2022第6回石川県総合模試の数学を解いてみた

塾長
先日、第6回石川県総合模試が実施されました。11月から模試や統一テストが連続しており、入試への意識も高まってきているのではないでしょうか?

模試を受験したみなさん、お疲れ様でした。今回は解いてみたは見送ろうかと思いましたが、大変な問題が多かったようなので解説記事を作ることにしました。模試の問題も本番を意識した問題が増えてくるので、1つ1つ丁寧に解く練習をして、実力アップを目指しましょう。スピードばかりを気にしていい加減な考え方にならないように十分気をつけてくださいね!

概観

今回もとくに変わりなく大問数7(小問数22)で石川県総合模試の標準的なセットでした。

内容的には、今回も例に漏れず「50分で解くのはまず無理だろう」という問題構成でした。そのため、時間内に解けるところをしっかりと解くというのが大切です。面倒だなと思ったら、さっさと見切りをつけてしまうことも必要でしょう。

後半の図形の問題は「総合模試も本気を出してきたな」という感じで大きく差がつきそうな問題が連続していました。図形の問題はほとんど出来なかったという人も多かったのではないかと想像します。時間的にゆっくり考えている余裕はないので、結局は前半でどのくらい得点できたかが鍵となったのではないかと思います。

出題分野は前半が関数・方程式を中心とした代数、後半が作図・平面図形・空間図形という幾何の出題です。今回は大問2が統計の問題だったので少し面食らった人もいるかもしれません。普段、あまり勉強しない範囲なので、手をつけていなかった人は落としてしまったかもしれませんね。

なお、全体的な問題レベルについてですが、今回は比較的難度の高い問題が多かったように思います。ただし、受験生のみなさんも学力が伸びてきているはずなので、高得点者もそれなりに増えるのではないかと期待しています。

全体的な難易度 やや難

ここからは問題の具体的な解説となります。

塾長
問題用紙を準備してご覧ください。

大問1

内容 小問集合

難易度 

大問1は満点を目指していきましょう。ミスがあった人は、きちんと対策をしておくことが大切です。計算ミスがあった人は、その原因をよく探ってみることが大切です。「計算ミスした!」で終わらせないようにしてください。とくに、暗算力の低い人ほど計算ミスをする傾向があるので、冬休みの間に暗算力を高める練習をしてもいいでしょう。知識項目の抜けがあった人は、早急に教科書を見直しておきましょう。

(1)の計算問題は、毎年、エでの符号のミスが目立ちます。また、根号の計算も正答率が低めなので、計算規則が曖昧になっている人はきちんと復習をやっておきましょう。

理想を言うと、今回のオの計算くらいであれば

\begin{align*}
\sqrt{45}-\sqrt{30}\div\sqrt{6}=2\sqrt{5}
\end{align*}

と途中式なしで一発で計算したいですね。頭の中で $\sqrt{9\times 5}-\sqrt{6\times 5}\div\sqrt{6}$ くらいのことを考えられるようになるといいでしょう。

(2)は2次方程式 $2x^2-x-2=0$ を解けという問題ですが、解の公式を用いるだけの問題です。解の公式が曖昧になっている人は、ちゃんと導出からやっておくといいでしょう。間違っても「にえーぶんの・・・」みたいな暗唱だけで覚えようとしないでくださいね。

塾長
この問題、$2x^2-x-1=0$ だったら最高でした。これを解の公式を使わないで解けって問題にしたいです。

(3)は角度の問題です。平行な直線があるので、同位角や錯角を考えていきましょう。

上の図で $\angle\mathrm{GFH}=\angle\mathrm{GEB}=68^\circ$ となります。三角形の外角 $95^\circ$ に注意すると

$$x=95^\circ-68^\circ=27^\circ$$

がすぐに求まりますね!

(4)は不等式の問題でした。不等式の問題は意外と正答率が低くなるので要注意です。

$$8<\sqrt{3n}<9$$

を満たすような自然数 $n$ の個数を考える問題です。$\sqrt{64}<\sqrt{3n}<\sqrt{81}$ 根号で統一したら

$$64<3n<81$$

を満たす自然数 $n$ を考えればOKです。小さい方が $n=22$ で、大きい方が $n=26$ となります。よって、22から26までの5個が求める答えとなります。

(5)は確率の問題でした。大きいサイコロの出た目を $a$、小さいサイコロの出た目を $b$ として、$a$ が $b$ の2倍以上となる確率を求める問題です。下図のように、縦に $b$、横に $a$ をとると、すぐにわかるでしょう。

