今年は中学1年生や高校1年生の問い合わせがかなり多くなっています。
中1生はすでに満席となってしまいましたが、問い合わせが続くようでしたら増席も検討します。
高校1年生も問い合わせが数件あるため、夏前に満席になりそうです。
高1生はすでに増席済なので、これ以上の募集はありません。ご検討中の方はお早めにどうぞ!
というわけで、宣伝はこのくらいにして、本日のお題といきましょう。
問題集の平方根のあたりに必ず載っている問題ですね。
$\sqrt{2}$ というのは、定義から考えると「$x^2=2$ を満たすような $x$ のうち正であるもの」となります。
したがって、$(\sqrt{2})^2$ は $x^2$ と同じものですので、$(\sqrt{2})^2=2$ となります。
理解できていれば当たり前の話なので、ここまでゴチャゴチャ考えなくても大丈夫という人が多いでしょう。
ただ、当たり前にできるようになるまでは、毎回定義に戻って考えることが大切です。
ある正の数 $a$ に対して、平方して $a$ になるような数を $a$ の平方根という
これが一般的な教科書に書かれている定義です(表現は少し異なるかもしれませんが)。
ちなみに、定義は常に分かりやすく書かれているとは限りません。
その場合には、わかりやすく言い換えてみることが大切です。
先ほどの定義は、言葉で説明しているぶん丁寧で分かりやすいのですが、直感的ではありません。
そこで、「 $a>0$ の平方根は $x^2=a$ を満たす $x$ 」くらいにしておけば、記憶しやすくなります。
定義については、言い換えを考えたり、具体例を作ってみたりして、丁寧に確認をしておくことが大切です。
話が長くなってしまいました。
では次にいきましょう。
基礎がきちんと理解できている人であれば $\sqrt{2}$ とすぐに答えられるでしょう。
しかし、ここで手が止まってしまったという人もいたと思います。
その1の問題と「ほぼ同じ」なのですが、こういうちょっとした変化に戸惑う人は多いのではないかと思います。
それは、根号の中に根号がいるというちょっと見慣れない形に対してではないでしょうか。
とくに問題集などでは、解法とかまとめといった感じで $(\sqrt{a})^2=a$ のように書かれてあることがよくあります。
この $(\sqrt{a})^2=a$ を先に覚えて、それを使って(当てはめて)解くというのが数学の勉強だと思っている人が一定数います。
簡単な問題であればそれでも通用するかもしれません。
しかし、上のようにちょっと見慣れないものが出てくると急にできなくなる、というのが現実ではないでしょうか。
これは、実際にはきちんと理解できていないという証拠です。
こういう当てはめタイプの人は、最初から $a$ を無意識に自然数に限定してしまっている、なんてことが起こります。
そして、当てはめられない(ように見える)問題が出てくると戸惑ってしまうわけです。
$(\sqrt{a})^2=a$ については $a>0$ という制限があるだけで、他には特段の制限はありません。
なのに、そこに勝手に制限をつけてしまうのは、やはり定義を丁寧に確認するという大事な部分が欠落しているからではないかと思っています。
ここ数年で「問題集をやることが数学の勉強だ」みたいな乱暴な認識の学生が急激に増えたように思います。
もちろん、問題を解くということは不可欠なのですが、それは理解を深めるためのものであるべきだと考えます。
$(\sqrt{2})^2$ は解けるけど $\left(\sqrt{\sqrt{2}}\right)^2$ はできない、では困るのです。
この程度のレベルではそこまで問題にならないかもしれませんが、もう少しレベルの高い問題にしてみると、こうした問題が続出するのです。
どんなにたくさんの問題を解いたとしても、肝心な部分が抜けていては何にもならないわけです。
挙句「やっても無駄」とか「数学のセンスがない」と言って数学を諦めてしまう人がたくさんいます。
そんなことにならないように、基礎を大事にするということを徹底していかないといけないなと考えています。