2022第1回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
7月3日に2022年第1回石川県総合模試が実施されました。毎年、高校入試に向けて多くの受験生が受験する模試となっております。入試問題を意識した構成になっているため、受験生の皆さんは本番までの腕試しとしてぜひ受験してみてくださいね!

というわけで、第1回石川県総合模試を受験されたみなさん、お疲れ様でした!

第1回の模試から受験する人は上位校を狙っている人が多いと思いますが、受験した感想はどうだったでしょうか?

難しくて泣きそうだったという人もいれば、思ったほど難しく感じなかったという人もいるでしょう。本格的に受験勉強を始めていない人も多いでしょうから、入試レベルの問題になると苦戦するというのは当然といえば当然です。

この模試によって「自分の現在地点」が見えてくるはずなので、きちんと自己分析をやってこれからの勉強にフィードバックしていくことが大切です。

塾長
というわけで、今年も「解いてみた」シリーズを不定期ながらやっていくつもりです。ご質問やご相談などがあればHPの問い合わせフォームからメッセージを送ってください。こちらも可能な限り返信していこうと思います。塾生以外の方も遠慮なくどうぞ!

概観

問題のセットは大問数7(小問数23)の標準的なセットでした。石川県の公立高校入試もほぼこのくらいの分量となります。

大問1の小問集合以外は、どれも思考力を要する問題ばかりとなっています。また計算の過程を記述させる問題や証明などの説明を求められる問題が多く、50分という試験時間で全てを解き切るのはかなり難しいセットとなっています。

毎年言っていますが、全部解けなかったからといって必要以上に気にすることはありません。下手に全部解こうとして雑な思考になってしまう方が問題です。「問題を見たらすぐに解き方を思いつけるように」などという指導をする人もいますが、近年の入試問題を見ればすぐに解き方を思いつけるような単純な問題は出題されなくなってきたことが分かると思います。「問題集を繰り返しやって解き方を覚える」といった時代遅れの勉強法では、限界が来てしまうので、きちんと数学の勉強ができているかどうか考えてみてほしいと思います。

とはいえ、無策で試験に臨むのも無意味です。時間配分をどうするか、どの問題を優先するか、といったことを考えてやっていくことも現実には必要となります。毎回、しっかりと自分なりに目標を定めて受験していくといいでしょう。

出題内容については、前半は方程式や関数などの計算を中心とした問題、後半が図形の問題となっています。各分野からバランスよく出題されており、いわゆる難問・奇問の類はありません。入試標準レベルの良問が揃っていると思います。試験中、時間が足りなくてできなかった問題などは、家に帰って時間を気にせずに取り組んでみるといいでしょう。復習をしっかりやれば相応の実力アップが期待できる問題ばかりなので、少なくとも1週間以内には復習をやってしまいたいですね。

全体的な難易度 標準

 

ここからは問題の具体的な解説となります。問題用紙を準備してご覧ください。

大問1

内容 小問集合

難易度 

基本的な計算力や知識を問う問題となります。この大問1はどの学力層の生徒も満点を狙いたいところです。

(1)は単純な計算問題なのですが、案外ミスが多く、きちんとすべてを解ける生徒は意外と少ない印象です。

計算が苦手だったり、計算ミスが多い人は、まず自分のクセをよく知ることが大切です。個人的には、中学生を指導していて途中式がやたらと多いなと感じます。「途中式が多い=丁寧」と勘違いしている人もいるようなので、気をつけましょう。途中式は必要最小限に抑えることが計算を上手にやるポイントです。そのためには暗算力を高めていきましょう。また、計算の工夫は常に考えるようにしたいですね! 一方で、そもそもの計算ルールが曖昧であるという人もいるので、そういう人は、きちんとした計算の規則を確認することが始めましょう。

(2)の連立方程式は解を求めるだけなら難しくないでしょう。余裕のある人は「方程式の解とは何か」「方程式を解くとはどういうことか」「連立方程式の解はどうして求まるか」などに深入りしてみると面白いでしょう。入試には必要ないですが笑