条件を満たすのは◯のついた箇所なので、求める確率は $\displaystyle\frac{9}{36}=\frac{1}{4}$ となります。

塾長
数学が苦手だという人は、とにかく大問1をしっかりと得点することを目指しましょう。ここで得点できないと、壊滅的な点数となってしまいます。時間をかけてもいいので、正確に考えられるように準備しておきましょう。

大問2

内容 統計

難易度 

今回の大問2は統計の問題でした。いわゆる「箱ひげ図」をもとにデータについて考える問題です。正直、統計の問題では知識のみで対応できるので易しい問題が多いのですが、何となく敬遠されている(軽視されている)せいか、思ったより正答率が高くなりません。そんなに難しい話ではないので、手をつけていない人は冬の間にサクッとやっておきましょう。

今回は40人の生徒に10点満点のテストを実施した結果の箱ひげ図を考察する問題です。与えられる情報は、2点の生徒が2人、5点の生徒は4人、3点と9点の生徒はそれぞれ3人だったということです。

箱ひげ図からは、最小値が2、最大値が9、第1四分位数が4.5、第2四分位数が6.5、第3四分位数が7.5とわかります。

(1)は四分位範囲を求める問題ですが、これは上の箱ひげ図の「箱」の長さに該当します。つまり第3四分位数から第1四分位数を引いて

$$7.5-4.5=3$$

とすぐに求められます。

(2)が平均値を求める問題ですが、解答欄に表があるので、これを活用していきましょう。

空欄になっている人数を埋めていけばOKです。

箱ひげ図から、最小値は2となっているので、0点、1点の人数は0となります。また、4点以下の生徒が10人となるので、4点の人数は5となります。次に、5点以上6点以下の生徒が10人となるので、6点の人数は6人となります。さらに、7点の生徒は10人です。また8点以上10点以下の生徒が10人で、最大値が9より10点は0人、したがって、8点は7人となります。

これで表が完成しました。あとは、平均を求めるだけです。面倒ですがしっかり計算しましょう笑

$$\frac{2\times 2+3\times 3+4\times 5+5\times 4+6\times 6+7\times 10+8\times 7+9\times 3}{40}=6.05$$

塾長
箱ひげ図の読み方が分からなかった人は、しっかりと復習をしておきましょう!

大問3(復習おすすめNo.4)

内容 関数

難易度 標準

大問3は入試でも頻出タイプの2次関数の問題でした。とくに(3)の面積問題はよく出るので、しっかりとマスターしておきましょう。

(1)は $y$ の変域(値域)の問題です。定番中の定番なので落とさないようにしましょう。

グラフを描けば一目瞭然です。$0\leqq y\leqq 4$ となることが分かります。

(2)は、点Pの $x$ 座標が6、$\mathrm{PA//BQ}$ のときの直線BQの式を求める問題です。平行条件があるので、傾きから考えていきましょう。

A、B、Pはすべて $\displaystyle y=\frac{1}{4}x^2$ 上の点なので、座標を求めると $(-4,\ 4)$、$(4,\ 4)$、$(6,\ 9)$ となります。

このとき、PAの傾きは、$\displaystyle\frac{5}{10}=\frac{1}{2}$ です。したがって、BQは傾きが $\displaystyle\frac{1}{2}$ で、点 $(4,\ 4)$ を通る直線となるため、

$$y=\frac{1}{2}x+2$$

となります。なお、このくらいの計算であれば暗算でクリアできるようになっておきたいところです。わざわざ \displaystyle y=\frac{1}{2}x+t$ なんておいていたら時間がもったいないですよ。

(3)は定番の面積問題です。

点Pの $x$ 座標を $p$($-4<p<4$)、Qの $y$ 座標が12、直線BQ上の点でPと $x$ 座標が等しい点をRとします。そして、四角形 $\mathrm{APBR}$ の面積が60となることが条件として与えられています。

大事なことは、PとRの $x$ 座標が等しいということです。このとき、PRは $y$ 軸と平行な直線となるので、これを利用して面積を考えていきましょう。具体的には、PRを底辺とする $\triangle\mathrm{ARP}$ と $\triangle\mathrm{BRP}$ から考えていきます。

Rの座標を求める前に、直線QBの式を求める必要があります。これは、B$(4,\ 4)$ と Q$(0,\ 12)$ を通る直線なので、$\displaystyle y=-\frac{8}{4}x+12$ すなわち $\displaystyle y=-2x+12$ となります。よって、R$(p,\ -2p+12)$ と表せます。

