するようになってから初めて知りました。

塾長
数学の勉強というと「問題集を繰り返しやる」みたいな考え方を持っている人がかなりたくさんいるのですが、いったい、どこでそんな変な情報を手に入れたのでしょうか?

問題集に手を出す前に、まずは教科書の内容をきちんと点検していくことが大切です。テストの点数ばかりを気にして、肝心の数学の理解はまるで深まっていないなんてことにならないように気をつけて欲しいところです。

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