2022第5回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
第1回金沢市統一テストが終わってすぐですが、第4回石川県総合模試が実施されました。統一テストに比べると、かなり難しいテストだったと思いますが、みなさんはどんな感じだったでしょうか?

模試を受験したみなさん、お疲れ様でした。11月になり、志望校に対してもだんだんとリアルな自分の位置が見えてくる頃です。結果が気になる人も多いかもしれませんが、まずは自分の答案をしっかりと見直してみることが大切です。

今回は、金沢市統一テストが非常に簡単だったので、落差が大きく感じた人もいたかもしれません。統一テストが基本的な内容の理解を問われた一方で、総合模試は難しい問題に対してどの程度アプローチできるかを問われるテストだったと言えるでしょう。単純に解けた、解けなかったというだけでなく、どの程度まで考えることができたかについても確認をしておくことが大切です。

概観

今回も、いつも通りの大問数7(小問数22)で石川県総合模試の標準的なセットでした。

毎回言っていますが、試験時間50分ですべて解き切るのはかなり難しいテストになっています。とくに近年は平均点が40点台になることが多いため、そのことを前提に取り組むといいでしょう。数学に自信のある人は満点を狙っていってもいいですが、そうでない人はできる問題で確実に得点を取ることがポイントとなります。数学が本当に苦手だという人は、まず大問1できちんと得点できるようにすることを最優先にしましょう。

構成としては、大問1が基本的な問題を中心とした小問集合、大問2以降は高い思考力が要求される問題が多数です。公立高校入試をベースに問題が作られていますので、計算過程や考え方を記述させる問題が多く含まれます。単純に答えを求めるだけの勉強や、学校のワークを周回するような勉強をしていると、得点が伸びにくい傾向にあります。普段から手を動かしながら試行錯誤する経験をしておきましょう。

出題内容は毎回ほぼ固定されています。前半が関数・方程式を中心とした代数、後半が作図・平面図形・空間図形という幾何の出題です。問題レベルについては、簡単な問題は少ないですが、いわゆる難問や奇問と呼ばれる問題はなく、入試標準レベルの問題が中心となります。復習をしっかりとやれば実力アップにつながる問題が多いので、受験後1週間以内には復習を終わらせるようにしましょう。点数と志望校の判定だけを見て終わるのであれば、模試を受験する意味はありませんよ。

全体的な難易度 やや難

ここからは問題の具体的な解説となります。

塾長
問題用紙を準備してご覧ください。

大問1

内容 小問集合

難易度 

大問1は満点を目指していきましょう。志望校のレベルに関わらず、大問1をきちんと得点できなければ数学の点数は悲惨なことになります。まずは、ここで得点できるように、基本的な計算の規則、知識事項の整理をやっておくことが大切です。

(1)の計算では、エでの符号のミスや、オの根号を含む計算問題での間違いが目立ちます。とくに根号の計算規則が曖昧になっている人はきちんと復習をやっておきましょう。

また、根号を含む計算問題では、わざわざ面倒な計算をやってミスをしている人が多いので、計算規則を利用してできるだけ簡単な計算になる方法を考えてみましょう。今回のオは

\begin{align*}
\sqrt{32}-\sqrt{50}=4\sqrt{2}-5\sqrt{2}=-\sqrt{2}
\end{align*}

と計算してもいいですし、くくり出しをやって

\begin{align*}
\sqrt{32}-\sqrt{50}=\sqrt{2}(\sqrt{16}-\sqrt{25})=-\sqrt{2}
\end{align*}

としてもいいでしょう。計算方法は1つとは限らないので、自分のミスが減るような方法を考えてみてください。

(2)は $x^2+9x+20=-3x$ を解けという問題ですが、整理をすれば $x^2+12x+20=0$ となり因数分解を利用して

$$(x+10)(x+2)=0$$

と変形できます。よって、$x=-2$ または $x=-10$ となります。

(3)は速さと不等式に関する問題でした。等式の場合は難なくできるのに、不等式になると急に不安になる人が多いので、不等式や不等号の扱いには十分なれておきたいですね。

「$a$ mの道のりを毎分 $50$ mの速さで歩いたところ、かかった時間は30分以内であった」ということなので、$\displaystyle \frac{a}{50}\leqq 30$ とサクッと式を作れるようになっておきましょう。なお、速さの問題で

