解き方が分かりません、とな

塾長
公立高校入試の倍率の記事のアクセスがおかしなことになっていますが、あんなイレギュラーな値は気にせず、今日もマイペースにちょいマスの記事を書きます。アクセスは激減ですよ、きっと!笑

石川県公立高校入試に向けて、最終チェック段階の受験生も多いでしょう。

そろそろやることも尽きてきて「飽きてきたんですけど!」という人もいるかもしれません。

とくに入試の対策ばかりになってしまうこの時期は「どっかで見たわこの問題」とか「さっきのと一緒やん」とか、結構つまらなく感じることが増えます。私も高校入試に関しては「全然面白くないなあ」と初期の頃から思っていたため、およそ公立高校入試には出題されないであろう難問ばかり解いて遊んでいました。

でも、そういう問題をやることで、柔軟な発想ができるようになったのではないかと思ったり思わなかったりします。

というわけで、今回は整数の問題を使って、入試対策で凝り固まった頭をほぐしていきましょう!

3桁の自然数のうち、正の約数の個数が3個である自然数はいくつあるか。

この手の問題は公立高校入試ではあまり見かけない問題です。

数学が得意な人は、頭の中でサクッと考えて7個とすぐに答えが出せるでしょう。

塾長
大問1に1つくらい入れてくれてもいいのになあといつも思います。解の公式を使うだけのような問題を出すよりよっぽど意味があります。

数学の勉強があまり上手くいっていないタイプの人はこういう問題で苦戦します。

とくに、問題集などであまり扱われていない見慣れない問題が出てきたときに

解き方が分かりません

という人は要注意です(最近はこういうタイプの生徒がびっくりするくらい増えてきています)。

基本的に「解き方」というのは最初からあるわけではなくて、あれこれやってるうちに見つかるものです。

その感覚を持っていないと、この先、高校数学で脱落してしまうことになるでしょう。

さて、まずは「正の約数の個数が3個」となるような具体的な数をいくつか見つけていきましょう。このとき「正の約数の個数が3個」にならないものも同時に考えてみることが大切です。

自然数正の約数正の約数の個数
41、2、43
51、52
61、2、3、64
81、2、4、84
91、3、93
101、2、5、104
121、2、3、4、6、126
161、2、4、8、165
塾長
こうした具体例を常に考えている人は、例の作り方も上手です。一方で、例を作ることをしない人は「何のために例を作るのか」という部分が抜けてしまっているため、例を作るのが下手だったり、例を作っても「ただ作っただけ」で終わってしまう人が多いです。

こうして正の約数を観察していると、何かに気づきませんか?

例えば12の正の約数については、両側から1つずつとってペアにして掛け合わせた数はすべて12になります。

すなわち、$1\times 12=12$、$2\times 6=12$、$3\times 4=12$ となります。このように約数にも対称性が存在します。

正の約数の個数にも特徴があります。正の約数の個数が偶数個の場合と奇数個の場合があり、特に奇数個の場合は必ず真ん中の約数が、自身とペアになって2乗の形が出てきます。つまり、約数の個数が奇数個の場合、その数は平方数であることが分かります。

ということは、この問題では「正の約数の個数が3個となる」ことから、平方数に絞られることが分かります。

さらに、上の例を見ていくと、奇数個の正の約数をもつ平方数において、その数が3個となる場合は、真ん中の約数が素数の場合に限定されることが見えてくるでしょう。

すなわち、正の約数が3個の場合、$p$ を素数として

$$1,\quad p,\quad p^2$$

という形に表されます。あとは、2乗して3桁となるような素数を数えればOKです。

それは、11、13、17、19、23、29、31の7個となります。

 

というわけで、この問題には解き方というものは存在しません。いくつかの自然数の約数を観察していくことで見えてくる特徴に着目して考えていくことになります。整数の問題は、決まった解き方をすれば解けるという問題が少ないため、考える練習をするにはとても良いと思います。

塾長
こういう問題こそ基礎的な力を試すことができると思います。普段からきちんと数学の勉強ができている人にとっては何てことはない問題ですが、解き方を覚えて当てはめようなどと考えている人にはとても難しく感じるようです。そういう勉強からは早めに脱却してもらいたいなあと思います。
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