今週は塾の授業はお休みなのですが、その間に昨年度の反省をしつつ今年度の授業の修正を考えています。とくにプリント関係は毎年作り替えているのですが、ちょっとした不満などが残っているので、そのあたりを作り直す作業をしています。が、作り直しては納得いかずに消去して作り直して、というループに嵌っているだけの1週間になりそうです。なんてこったい!
とくに高校1年生については最初の入りがとても大事なので、プリント作成も念入りにおこなっています。
最初の方の単元は入学前の課題になっていて「自分でやってきてください」みたいになっている学校がほとんどです。また、それよりもさらに進んで「春休み中に数学IAを全部終わらせよう」なんていう塾もあるようです。
この辺りに関しては、ブログでも何度か指摘していますが「早めに進めておくのは有利」と短絡的に考えるのは危険です。
とくに、問題集を繰り返しやって解き方を覚えようという勉強になっている人は要注意です。先取り学習については、石川県の高校入試レベルの問題は9割を余裕で取れる程度の学力を持っている生徒であれば問題ないと思います(言い切れるわけではありません)が、そうでない人の場合、数学の勉強を勘違いしたまま進んでしまうことになりかねません。
しかも、それで最初の方はテストの点数が取れてしまって「数学いけるやん!」となってしまうとかなり危険です。
過去にも、こうしたいい加減な先取り学習の影響で、数学が全くできなくなってしまった高校生を見てきました。
悪い影響がすぐに出てくれると早い段階での修正も可能ですが、高校1年生の間くらいであれば、いい加減な勉強でも何となく点数が取れてしまうのが厄介なところです。
そして、高校1年生の終わりくらいから成績がだんだん下降してきて、高2の半ばくらいになって「なんか数学が全然分からなくなってしまった」という生徒が増えます。とくに、高1の時点で「数学いけるやん!」と勘違いして理系に進んでしまった生徒の場合、その後はかなり悲惨なことになります。
こうしたリスクがあることは、高校生の皆さんだけでなく、保護者の方にも知っておいてもらいたいですね。
先取りをしてはいけない、というわけではありません。また、先取りをしなければ不利というわけでもありません。
先取りをしないといけない!と追い立てられて勉強するのも何かおかしな話です。
学力に余裕があれば先取りをしていけばいいでしょうし、そうでなければ、無理に先取りをする必要はありません。
そして、先取りを効果的に行うのであれば、高校入試の延長で勉強をするのではなく数学の勉強をやって欲しいと思います。
この春、京都大学に合格した2人の生徒がともに言っていたのが
だったのが印象的です。
具体的には、教科書をしっかり読みこむこと、定義を大切にすること、証明をきちんとやる、ということでした。そして睡眠時間を十分にとること(笑)
やはり最初の一歩で、「たくさんやる」「繰り返しやる」といった高校入試の対策としての勉強から脱却することが、高校数学といいお付き合いをするコツかなと思います。とくに、難関大学を目指す人は、早いうちに「数学の勉強」へと舵を切って欲しいですね。