一方、P$\displaystyle\left(p,\ \frac{1}{4}p^2\right)$ となるので、RPの長さは $\displaystyle -2p+12-\frac{1}{4}p^2$ となります。

ここで上のような図を考えます。$\triangle\mathrm{ARP}$ と $\triangle\mathrm{BRP}$ の面積は、それぞれ長方形 $\mathrm{CDPR}$ と $\mathrm{FEPR}$ の面積の半分となることに注意しましょう。このことから、四角形 $\mathrm{APBR}$ の面積は、四角形 $\mathrm{CDEF}$ の半分であることが分かります。

このとき、CF(=AB=DE)の長さは $8$ であることから

$$\frac{1}{2}\times 8\times \left(-2p+12-\frac{1}{4}p^2\right)=60$$

という関係が成り立ちます。

\begin{align*}
p^2+8p+12=&0\\
(p+6)(p+2)&=0
\end{align*}

$-4<p<4$ なので、$p=-2$ が求める値となります。

塾長
この面積の求め方は頻出の問題なので、復習をやって確実に解けるようになっておきましょう。

大問4

内容 方程式

難易度 標準

前回の模試では、なかなかの長文の問題だったのですが、今回はよくあるシンプルな問題になっていました。

定価5000円のリュックサックが10%引きになっていたので、兄と弟でお金を出し合って購入した。兄は持っていたお金の70%を出し、弟は持っていたお金の20%を出した。2人の残金を比べたところ、兄の残金は弟の残金よりも600円多かった。このとき、兄が初めに持っていたお金と弟がはじめに持っていたお金はそれぞれ何年か、方程式を作って求めなさい。なお、途中の計算も書くこと。

いつも1次方程式で解いてしまう塾長ですが、今回は2文字使う方が簡単そうですね。

兄が初めに持っていたお金を $x$ 円、弟がはじめに持っていたお金を $y$ 円としましょう。

兄は持っていたお金の70%を出し、弟は持っていたお金の20%を出してリュックサックを購入しました。このとき、リュックサックは5000円の10%引きなので、4500円です。したがって、$0.7x+0.2y=4500$ となります。また、兄の残金は弟の残金よりも600円多かったとあるので、$0.3x=0.8y+600$ となります。したがって、連立方程式

$$\begin{cases}0.7x+0.2y=4500\\0.3x=0.8y+600\end{cases}$$

を解いて、$x=6000$、$y=1500$ となります。

塾長
全然数学と関係なくて申し訳ないんですが、リュックサックって若い人にも通じるんですかね?

大問5(復習おすすめNo.3)

内容 作図

難易度 

今回の作図はかなり難しい問題でした。下図のような四角形ABCDにおいて、条件を満たす点Pの作図ですが、Pがどのような点なのかをすぐにイメージできなかった人が多かったと思います。

  • 点Pは対角線AC上にある。
  • $\angle\mathrm{BPC}=\angle\mathrm{DPC}$

とりあえず、この辺かなあという位置にPをとってみて、どういう点なのかを考えてみましょう。

条件を満たすようなPは、だいたい上の図のような位置にきそうです。問題は、このPが一体どんな点なのかということです。$\angle\mathrm{BPC}=\angle\mathrm{DPC}$ をよ〜く意識して図形を見てください。このときに、下図のような二等辺三角形PBEが見えてきた人は、かなり図形に強いのではないかと思います。

塾長
PがAC上にある(AC上を動く)という条件から、ACがBEの垂直二等分線となるような点Eを意識できたという人もいるでしょう。私はコレでした。結構考えましたけど笑

これが見えてくれば、作図できるでしょう。点A、点Cを中心としBを通る円弧を描き、それらの交点をEとします。あとは、EとDを結ぶ直線とACの好転をPとすればOKです。

今回は図形の見方が弱い人は「見えなかった」かもしれません。対称点をとって垂直二等分線を意識するというのは、確かに当たり前のことなのですが、頻繁に見かけるものではないので難しかったでしょう。時間がたっぷりあればできた人も多かったかもしれません。

大問6(復習おすすめNo.1)

内容 平面図形

難易度 

大問6は平行四辺形を題材とした平面図形の問題でした。この手の問題は入試頻出の問題なので、しっかり解けるように色々な問題をやっておきましょう。

(1)は角度の問題です。$\mathrm{DE=DF}$、$\angle\mathrm{ABE}=22^\circ$、$\angle\mathrm{CBE}=46^\circ$ が与えられています。求めるものは $\angle\mathrm{BEF}$ です。

