先日の金沢市統一テストの解説で触れた「おうぎ形の面積」の求め方についてサクッとお話ししておきたいと思います。
塾長2021年度の第1回金沢市統一テストが実施されました。受験生のみなさん、お疲れ様でした! 近年の統一テストは一度は解いておきたいといった感じの良問が揃った良いテストが続いていましたが、今年はどうだったのでしょうか??[…]
図のようなおうぎ形の面積の面積を $S$ としたとき、下のような関係が成り立ちます。
$$S=\frac{1}{2}lr$$
「え〜そうなんだ!便利!」で終わってはダメです。これが本当に正しいのかどうか、そしてどのように導かれるのかをきちんと理解しておかなければ意味がありません。こうした確認をやらずに何でも鵜呑みにしてしまうのは危険です。
ということで、実際に成り立つのかどうかを確認していきましょう。
おうぎ形は円の一部と考えるのが基本的でしょう。
上の図で、円の面積は $\pi r^2$ となります。これを中心角 $x$ 分だけ切り取ればいいので
$$S=\pi r^2\times \frac{x}{360}$$
となります。基本的にはこれで十分です。
次に、おうぎ形の弧の長さ $l$ についても考えてみましょう。
基本的な考え方は面積と同じです。円周を求めて、それを中心角の分だけ切り取ります。
円周は $2\pi r$ となるので
$$l=2\pi r\times \frac{x}{360}$$
とすればおうぎ形の弧の長さが求まります。
この $l$ についての式を下のように変形します。
$$\frac{l}{2\pi r}=\frac{x}{360}$$
そして、先ほど求めた $S$ の式とから $\displaystyle\frac{x}{360}$ を消去すると
$$S=\pi r^2\times\frac{l}{2\pi r}=\frac{1}{2}lr$$
が得られます。
みなさんも、自分の手で確認できるようにしておくといいでしょう。
ちなみに、これを何の説明もなく「おうぎ形の面積の公式」などと言って大袈裟に取り上げている本は今すぐ捨ててOKです。