(3)は角度の問題でした。「ひし形」はあまり条件として見かけないものなので、少し面食らった人もいたかもしれません。ひし形は4辺の長さが等しい四角形です。そのため、今回の問題のようにひし形を2つに割ると二等辺三角形となります。

模範解答のように三角形の内角から考えていくのがオーソドックスな考え方かもしれません。しかし、せっかくのひし形なので、その特徴を活かしながら考えたいところです。

ひし形は平行四辺形でもあるので、$\mathrm{AB}//\mathrm{CD}$ です。錯角は等しいので、$\angle\mathrm{BDC}=\angle\mathrm{DBA}$ です。また、$\mathrm{A}$ を通って $\mathrm{BD}$ に平行な直線 $\mathrm{PQ}$ を引くと $\angle\mathrm{DBA}=\angle\mathrm{PAB}$ となり、さらに、$\angle\mathrm{BDC}=\angle\mathrm{BDA}$ なので $\angle\mathrm{BDC}=\angle\mathrm{DAQ}$ が言えます。また、$\mathrm{FA=FB}$ なので $\angle\mathrm{DBA}=\angle\mathrm{BAF}$ となります。つまり、図の黒丸のところはすべて35度であることがわかります。したがって、$180-105=75$ となり、$x=75^{\circ}$ がわかります。

塾長
模範解答と違う考え方で求められないかを考えることは、実力アップの上でとても大切になります。

(4)は簡単な確率の問題でした。確率の問題では複雑な問題はあまり出題されないので具体的に書き出して考えるのが良いでしょう。最初から下手に計算に頼ると大事な部分の考え方が失われてしまう危険もあります。

書き出してみると、全部で10通りあり、該当するものは4通りあるので、求める確率は

$$\frac{4}{10}=\frac{2}{5}$$

(5)は資料の整理です。中央値はちょうど真ん中の値となります。人数をみると、30人なので15番目の人と16番目の人の平均が中央値となります。順に数えると15番目の人は3点、16番目の人は4点となっているので、中央値は3.5となります。

塾長
どれも、基本的な知識のみで解ける問題なので、間違ってしまった部分については、教科書などで基本の確認をしておきましょう!

大問2(復習おすすめNo.1)

内容 規則性

難易度 

高校入試の問題の中でも、規則性の問題はとても重要な問題となります。というのも、状況を観察・分析し一定の規則を見つけるという大事な考え方がつまっているからです。

塾長
数学というのは「先に解き方があって、それを使って問題を解くもの」なんて考える人が多いのですが、違います。解き方は後から見えてくるのです。それがよく分かるのが、この規則性の問題なのです。

規則性の問題を考える上でいちばん大事なことは、具体例をいくつか作ってみるということです。そして、作ってみた具体例をあれこれと観察・分析しながら、隠されている規則を見つけて出していきましょう。

(1)は6番目の図形の紙に書かれた数のうちもっとも大きものを求めるわけですが、とりあえず、1番目から書き出してみましょう。

これはすぐに規則に気がつくでしょう。5の倍数で進んでいくため、6番目は $6\times 5=30$ となります。

規則としては $n$ 番目の図形の紙に書かれた数の最大のものは、$5n$ と表されるということですね。

次に(2)を見てみましょう。$n$ 番目の図形の頂点にある5つの数のうち、2番目に小さい数を $a$、3番目に小さい数を $b$、4番目に小さい数を $c$、もっとも大きい数を $d$ とする、という設定です。そのとき $a+b+c+d=294$ となる $n$ の値を求めます。

とりあえず、一番上の1が置かれる頂点を頂点1とし、そこから反時計回りに頂点2〜頂点5としましょう。問題用紙には3番目まで書かれていますが、自分の手で4番目の図形を具体例として作ってみると、規則が見えてきやすいのではないかと思います。