のような図をかいて考えている人は、速さに関しては何も理解できていない可能性が高いので要注意です。

(4)は投影図の問題でした。あまり見かけない問題ですが、特別難しい問題ではありません。大事なことは投影図から立体を描き起こせるかどうかです。

このような図がイメージできればOKです。表面積は、$\mathrm{4cm^2}$ の正方形2枚と、$\mathrm{10cm^2}$ の長方形4枚の和となるので、$\mathrm{48cm^2}$ となります。

(5)は資料の問題です。これはサービス問題です。まず、与えられているデータの最大値は58、最小値は35であることを確認します。分布の範囲が24cmなので、$58-24=34$ または、$355+24=59$ のいずれかが考えられます。あとは実際に並べてみて、中央値が44.5になる方をとればOKです。

並べてみると、34の方が中央値が44.5となることが分かります。したがって、アに入るのは34です。

塾長
今回の大問1は簡単なものが多かったので、上位校を狙っている人は確実に満点を取っておきたいところです。ここで得点を落としてしまったという人は猛省してください。

大問2

内容 確率

難易度 

今回の大問2は確率の問題でした。2つの袋からカードを取り出す問題です。袋Aには $0$、$-1$、$-2$ の3枚、袋Bには $1$、$2$、$3$、$4$ の4枚のカードが入っていて、それぞれ1枚ずつカードを取り出すタイプです。袋Aから取り出した数字を $a$、袋Bから取り出した数字を $b$ とします。

(1)では、まず、$a$、$b$ の組をすべて求めましょう。ここでは表を用いて表してみます。縦に $a$、横に $b$ をとると、下の表のように12通りが考えられます。

そして、$a+b$ の値が正となるものを実際に数えてみると9通りになります。したがって、求める確率は

$$\frac{9}{12}=\frac{3}{4}$$

となります。

(2)も同様に考えてみましょう。

$b-a$$ab$$\displaystyle\frac{a}{b}$

$b-a$ が素数となるのは、7通りです。$ab$ が負の数となるのは8通りです。$\displaystyle\frac{a}{b}$ が整数となるのは7通りです。

したがって、イの $ab$ が負の数になる確率が $\displaystyle\frac{8}{12}=\frac{2}{3}$ でもっとも大きくなります。

塾長
確率の問題では具体的に書き出して考察するのが基本です。いきなり計算に頼って解こうとしないように気をつけましょう。

大問3(復習おすすめNo.3)

内容 関数

難易度 標準

大問3は2次関数の問題でした。単純な関数の問題ではなく、図形のとの融合問題で入試でも頻出の問題でした。このような典型的な問題は、しっかりと解き切っておきたい問題ですね。

というわけで、2つの放物線がつくる長方形の問題です。$\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ と $y=-x^2$ が与えられており、それぞれの上に点A、B、C、Dを図のようにとって長方形を作ってあります。この際、放物線の対称性くらいは意識を持っておきましょう。

(1)は $y$ の変域(値域)の問題です。これも定番中の定番ですね。グラフをイメージして解きましょう。

このように見れば、$-9\leqq y\leqq 0$ となることが分かります。

(2)は、点Aの $y$ 座標が2であるときの長方形ABCDの面積を求める問題です。

真面目に解くのであれば、Aの座標から考えます。 $y$ 座標が2となるので、$\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ に代入して、$\displaystyle 2=\frac{1}{2}x^2$、これを解くと、$x=\pm 2$ です。よって、A$(2,\ 2)$、B$(-2,\ 2)$ です。また、このときの $x$ 座標を $y=-x^2$ に代入すると、$y=-4$ となるので、C$(-2,\ -4)$、D$(2,\ -4)$ となります。長さは絶対値を考えるので、結局、ABが4、ADが6となります。よって、求める長方形の面積は

$$4\times 6=24$$

となります。

しかし、こんな計算をいちいちやっていると時間がかかります。また、計算量が増えるので計算ミスの可能性も増えます。せっかく $\displaystyle y=\frac{1}{2}x^2$ と $y=-x^2$ が与えられていて、Aの $y$ 座標が2と分かっているので、CやDの $y$ 座標は何も計算しなくても $-4$ と求めて欲しいところです。

塾長
私は、何も計算せずに $4\times 6=24$ と計算しました。こうした計算ができなければ、関数のグラフを理解したとは到底言えません。$x^2$ の前にある数字は何を表しているんでしょう?