与えられた角度を生かすために、EからABに平行な直線EGを下図のように引いてみます。

錯角によって、$46^\circ$ と $22^\circ$ が図のように現れます。また、$\mathrm{DE=DF}$ なので、$\angle\mathrm{DEF}=\angle\mathrm{DFE}$ であり、さらに錯角によって、$\angle\mathrm{GEF}$ も等しい角となります。

したがって、$\angle\mathrm{BEF}$ は $22^\circ+\circ$ となります。計算すると

$$22+\frac{180-(46+22)}{2}=78$$

となるので、$78^\circ$ となります。

(2)は設定が変わります。E、FがそれぞれAD、CDの中点となります。中点はいろいろと派生する条件なので意識して欲しいですね。ここでは下図の色のついた三角形について、$\triangle\mathrm{AGH}\sim\triangle\mathrm{FEH}$ を証明する問題です。

相似の証明では角度から考えていく方が見通しがいいでしょう。辺の情報が多い場合は辺の比などを用いて考えることもできますが、今回はあまり辺の情報が与えられていないので角度から考える方が無難です。

さて、2つの三角形が相似になるためには、どうなっているとうれしいですか?

このとき、$\mathrm{EF//AG}$ になっているとうれしいなあと思えることが大切です。そうなっていれば、錯角から2つの角がそれぞれ等しいことがすぐに言えるため、一発で相似が証明できます。では、実際に $\mathrm{EF//AG}$ であることを示せるか考えてみます。

このとき、E、FがそれぞれAD、CDの中点であることから中点連結定理が思いつけばOKです。

中点連結定理によって、$\mathrm{EF//AC(AG)}$ となるため、図のように $\angle\mathrm{GAH}=\angle\mathrm{EFH}$、$\angle\mathrm{AGH}=\angle\mathrm{FEH}$ となるので $\triangle\mathrm{AGH}\sim\triangle\mathrm{FEH}$ となります。

(3)も定番の面積比の問題ですが、これがかなり面倒だったのではないかと思います。解けた人は自信を持ってOKですよ!

図の $\triangle\mathrm{CFH}$ と平行四辺形ABCDの面積比を求める問題です。いきなり $\triangle\mathrm{CFH}$ と平行四辺形ABCDを比べることはできないため、まずは、平行四辺形と比較しやすい三角形を考えるところからスタートしましょう。

上図のように $\triangle\mathrm{CFH}$ に $\triangle\mathrm{CHA}$ を加えた $\triangle\mathrm{ACF}$ を考えるといいでしょう。この $\triangle\mathrm{ACF}$ は 平行四辺形の半分の面積となる $\triangle\mathrm{ACD}$ をさらに半分にした面積になります($\mathrm{DF=FC}$に注意)。

では、$\triangle\mathrm{CFH}$ と $\triangle\mathrm{CHA}$ の面積比はどうなっているのでしょうか。この2つの三角形はそれぞれ $\mathrm{FH}$ と $\mathrm{HA}$ を底辺と見ると高さの等しい三角形となるので、$\mathrm{AH:HF}$ が分かれば良いことになります。これは(2)から、$\triangle\mathrm{AGH}\sim\triangle\mathrm{FEH}$ であることを利用して考えていけそうです。

ここで、相似の定番の形($\triangle\mathrm{AGE}\sim\triangle\mathrm{CGB}$)が見えてくるといい感じです。EがADの中点であることから、$\mathrm{AE:BC=1:2}$ となります。

ということは、上図のように $\mathrm{AG:GC=1:2}$ となります。さらにこのとき、中点連結定理から $\mathrm{AC=2EF}$ が成り立つので、比を書き換えると下図のようになります。

したがって、$\mathrm{AG:EF=AH:HF=2:3}$ が求まります。

さて、最初に戻って三角形の面積から考えていきましょう。面倒なので、$\triangle\mathrm{CFH}=3$ とすると、$\mathrm{AH:HF=2:3}$ より、$\triangle\mathrm{CHA}=2$ であり、$\triangle\mathrm{ACF}=5$ となります。さらに $\triangle\mathrm{ACD}=10$ から、平行四辺形ABCDの面積は $20$ となることがわかるので、結局、求める面積比は $3:20$ ということになります。

塾長
模範解答の解説はかなりアッサリしていましたが、この問題は、しっかり考えないとなかなか道筋が見えてこないと思います。まずは「どこが分かったら計算しやすいか」と考えてみるといいでしょう。