実際に、4番目までを書き出してみると頂点1〜頂点5までの数は下のようになります。これを書き出していくと、頂点間の値の差が一定になっていることに気づくでしょう。しかも、1番目の図形では1、2番目の図形では2、3番目の図形では3・・・となっているので、$n$ 番目の図形では当然 $n$ となると考えられます。

こんな感じで規則が見えてきたらOKです。頂点2から頂点5までの和が $a+b+c+d$ なので、$(1+n)+(1+2n)+(1+3n)+(1+4n)=294$ すなわち、

$$4+10n=294$$

よって、求める $n$ の値は29となります。

塾長
とにかく規則性の問題では、具体例を書き出してみることが大切です。どう解くかという話はそれからです!

大問3(復習おすすめNo.4)

内容 関数

難易度 標準

大問3はいわゆる反比例のグラフの問題でした。昨年も同じような問題でしたが、今年の方が少し易しく作られていました。この時期の関数の問題は、2次関数の問題が入ってこないため比較的易しい問題が多くなります。しっかりと得点できるように準備しておきましょう。

関数の問題を考える上で大切なことは、グラフをかきながら考えるということです。模試の模範解答や問題集の解答などは、計算だけが書かれていることが多く、どうしても「計算」の方に重点があるように思い込んでしまう人が多くいます。しかし、高校入試レベルの問題はグラフをかいたらほぼ問題は解けている状態になります。そこから必要な計算をしていくだけです。とにかく、まず第一にグラフをかく習慣をつけておきましょう。

最初に、与えられた条件をきちんとチェックすることから始めましょう。今回は、上図のようなグラフが与えられています。①は $\displaystyle y=\frac{8}{x}$ のグラフで、②は $\displaystyle y=\frac{a}{x}$ ($0<a<8$)のグラフとなります。また、$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ の $x$ 座標は2であり、$\mathrm{C}$ と $\mathrm{B}$ の $y$ 座標は等しくなっています。

では、(1)から考えましょう。$x$ の変域(定義域)が $1\leqq x\leqq 4$ のときの $y$ の変域(値域)を求める問題です。これも、計算だけで乗り切ろうとする人がいます。横着をせずに、きちんとグラフをかいて確認してくださいね。

$\displaystyle y=\frac{8}{x}$ のグラフを $1\leqq x\leqq 4$ で切り取ると上図のようになります。このとき、$y$ の値は2から8の値を取ることが目で確認できます($y$ 座標は計算してくださいね)。したがって、$2\leqq x\leqq 8$ です。

次に(2)を見てみましょう。$a=4$ のとき、つまり $\displaystyle y=\frac{4}{x}$ のグラフ上の点のうち、$x$ 座標も $y$ 座標も自然数である点が何個あるかを調べる問題です。これについては、$x$ に具体的に自然数を与えていけばすぐに求められます。$(x,\ y)$ と表すことにすると

$$(1,\ 4),\ (2,\ 2),\ (4,\ 1)$$

だけしかありません。$x$ が5以上の自然数になると、$y$ は1より小さい値になるため不適となります。

塾長
こういう問題でも「解き方」が分からないと言って手が止まる生徒が多くいます。解き方が先にあるのではない、ということは強く指摘しておきたい部分です。

(3)は、入試レベルの問題でよく出題される関数と図形の融合問題です。このタイプの問題については、関数の問題ではなく図形の問題であるという認識を持っておくことが大切です。いずれにしても、まずは図をかくことから始めましょう。

$\triangle\mathrm{AOB}$ と $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積比が $1:5$ になるという問題です。まず $\triangle\mathrm{AOB}$ と $\triangle\mathrm{ABC}$ がどうなるかを確認しましょう。上図の色付き部分が $\triangle\mathrm{AOB}$、斜線部分が $\triangle\mathrm{ABC}$ となります。このとき、両方の三角形について $\mathrm{AB}$ が共通であるということを意識してください。