(3)は直線ACの傾きが3であるときのAの座標を求めよという問題です。

座標がわからない場合は文字でおくのが基本です。Aの $x$ 座標を $t$ としてみると、上の図のようにCDの長さは $2t$ となります(Cの $x$ 座標は対称性から $-2$ となります)。Aの $y$ 座標は $\displaystyle\frac{1}{2}t^2$ であり、Dの $y$ 座標は放物線の比から、$-t^2$ とすぐに求められます。よって、ADの長さは $\displaystyle\frac{3}{2}t^2$ となります。そして、傾きが3であることから

$$\frac{\frac{3}{2}t^2}{2t}=3$$

が成り立ちます。つまり

$$\frac{3}{2}t^2=6t$$

です。$t\neq 0$ なので両辺を $t$ で割って整理すると

$$t=4$$

となります。よって、求めるAの座標は $(4,\ 8)$ となります。

塾長
分からないものが出てきたら積極的に文字を使っていきましょう。文字を自在に使いこなす能力も大切です。

大問4

内容 方程式

難易度 標準

方程式の問題は全国的に長文化の傾向があるのですが、今回の総合模試の問題も問題文が長く読むのが嫌になる問題でした(笑)

というわけで、問題文は以下のようなものでした。

ある博物館では、特別展が開かれている。初日には、開館時刻に202人の行列ができていた。1つの入口から入館を始め、開館から10分後に入口をもう1つ増やしたところ、その2分後に、開館後に訪れた人も含めて行列がなくなった。2日目には、開館時刻に324人の行列ができていたので、2つの入口を使って入館を始めたところ、開館から9分後に、開館後に訪れた人も含めて行列がなくなった。
このとき、1つの入口から1分間に入館した人数と、開館後に1分間に訪れた人数はそれぞれ何人であったか、方程式をつくって求めなさい。なお、途中の計算も書くこと。ただし、両日とも開館後に訪れた人数と、1つの入口から入館した人数は、それぞれ毎分一定であるものとする。
塾長
もう少しシンプルなネタでもいいと思うのですが、どうも数学以外の部分で差がついているような気がして仕方ありません。そもそも、運営がグダグダやし、開館後に訪れた人数が毎分一定とか、サクラかな?なんて余計なことを考えてしまい、肝心の問題が全然入ってこないんですよね。

気を取り直して、ちゃんと考えていきましょう。1つの入口から1分間に $x$ 人入館するとし、開館後に1分間に訪れた人数を $y$ 人とします。

まず初日について考えましょう。行列がなくなるまでにトータルで12分かかっています。最初に202人並んでいて、その後の12分で $12y$ 人訪れたことになります。そして、最初の10分は毎分 $x$ 人を捌き、残りの2分は毎分 $2x$ 人を捌いたことになります。つまり

$$10x+2\times 2x=202+12y$$

となります。次に2日目を考えましょう。行列がなくなるまでに9分かかっています。最初に324人並んでいて、その後の9分で $ 9y$ 人訪れたことになります。そして、2日目は9分間ずっと2つの入口を使っているので、毎分 $2x$ 人を捌いたことになります。つまり

$$9\times 2x=324+9y$$

です。この2式を連立して解けば、$x=23$、$y=10$ となります。

このように、長ったらしい問題文を整理するのが面倒なだけで、方程式の問題としてはそこまで難しくありません。むしろ易しい方です。

塾長
問題文の長さから敬遠してしまった人は、もったいないことをしたかもしれません。

大問5

内容 作図

難易度 やや難

大問5は作図の問題でしたが、作図の問題としてはあまり見慣れない面積比が条件として入ってきていたので、少し難しく感じた人もいたかもしれません。

1.点Pは、辺AB上にある。
2.$\triangle\mathrm{APM}$ の面積は、$\triangle\mathrm{ABC}$ の面積の $\displaystyle \frac{3}{8}$である。

また、MがBCの中天であることも与えられているので、上の図のようにAMを結ぶと、$\triangle\mathrm{ABM}$ は $\triangle\mathrm{ABC}$ の面積の $\displaystyle \frac{1}{2}$ となることを確認しておきましょう。

そして、2つめの条件、$\triangle\mathrm{APM}$ の面積は、$\triangle\mathrm{ABC}$ の面積の $\displaystyle \frac{3}{8}$である、というのは、上のことを考えると、$\triangle\mathrm{APM}$ の面積は、$\triangle\mathrm{ABM}$ の面積の $\displaystyle \frac{3}{4}$であると言い換えることが可能です。今回のポイントはこの言い換えができたかどうかの1点に尽きます。

あとはAB上に、APがABの長さの $\displaystyle \frac{3}{4}$ となるような点を取ればいいことになります。これは下図のように、ABの垂直二等分線を作図し、それとABの交点をNとします。さらに、NBの垂直二等分線を作図し、それとABの交点を求めればOKです。

