隣り合う平方の差

塾長
激減するアクセス数にも負けず、今日もちょいマス記事を更新する塾長です。ごきげんよう。倍率とか勉強法とか、そっち系の記事のアクセス数の半分にも満たない不毛な記事ですが、本業はこっちなのでちゃんと書いてます笑

2月もいよいよ最終日となりましたが、受験生のみなさん、最後の追い込みは順調でしょうか。まあ、ここまで来たら余計なことは考えずに、万全の状態で本番に臨めるように準備をするだけですね。無理して体調を崩しては元も子もないですからね。

というわけで今日のちょいマスは、ちゃんと「ちょいマス」です。がっつりマスではありません。

$3$ 以上の奇数はとなり合う自然数の平方の差で表せる。例えば奇数 $7$ は次の例のようになる。(例)$7=4^2-3^2$
(1) 奇数 $11$ を(例)のように表せ。
(2) $3$ 以上の奇数を $p$、となり合う自然数のうち大きい方を $m$ としたとき、$m$ を $p$ の式で表せ。
(3) $111$ を(例)のようにとなり合う自然数の平方の差で表せ。

整数の問題としては有名な問題です。基本中の基本といった問題なのでサクッと解いて欲しいところです。

整数の単元が高校数学に取り込まれてから、高校入試においても整数を題材とした問題が以前に比べると増えましたね。そういった流れで考えれば、今年は統計の問題が要注意かもしれません。気になる人は、本番までにしっかりとやっておくといいでしょう。まあ、中学生で扱う内容はあまり数学的な内容ではないので、ちょっとさらっておけば十分ですが。

一方、整数の問題については、いろいろと面白い問題がたくさんあります。たくさんありすぎてハマってしまうと戻ってこれない可能性も高いですね!笑

あ、高校数学の先取りとか考えている人には、こういうちゃんとした数学の本を読んでみるのがいいと思いますよ。

この本は塾長も読んで楽しんでいます。

では、程よく雑談ができたので、今回の問題の解説をやっていきましょう。

解 説

まず、最初に「平方の差」という話から、因数分解を思いついた人が多かったのではないかと思います。

$$a^2-b^2=(a+b)(a-b)$$

こうして、まずは平方の差から整数の積の話に持ち込むと見通しがよくなります。このとき、$a$ と $b$ はそれぞれ自然数であることも確認しておきましょう。

(1)では $11$ をとなり合う平方の差に表したいのですが、パッと思いついたでしょうか。思いついたらOKです。

思い付かない人は、$(a+b)(a-b)$ の積の形から攻めていきましょう。$11$ は奇数であり、しかも素数です。したがって

$$11=1\times 11$$

という形にしか表せません。したがって、$a+b=11$、$a-b=1$ を満たす自然数 $a$、$b$ を求めると、$a=6$、$b=5$ となります。

したがって、$11=6^2-5^2$ と表せます。

塾長
もちろん、となり合う自然数を適当に選んで計算してみるという地道な方法でやってもOKです。むしろ、そちらから考える方が自然でしょう。

さて、次は(2)です。「となり合う自然数のうち大きい方を $m$ と」すると、小さい方は当然 $m-1$ となります。となり合う自然数ですからね!

したがって、「$3$ 以上の奇数はとなり合う自然数の平方の差で表せる」わけですから

$$p=m^2-(m-1)^2$$

となるはずです。これを展開して整理すれば

$$m=\frac{p+1}{2}$$

となります。

(3)はもう答えが出たようなものですね。$p=111$ とすれば、(2)の結果から $m=56$ がすぐに得られます。したがって

$$111=56^2-55^2$$

となることが分かるでしょう。

(1)、(2)の誘導があるので比較的簡単に思えるのですが、いきなり(3)を解け、となると難しくなりますね。

ただ、問題を解くだけだと「ふ〜ん」という感じですが、平方数についていろいろと関連する事柄を探っていくと楽しいです。

塾長
中学生の場合は、身近なものとしてピタゴラスの定理(三平方の定理)があります。$a^2+b^2=c^2$ を満たすような整数 $a$、$b$、$c$ をピタゴラス数といいますが、みなさんはどんなものを知っていますか?
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