この共通の $\mathrm{AB}$ を底辺と見れば、$\triangle\mathrm{AOB}$ と $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積比は高さの比で決まります

$\triangle\mathrm{AOB}$ の高さは上図の $\mathrm{OD}$ の長さ、すなわち $\mathrm{D}$ の $x$ 座標2となります(条件の $\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$ の $x$ 座標と同じです)。また、$\triangle\mathrm{ABC}$ の高さは $\mathrm{CB}$ の長さとなります。

ここで、$\mathrm{CB}$ の長さが問題となります。$\mathrm{C}$ の $x$ 座標がどうなるかを考えていきましょう。まず、条件から $\mathrm{C}$ と $\mathrm{B}$ の $y$ 座標は等しくなります。$\mathrm{B}$ の $y$ 座標は $\displaystyle y=\frac{a}{2}$ となります。ということは、$\displaystyle y=\frac{8}{x}$ の $y$ に $\displaystyle y=\frac{a}{2}$ を代入すれば $\mathrm{C}$ の $x$ 座標が求まります。

$\displaystyle \frac{a}{2}=\frac{8}{x}$ から、$\displaystyle x=\frac{16}{a}$ となります。したがって、$\mathrm{CB}$ の長さは $\displaystyle \frac{16}{a}-2$ です。

あとは、この高さの比が $1:5$ となるので

$$2:\left(\frac{16}{a}-2\right)=1:5$$

となります。これを解けば、$\displaystyle a=\frac{4}{3}$ となります。

塾長
まず、図形の問題としてどういうことが言えるといいかを考えましょう。そして、具体的な値などについては、関数やグラフを考えていきましょう!

大問4

内容 方程式

難易度 

今回の方程式の問題は比較的易しい問題でした。このレベルであれば本番までにはしっかり解き切れるようにしておきたいですね。

$30 \mathrm{cm}^{3}$ の水槽に1時間あたり $30 \mathrm{cm}^{3}$ を給水するA、$15 \mathrm{cm}^{3}$ を給水するB、$10 \mathrm{cm}^{3}$ を給水するCがあるという設定です。

(1)はBだけで $\displaystyle \frac{2}{3}$ 時間水を入れ、その後Aだけで $t$ 時間水を入れたら満水になったという問題です。これは、そのまま計算していけばすぐに解けるはずです。Bは1時間で $15 \mathrm{cm}^{3}$ 給水するので、$\displaystyle \frac{2}{3}$ 時間であれば

$$15\times \frac{2}{3}=10$$

だけ給水します。残りは $20 \mathrm{cm}^{3}$ なので、$30t=20$ から $\displaystyle t=\frac{2}{3}$ が得られます。

(2)も設定通り考えていきましょう。まず、最初にAとBを使って水を入れるので、1時間あたりの給水量は $30+15=45(\mathrm{cm}^3)$ となります。次に、BとCを使って給水するので、このときの1時間あたりの給水量は $15+10=25(\mathrm{cm}^3)$ となります。

AとBで給水する時間を $x$ 時間とすると、BとCを使って給水する時間は $1-x$ 時間となります。よって

$$45x+25(1-x)=30$$

これを解いて、$\displaystyle x=\frac{1}{4}$ となります。したがって、求める答えは15分となります。

塾長
$\displaystyle \frac{1}{4}$ 時間をわざわざ $\displaystyle \frac{1}{4}\times 60=15$ のように計算している人を見かけます。デジタル時計しか見たことない!みたいな人も増えているので仕方ないことかもしれませんが、便利になって頭の方が退化してしまうってのはどうなんだろうなと思うこともあります。

大問5

内容 作図

難易度 

最近の入試の作図問題は難化傾向にあります。総合模試の作図問題も、当然難しい問題が出題されるので準備をしっかりとやっておきたいところです。

といっても、作図の問題ではできることが限られているのも確かです。基本的にはコンパスを使って「等距離の点をとる」という操作が土台にあることを忘れないようにしておきましょう。