作図の知識というよりも面積の知識が重視される問題でした。

塾長
作図の問題といってもベースは図形なので、図形についての知識はきちんと整理しておくべきです。

大問6(復習おすすめNo.2)

内容 平面図形

難易度 標準

今回の平面図形は正方形をベースに、三角形の合同を考えていく問題でした。とくにクセもなく標準的な内容だったので、上位校を目指す人は完答しておきたい問題だったと思います。

(1)は角度の問題でしたが、与えられた条件から $\triangle\mathrm{PDC}\equiv \triangle\mathrm{QBC}$ であることを見抜けたかどうかがポイントになります。図のように2辺とその間の角がそれぞれ等しくなることから、合同であることが言えます。

したがって、$\angle\mathrm{PCD}=\angle\mathrm{QCB}=30^\circ$ となります。あとは、三角形の外角を考えることで

\begin{align*}
\angle\mathrm{APC}&=\mathrm{PCD}+\angle\mathrm{PDC}\\
&=30^\circ+90^\circ\\
&=120^\circ
\end{align*}

となります。

(2)は $\triangle\mathrm{AQP}\equiv \triangle\mathrm{BRQ}$ の証明です。直角三角形の合同の証明であることを最初に意識しておきましょう。

まず、仮定から、$\mathrm{PQ=QR}$ です。さらに、$\angle\mathrm{PAQ}=\angle\mathrm{QBR}=90^\circ$ です。

四角形 $\mathrm{ABCD}$ は正方形なので、$\mathrm{AD=AB}$ であり、さらに $\mathrm{DP=AQ}$ が与えれているので、$\mathrm{AP=BQ}$ となります。

したがって、2つの直角三角形において、斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいことがいえるので

$$\triangle\mathrm{AQP}\equiv \triangle\mathrm{BRQ}$$

となります。

(3)は面積の問題です。(2)の条件に、$\mathrm{CS=DP}$ が加わります。あとは、$\mathrm{AP=7cm}$ と $\mathrm{PS=5cm}$ です。

(2)の結果から、$\triangle\mathrm{AQP}\equiv \triangle\mathrm{BRQ}$ なので、$\mathrm{AQ=BR}$ も加わるため、結局

$$\mathrm{AQ=BR=CS=DP}$$

です。四角形 $\mathrm{ABCD}$ は正方形なので、同時に

$$\mathrm{AP=BQ=CR=DS}$$

となります。結局(2)と同様にして

$$\triangle\mathrm{AQP}\equiv \triangle\mathrm{BRQ}\equiv \triangle\mathrm{CSR}\equiv \triangle\mathrm{DPS}$$

となります。また、$\triangle\mathrm{AQP}$ は直角三角形であるため、$\angle\mathrm{AQP}+\angle\mathrm{APQ}=90^\circ$ です。$\triangle\mathrm{AQP}\equiv \triangle\mathrm{DPS}$ に注意すると、結局

$$\angle\mathrm{DPS}+\angle\mathrm{APQ}=90^\circ$$

となります。ということは、$\angle\mathrm{QPS}=90^\circ$ となります。同様に考えていくと、四角形 $\mathrm{PQRS}$ も正方形となることが分かります。

$\triangle\mathrm{AQP}$ の面積は大きい正方形から小さい方の正方形を引いた面積の $\displaystyle\frac{1}{4}$ なので

$$\frac{7^2-5^2}{4}=6$$

となります。

塾長
答えを出すだけならサクッと求められるのですが、四角形 $\mathrm{PQRS}$ も正方形となることをしっかりと述べる必要があるので、そこが面倒だったかなと思います。

大問7(復習おすすめNo.1)

内容 空間図形

難易度 やや難

大問7は空間図形の問題でした。(3)はかなり面倒な問題でしたが、それ以外は比較的簡単だったので、空間図形というだけで手をつけなかった人は少しもったいなかったかもしれません。

$\mathrm{AD=AE=6}$、$\mathrm{CD=10}$、$\mathrm{BC=3}$、$\angle\mathrm{ADC}=\angle\mathrm{ADH}=\angle\mathrm{BCD}=\angle\mathrm{CDH}=90^\circ$ の四角柱ABCD-EFGHについての問題です。(単位は省略します)

(1)は基本的な問題ですが、いつもは辺を指摘するだけですが、今回は計算もついてきます。ABとねじれの位置にある辺は $\mathrm{EH=6}$、$\mathrm{FG=3}$、$\mathrm{DH=6}$、$\mathrm{CG=6}$、\mathrm{GH=10}なので、合計で $31$ となります。