大問7

内容 空間図形

難易度 やや難

最後の問題は空間図形の問題でした。(1)、(2)は簡単だったので、しっかりと得点しておきたいところですね。(3)は計算量が多くなるため、どう乗り切るかが鍵となるでしょう。見るからに面倒なので捨てたという人も多かったかもしれませんが、実際はそこまで難しい問題ではありませんでした。

(1)は直線 $l$ を回転軸として1回転させたときに円柱ができる図形を選ぶものでした。これはすぐにイと答えて欲しいところです。

塾長
ちなみに、アは円錐、ウはトイレットペーパーのような形、エは球となります。

(2)は下図において、$\mathrm{AB=10cm}$、$\mathrm{AC=BD=9cm}$ であるときの円柱の表面積を求める問題です。

まずは、上面と底面の円の面積を求めましょう。円の面積を2倍して $2\times 5^2\pi=50\pi(\mathrm{cm}^2)$ となります。また、この円の円周の長さは、$10\pi$ となり、これが側面積の長方形の1辺の長さとなります。もう1辺は $\mathrm{9cm}$ なので、側面積は $90\pi(\mathrm{cm^2})$ となります。したがって、求める表面積は、

$$50\pi+90\pi=140\pi(\mathrm{cm^2})$$

(3)は、まず図がゴチャついていて見るのも嫌だなと思った人もいるかもしれません。

円Oの周上に、$\angle\mathrm{BAP}=15^\circ$ となる点Pをとり、Pを含まない弧AB上に、$\angle\mathrm{BAQ}=15^\circ$ となる点Qをとり、四面体CDPQを作ります。このとき、四面体CDPQの体積を求めよ、というのが問題です。

四面体の体積なので、底面と高さをどう考えるかというのが最も重要となります。計算しやすいところはどこかと考えてみましょう。そのとき、上の図のままでは掴みにくいので、真上から見た図や真横から見た図を描き出してみるといいでしょう。

まずは真上から見た図を考えましょう。$\angle\mathrm{BAP}=15^\circ$、$\angle\mathrm{BAQ}=15^\circ$ なので、PとQはABに関して対称となります。また、円周角の定理から、$\angle\mathrm{BOP}=30^\circ$、$\angle\mathrm{BOQ}=30^\circ$ となります。したがって、$\angle\mathrm{POQ}=60^\circ$ であり、$\triangle\mathrm{OPQ}$ は正三角形であることが分かります。

このとき、円の半径は5となるので、PQの長さも5となります。また、Rの位置を確認しておいて下さい。

次に真横から見た図を考えます。面ABDCを正面から見るような図を描いてみましょう。

このとき、先ほど真上から見た図をかいたときに現れたRは上のような位置にきます。このとき、$\triangle\mathrm{CDR}$ は、四面体CDPQを面ABDCで切断したときの断面となります。そしてこの面積は

$$\frac{1}{2}\times 10\times 9=45$$

となります。あとは、2つの対称な三角錐 P-CDRとQ-CDRを求めて加えればOKです。対称なので片方を求めて2倍すればいいでしょう。

$$2\times \frac{1}{3}\times \frac{5}{2}\times 45=75$$

よって、求める体積は $\mathrm{75cm^3}$ となります。

塾長
体積を直接求めるのが大変な場合に、分割して求めるという手法は押さえておきましょう。計算しやすい部分がどこか、というのを常に考えることが大切です。

まとめ

今回の石川県総合模試は、今年度のなかでも難しいテストだったと思います。難しさの要因は、やはり時間的な厳しさでしょう。50分で考えて解くとなると、かなりスピーディにやっていかないといけません。ただ、最初に指摘したように、スピードを求めるあまり、いい加減な考え方になってしまっては意味がありません。まずは、時間制限がなかったらどのくらいできたのかをきちんと把握しておきましょう。そして、無駄な計算や考え方をしていなかったをチェックしてみてください。そこにスピードアップの鍵が隠されているはずです。

また、近年、中高生の数学力が低下してきていることを危惧しています。とくに上位層がかなり薄くなっているのが気がかりです。上位校の生徒でも、高校数学で苦戦する生徒がかなり増えています。中高生の数学の勉強が反復トレーニングのようになってしまっているケースが多く、見ていると一体何の勉強をしているのだろうと思うことが増えました。普段の勉強では、失敗も含めてもっといろいろなことを試してみるべきではないかと思います。

これから冬休みがやってきますが、入試までの期間で時間に余裕を持って取り組める最後の機会となります。是非ともそうした勉強をやってみて欲しいですね。というわけで、受験生のみなさん、最後まで粘り強くやっていきましょう!

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