今回の条件は以下の2つでした。

  1. 直線 $\mathrm{BP}$ と辺 $\mathrm{AC}$ は垂直である。
  2. 点 $\mathrm{P}$ は、辺 $\mathrm{AC}$ からの距離と辺 $\mathrm{BC}$ からの距離が等しい

①の条件は簡単ですね。$\mathrm{B}$ から辺 $\mathrm{AC}$ に垂線を引けばOKです。そして、②の条件が適切に言い換えられたかどうかがポイントです。辺 $\mathrm{AC}$ と辺 $\mathrm{BC}からの距離が等しい点というのを、$\angle\mathrm{ACB}$ の二等分線上の点と言い換えることができた人はOKです。

あとはこれら2つの直線の交点を求めればそれが $\mathrm{P}$ となります。

塾長
作図の問題と言っても基本は図形の問題です。垂直二等分線とか角の二等分線とか、あるいは垂線といったものが「どういう点の集合か」をしっかりと考えましょう。

大問6(復習おすすめNo.3)

内容 平面図形

難易度 標準

大問6は平面図形の問題でした。(1)と(2)は易しい問題でしたが、(3)は手こずった人も多かったかもしれません。少し条件の与え方がイヤらしい感じでした笑

(1)はよくある角度の問題です。$\mathrm{ABCD}$ が正方形であるため、平行をうまく活用していきましょう。$\angle\mathrm{BAE}=37^{\circ}$、$\angle\mathrm{CFE}=10^{\circ}$ が与えられており、そこから $\angle\mathrm{AEF}$ を求めていきます。

ここは、下図のように $\mathrm{E}$ から $\mathrm{AB}$、$\mathrm{CD}$ に平行な直線を引くことで錯角をうまく利用できます。

図からも明らかですが、$\angle\mathrm{AEF}$=37+10=47^\circ$ が分かります。

(2)は簡単な合同の証明です。

与えられる条件は $\mathrm{ABCD}$ が正方形であることと $\mathrm{BE=DF}$ です。$\mathrm{ABCD}$ が正方形であることから、$\mathrm{AB=AD}$ であり、さらに $\angle\mathrm{ABE}=\angle\mathrm{ADF}$ も言えます。

これで、2辺とその間の角が等しいことが言えたので、$\triangle\mathrm{ABE}\equiv \triangle\mathrm{ADF}$ が証明できました。

さて、問題の(3)を見てみましょう。

与えられる条件としては、$\angle\mathrm{DAE}$ の二等分線と辺 $\mathrm{CD}$ の交点を $\mathrm{G}$ とするということ、そして $\mathrm{AB=8cm}$、$\mathrm{AB=6cm}$、$\mathrm{EA=10cm}$ という長さです。もちろん、(2)の設定も引き継ぐため、$\triangle\mathrm{ABE}\equiv \triangle\mathrm{ADF}$ も気をつけたい部分です。

塾長
これらの条件を読むと、どうしても長さの情報が目立つため、そちらに引きずられてしまった人も多かったのではないかと思います。

求めるものは四角形 $\mathrm{AECG}$ の面積ですが、こんな中途半端な図形を直接求めるのは難しそうなので、分割して考えてみます。

$\triangle\mathrm{AEC}$ と $\triangle\mathrm{AGC}$ の2つに割るのではないかと当たりをつけられると最高です。そして、$\mathrm{CG}$ あるいは $\mathrm{DG}$ あたりが求まると解けそうです。この辺りに問題を解く鍵がありそうです。

この思考の延長上に $\triangle\mathrm{FAG}$ が二等辺三角形っぽいという予想が立てられるようになると、平面図形に関しては言うことなしという感じになります。

