何ということもありませんが、まあ、今年も半分終わりなんです。
「半分か〜」と心の中で呟いてみると、私の頭の中にある公式が浮かんできました。
いわゆる三角形の面積の公式です。
底辺を $a$、高さを $b$ とすると、三角形の面積は $\displaystyle\frac{1}{2}ab$ と表される、というものです。
この公式を、意味もわからずに呪文として覚えている生徒が少なからず存在します。
「てーへんかけるたかさかけるにぶんのいち」のような感じです。
が、こんなもの覚えるほどのものではないです。
下の図を見れば、三角形の面積が $\displaystyle\frac{1}{2}ab$ となることは一目瞭然です。
長方形の面積が $ab$ であり、それを半分にしているので $\displaystyle\frac{1}{2}ab$ だという話ですね。
「へ〜そうなんだ」などと呑気なことを言ってはいけません。
こんな当たり前のことを理解もせずに公式を使っているようではこの先が思いやられるというものです。
何でもかんでも公式にしてしまっていると、その過程で見えるべき姿を隠してしまい、肝心なところで使えないということが高頻度で起こります。
典型的な問題からちょっと外れると途端にできなくなるタイプの人は、こうした「見えるべき姿」をすっ飛ばしている人が多いように思います。
三角形の面積について、上記のような理解をしておくと、下図において $\triangle\mathrm{ABC}$ と 長方形 $\mathrm{FBCE}$(先の長方形 $\mathrm{ABCD}$ の半分)が同じ面積になることがすぐにわかります。どちらの面積も $\displaystyle \frac{1}{2}ab$ です。
つまり、三角形の面積をならすと長方形の面積になるということです。
ちなみに、この「ならす」というのは漢字で書くと「平す」とか「均す」となります。
実は、この図にはいろいろな大切な要素が詰まっています。
もちろん、高校入試などで出題される問題にも応用できます。
また、高校の数学でもこのイメージが大切になる場面が出てきます。
一方で、単に数式として $\displaystyle\frac{1}{2}ab$ を覚えてしまった人には、こうした繋がりがまったく見えない状況に陥ってしまいます。
同じように勉強して同じような成績だった人が、先々で大きな差がついてしまったりすることがあるのですが、こうしたちょっとした部分を丁寧にやっているかどうかが一因であったりするのです。
最短距離でサクッと点数を取る勉強も受験勉強としてはいいかもしれませんが、もしかすると大切なことを見落としてるかもしれない、そういう意識は常に持っておきたいですね。