(2)は、切断した立体の体積を求める問題でした。

こんな感じで、面 $\mathrm{AFGD}$ で切断した時の $\mathrm{H}$ を含む方の立体の体積です。これについては、模範解答のように2つの錐に分割して考える方法があります。四角錐F-ADHEと三角錐F-DGHに分割します。

これについては模範解答を参照してください。今回は、Fを通ってCGHDに並行な面で切断して考えます。断面は下図のFPQのようになります。

このように切断すると三角柱FPQ-GDHと四角錐F-APQEの体積から考えられます。三角柱FPQ-GDHは、底面の三角形GDHが

$$\frac{1}{2}\times 10\times 6=30$$

であり、高さが $3$ となるので、体積は $90$ となります。

また、四角錐F-APQEは、底面の四角形APQEが $18$ で高さが10となるので

$$\frac{1}{3}\times 18\times 10=60$$

となり、結局 $90+60=150$ となることが分かります。

塾長
2つの錐体に切断すると、少し見えにくいので私はこの方法を採用しました。どちらが良いというわけではありませんが、別解に触れておくことは大切です。

(3)は線分比を求める問題ですが、これはかなり面倒でした。$\mathrm{KL:KJ}$ を考えていくのですが、いろいろなものを経由していくので、答えまでの道筋を見つけるのが大変だったかもしれません。入試問題に慣れている人であれば「ああ、あれか」となるかもしれませんが。

与えられているのは、$\mathrm{I}$ が $\mathrm{AE}$ の中点であること、$\mathrm{DJ=8}$、四面体 $\mathrm{AIKL}$ の体積が $15$ であることです。なかなか条件から考えていくのは大変そうなので、結論の $\mathrm{KL:KJ}$ の方からアタリをつけることを考えてみましょう。

$\mathrm{J}$ と $\mathrm{A}$ を結ぶことで、高さの等しい $\triangle\mathrm{KLA}$ と $\triangle\mathrm{KJA}$ を考えることができるので、この辺りを狙っていきましょう。

このとき、四面体 $\mathrm{AIKL}$ の体積が $15$ であることから、$\triangle\mathrm{KLA}$ の面積が求められそうです。

$\mathrm{AI=3}$ なので、

$$\frac{1}{3}\times \triangle\mathrm{KLA}\times 3=15$$

よって、$\triangle\mathrm{KLA}=15$ となります。

塾長
このように体積から面積や高さに戻っていく計算は入試でも頻出です!

一方、$\triangle\mathrm{KJA}$ についてはどうでしょうか? もう一度図をよくみてみましょう。

$\triangle\mathrm{KJD}$ から、$\triangle\mathrm{AJD}$ を引けば求められそうです。しかし、$\mathrm{KA}$ の長さがよく分かりません。これについては

このような図を書き出してみると分かりますが、$\triangle\mathrm{KAI}\equiv\triangle\mathrm{HEI}$ となることから、$\mathrm{KA=6}$ が分かります。したがって

\begin{align*}
\triangle\mathrm{KJA}&=\triangle\mathrm{KJD}-\triangle\mathrm{AJD}\\
&=\frac{1}{2}\times 12\times 8-\frac{1}{2}\times 6\times 8\\
&=24
\end{align*}

となります。再度図に戻ってみましょう。

$\triangle\mathrm{KLA}$ と $\triangle\mathrm{KJA}$ は、底辺を $\mathrm{KL}$、$\mathrm{KJ}$ とみれば高さの等しい三角形となるため、面積の比がそのまま底辺の比となります。したがって

$$\mathrm{KL:KJ}=15:24$$

よって、$\mathrm{KL}=\frac{5}{8}$ となります。

塾長
最後の問題はかなり面倒ですが、ある程度問題慣れしている人であれば、するすると解けてしまう問題でもあります。が、そのレベルまで到達するのはなかなか難しいので、現実的にはここは後回しにしておくほうがいいでしょう。試験が終わってから、たっぷりと時間を使って考えてみるべき問題ですね。

まとめ

統一テストが実施された直後ということもあり、どんな問題が出るか楽しみにしていましたが、そこまで面白い問題はありませんでした。

統一テストに比べれば、難しい問題が多かったと思いますが、内容的には入試頻出のよくある問題でした。深いところを問うような問題がもう少しあってもいいかなと思いますが、近年の数学の点数の低さを考えると、このくらいの問題でも「難しい」レベルになるのかな?という感じです。

いずれにしても、得点だけであれこれ語っても意味がありません。どの程度まで自分ができていたのかをチェックして、今後の勉強に役立ててくださいね!

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