なお、この問題で大切なのは、長さではなく角度の情報になります。$\angle\mathrm{DAE}$ の二等分と、(2)で証明した $\triangle\mathrm{ABE}\equiv \triangle\mathrm{ADF}$ から得られる $\angle\mathrm{BAE}=\angle\mathrm{DAF}$ を利用していきましょう。

このとき、$\angle\mathrm{FAG}$ は黒丸1つと白丸1つの大きさとなります。一方、$\mathrm{AB}//\mathrm{CD}$ から、錯角は等しくなるので、$\angle\mathrm{BAG}=\angle\mathrm{FGA}$ が言えます。$\angle\mathrm{FGA}$ も黒丸1つと白丸1つの大きさとなるので、結局

$$\angle\mathrm{FAG}=\angle\mathrm{FGA}$ となり、$\triangle\mathrm{FAG}$ が二等辺三角形であることが示ました。

あとは、$\mathrm{FA=FG=10cm}$ であること、$\mathrm{FD=6cm}$ であることから、$\mathrm{DG=4cm}$ であり、さらに $\mathrm{CG=4cm}$ であることも分かります。

\begin{align*}
\triangle\mathrm{AEC}&=\frac{1}{2}\mathrm{EC}\times 8\\
&=\frac{1}{2}\times 2\times 8\\
&=8\\
\triangle\mathrm{AGC}&=\frac{1}{2}\mathrm{CG}\times 8\\
&=\frac{1}{2}\times 4\times 8\\
&=16
\end{align*}

したがって、求める四角形 $\mathrm{AECG}$ の面積は $16+8=24\mathrm{cm}^2$ となります。

 

大問7(復習おすすめNo.2)

内容 空間図形

難易度 やや難

最後の大問は空間図形でした。空間は見た目が難しく見えるので敬遠する人もいるのですが、やってみると思ったほどではないという問題も多いので、積極的に挑戦してみてほしい問題です。

塾長
受験戦略として「図形の(3)は捨てろ」などという指導をする人もいますが、何を言ってんだ?と思います。初等幾何の問題は数学でも非常に重要な内容なので、本番で解く解かないは別としても、しっかりと取り組んでおくべき内容です。

今回の空間図形は正四角錐の問題でした。底面が正方形であることを活用していきましょう。とくに正方形の場合は対称性を強く意識して眺めてみるといいでしょう。

(1)のねじれの位置の問題はいいでしょう。BCとCDと即答できるレベルにはなっておきたいですね。

(2)から急に難しくなりますが、底面が正方形であることと、$\angle\mathrm{AOC}=90^\circ$ がポイントです。

線分 $\mathrm{AC}$ の中点を $\mathrm{M}$ とし、$\angle\mathrm{AOC}=90^\circ$ のときの $\mathrm{OM}$ の長さを求める問題です。空間のまま考えていくと余計なものが目に入ってしまうので、思い切って平面を切り出してみましょう。

正四角錐という条件から $\mathrm{OA=OC}$ であり、$\angle\mathrm{AOC}=90^\circ$ であることから、$\triangle\mathrm{AOC}$ は $\angle\mathrm{OAC}=\angle\mathrm{OCA}=45^\circ$ の直角二等辺三角形となります。

また、$\triangle\mathrm{OAM}$ と $\triangle\mathrm{OCM}$ は $\mathrm{OA=OC}$ かつ $\mathrm{AM=CM}$ かつ $\mathrm{OM=OM}$ より合同となります。したがって、$\angle\mathrm{AMO}=\angle\mathrm{CMO}=90^\circ$ となります。

このとき、$\triangle\mathrm{OAM}$ は、$\angle\mathrm{OAM}=45^\circ$、$\angle\mathrm{AMO}=90^\circ$ から、直角二等辺三角形となることが分かります($\angle\mathrm{AOM}=45^\circ$ となるので)。もちろん、$\triangle\mathrm{OCM}$ で考えても同じです。

