2次方程式の解を求める話

塾長
毎度のことですが、入試情報や倍率の記事はアクセスが跳ね上がるのに、数学のネタになると途端にアクセス数が激減するんです。ああ、悲しい。

至誠塾ではどんな授業をやっているのか、というお問い合わせもよくいただきます。あまり特別なことはやっていませんが、考えるということをとても大切にしています。今回は、そういう授業の片鱗が見えるような問題を取り上げてみます。

あ、昨日のトレミーの定理の証明は楽しんでもらえたでしょうか? ちなみにトレミーは英語でPtolemyと表記されます。そのまま発音してみると、何か聞き覚えのある語感ではありませんか? 実はこれ天動説で有名なプトレマイオスのことなんです。なので、トレミーの定理はプトレマイオスの定理とも呼ばれます。ただの余談でした笑。

さて、ここまででブラウザを閉じた人が70%くらいになりそうですが、気を取り直して本日のお題にいってみましょう。

2次方程式 $x^2+(3-\sqrt{2})x-\sqrt{2}+2=0$ を解け。

当塾の中3生であればサクッと解いてくれる(はず)の問題です。このブログにも似た問題が何度も登場していますね。

まずは解いてみてください!

 

ちょっと小話

高校入試では、$x^2-x-3=0$ のような無味乾燥な問題ばかりが出題されていて、2次方程式の解の公式を使って解く生徒がほとんどです。そのため、2次方程式の解の公式を暗記しようという生徒が増えることになります。また、この手の方程式の類題をたくさんやって試験に備えるという人も多くなるでしょう。

塾長
確かに公式を用いれば2次方程式の解は求まるのですが、それを数学の勉強だと思ってほしくはないんです!
ただ公式を覚えて当てはめるというのは数学の勉強でも何でもない

公式や解法偏重の勉強の弊害はいろいろなところに現れてきますが、こうした単純な計算問題であってもそれを確認することができます。

例えば、$x^2+2x-6=0$ という問題であっても、解の公式を用いて面倒な計算をする人が多くいます。しかも、計算ミスをして間違ってしまうなんてこともあります。

$x^2+2x-6=0$ であれば、$(x+1)^2=7$ と変形できて、$x=-1\pm\sqrt{7}$ と求める方が計算は圧倒的に簡単になるでしょう。

こうなってくると、今度は

とある指導者
2次方程式では、因数分解、解の公式、平方根の利用を考えましょう!

なんてことを言い出す人もいるのですが、こうやって知らず知らずのうちに思考が限定されてしまっている人は結構います。

今回の問題で、解の公式を使って面倒な計算をしてしまった人は要注意かもしれません。もちろん、解の公式を使ってきちんと解けていたのであれば、それはそれでOKです。ただ、もっと基本的な考え方というものがあることは知っておいて欲しいところです。

話が長くなってしまいましたので、今回の問題の解説をやりましょう。

 

解 説

方程式を解くということは、等式を満たすような $x$ の値をすべて求めることです。また、方程式の解は等式を満たすような $x$ の値ということになります。これが最も大事なことです。このことをよく確認した上で、問題の方程式をもう一度眺めてみましょう。

$$x^2+(3-\sqrt{2})x-\sqrt{2}+2=0$$

等式が成り立つには左辺が0にならないとダメです。では、左辺が0になるような $x$ の値って何か思いつきませんか?

観察力がある人(あるいは根号計算をよく理解している人)は、まず $\sqrt{2}$ が消えて欲しいなあと思うのではないかと思います。そうすると、$x=-1$ でなければ $\sqrt{2}$ は消えないぞ、ということが分かります。

そこで、左辺に $x=-1$ を代入してみます。

$$(-1)^2-3+\sqrt{2}-\sqrt{2}+2$$

となり、これは $0$ になることが確認できます。つまり、$x=-1$ はこの方程式の解の1つであることが分かったわけです。

ということは、左辺を因数分解した場合には $(x+1)$ という因数が現れることも分かります。

塾長
これが分からない人は、因数分解を用いた2次方程式の解き方について何も理解していない可能性が高いので要注意ですよ!

つまり、左辺については

$$x^2+(3-\sqrt{2})x-\sqrt{2}+2=(x+1)(\qquad\qquad)$$

のように変形できそうだと考えられます。あとはパズルのようなものです。空白の $(\qquad\qquad)$ にはどんな形が入るでしょうか?

これは因数分解というよりも展開の話になりますね。

$x^2$ の係数は1なので、

$$x^2+(3-\sqrt{2})x-\sqrt{2}+2=(x+1)(x\qquad)$$

とならないといけません。また、定数項は $-\sqrt{2}+2$ となるので、結局左辺は

$$x^2+(3-\sqrt{2})x-\sqrt{2}+2=(x+1)(x-\sqrt{2}+2)$$

と因数分解できることが分かります。不安な人は展開して確かめてみてください。まあ、理屈が分かっていれば不安はないと思いますが。

さて、因数分解ができたので、もう1つの解は $x-\sqrt{2}+2=0$ すなわち、

$$x=\sqrt{2}-2$$

であることが分かりました。メデタシメデタシ。

 

私はよく教科書内容をちゃんと理解して欲しいということを言います。今回扱った問題も、教科書を超えるような内容は入っていません。なので、1つ1つ確認してもらうと、中3生は「あ、なんだそんなことか」みたいな感じで理解してくれます。

この考え方を進めていくと、例えば $6x^2+13x+5=0$ などの方程式もサクッと解いてくれるようになります。ちなみに、この問題は高校1年生で「たすき掛け」とかいう方法を使って解くと教わりますが、必要ない方法です笑。

塾長
教科書レベル=簡単と思っている人が多いのですが、実際には教科書レベルって結構深いです。でも、その表面を撫でただけで分かったと思い込んでいる人が多いのではないかと思います。たくさん問題をやったり、何度も繰り返しやったりもいいですが、もう少し教科書レベルの勉強を大切にした方がいいのではないかなあと思っています。
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