したがって、$\mathrm{AM=OM=3cm}$ となります。

(3)は計算がかなり面倒になる問題なので、対称性を利用しつつ計算が軽くなるように考えていきましょう。

こんな図です。条件としては、$\mathrm{PQ}//\mathrm{AB}$、$\displaystyle \mathrm{PQ=\frac{1}{3}AB}$ および、底面 $\mathrm{ABCD}$ と点 $\mathrm{P}$ との距離が $\mathrm{2cm}$ であることが与えられています。

このとき、$\mathrm{PQ-ABCD}$ の体積を求めるのですが、底面を $\mathrm{ABCD}$ とすれば、条件の2cmが高さとして使えることをすぐに把握したいですね。

このままの図で考えると面倒なので、真上から見た図を描き出してみると状況が把握しやすいでしょう。

図のように、いろいろと書き加えます。$\mathrm{AD}$ と平行で $\mathrm{P}$ を通る $\mathrm{EF}$ と $\mathrm{Q}$ を通る $\mathrm{GH}$ を引きます。また、$\mathrm{PQ}$ を延長して $\mathrm{I}$ と $\mathrm{J}$ をとります。

このとき、$\displaystyle \mathrm{PQ=\frac{1}{3}AB}$ と対称性から、$\mathrm{IP=PQ=QJ}$ となります。これが重要です。

そして底面を $\mathrm{AEFD}$、$\mathrm{EGHF}$、$\mathrm{GBCH}$ の3つの等しい長方形に分割します。すると $\mathrm{P-AEFD}$ と $\mathrm{Q-GBCH}$ という合同な四角錐と、$\mathrm{PEF-QGH}$ という三角柱に分けられます。

問題になるのは、底面の正方形の一辺の長さです。これについては、対角線が $\mathrm{6cm}$ と分かっているので、先に正方形の面積を求めます。

$$\frac{1}{2}\times 6\times 6=18$$

(ひし形の面積を求める要領で計算してください)

したがって、$\mathrm{AEFD}$、$\mathrm{EGHF}$、$\mathrm{GBCH}$ はすべて $\mathrm{6cm}^2$ となります。

よって、$\mathrm{P-AEFD}$ と $\mathrm{Q-GBCH}$ の体積はそれぞれ

$$\frac{1}{3}\times 6\times 2=4$$

となるので、合わせて $\mathrm{8cm}^2$ です。

また、三角柱 $\mathrm{PEF-QGH}$ の体積は

$$\frac{1}{2}\times 6\times 2=6$$

となるので、結局、求める立体の体積は

$$8+6=14\mathrm{cm}^2$$

となります。

なお、三角柱 $\mathrm{PEF-QGH}$ の体積を求める部分は直方体の体積を半分にするイメージです。下図を見て考えてください。

塾長
この時期はまだ使える知識が少ないので計算が面倒になりますが、じっくりと復習に取り組んでみてください。面倒な計算をした経験が、きっと先々で生きると思います!

まとめ

このような模試を受験するのは今回が初めてという人も多かったと思います。「学校のテストとは全然違うぞ」という危機感を持った人もいたのではないでしょうか。また、普段と違う雰囲気の中で受験するため、予想外のミスをやらかしてしまったという人もいたことでしょう。入試本番までまだまだ先は長いので、模試の反省をしっかりやって、今後の勉強に生かしていきましょう。

数学の場合は「時間が足りない」ということがよく起こります。そのため、解くスピードを上げることが1つのポイントになります。ところが、スピードを求めるあまり雑な勉強に突っ走ってしまう人が増えてしまうのが問題です。問題の解き方を覚えてそれに従って答えを出すという方法は、手っ取り早く点数を取るためには効果的かもしれません。あるいは、難しい問題は捨てて、確実に得点を拾える問題だけを練習するというのも受験対策としては有効かもしれません。しかし、この時期にやるべきことは「対策」ではなく、正しく数学を勉強するということだと思います。目先の点数や偏差値のために雑にならないように気をつけてやっていきましょう!

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